Renaissance - Prologue (1972)
Renaissance 1972

Renaissance - Prologue (1972)

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Renaissance『Prologue』レビュー

1972年にリリースされた『Prologue』は、Renaissanceにとって新体制の立ち上がりを告げる重要な作品だ。英国ロンドンで結成されたこのバンドは、初期にKeith RelfやJim McCartyらを擁する編成から出発し、その後の変化を経て、Annie HaslamとJohn Toutを中心とするラインアップへ移行していく。その転換点に置かれたのがこのアルバムで、バンドの名前が示すとおり、ここから新しい章が始まる、という位置づけがはっきりしている。

US盤はCapitol RecordsのSMAS-11116。録音は1972年6月から7月にかけてロンドンのNova Sound Studiosで行われている。制作クレジットにはMiles Copelandの名前があり、バンド自身もプロデュースに関わっている。RenaissanceのDiscogs上の記録でも、これは1972年のオリジナル期を示す重要盤として扱われている。

新体制の出発点としての内容

『Prologue』を聴くと、のちのRenaissanceを代表する整った室内楽的な響きへ向かう途中段階にあることがよくわかる。ギターの存在感はまだはっきりしていて、曲によってはロック色の強さが前面に出る。その一方で、ピアノや鍵盤の使い方にはクラシック音楽への接近が見える。タイトル曲ではショパンの引用が取り入れられており、単なるロック・バンドではない方向性がすでに示されている。

中心となるのはAnnie Haslamの歌唱とJohn Toutの鍵盤だ。Haslamは伸びのある高音で、楽曲の輪郭を上からなぞるように存在感を出していく。ここではまだ後年の洗練された印象だけでなく、やや硬質な表情も残っている。そこにハードなギターやリズム隊が重なり、シンフォニック・ロックとしての骨格が形になっている。実際に聴くと、音の重なり方が明確で、派手な展開よりも各パートの役割分担が見えやすい作品だと感じる。

キャリアの中での位置づけ

Renaissanceにとって『Prologue』は、初期メンバーが総入れ替えに近い形で離れた後、新しいバンド像を打ち出すための作品として重要だ。Renaissanceという名前は残っていても、中身は大きく変わった。その変化を最初に記録したのがこのアルバムであり、後の代表作へつながる出発点になっている。

1973年以降、Haslam、Michael Dunford、Tout、Jon Camp、Terry Sullivanの編成が安定すると、Renaissanceはより統一感のある作品を重ねていく。その意味で『Prologue』は、完成形ではなく、方向性を決めるための一枚として見ると理解しやすい。のちの成功作と比べると地味に感じる場面もあるが、バンドの変化の途中にある緊張感はこの盤ならではだ。

同時代の文脈

1972年という時期は、英国のプログレッシブ・ロックが多様化していた時代でもある。Yes、Genesis、King Crimsonといった大きな流れがある一方で、Renaissanceはそこにクラシック音楽寄りの要素を強く持ち込み、独自の立ち位置を作っていく。『Prologue』はその中でも、シンフォニック・ロックとプログレ・ロックの境目にある作品として捉えやすい。後年の洗練されたRenaissance像だけでなく、同時代のロックの熱量も残している点が興味深い。

なお、このUS盤はWinchester, VAでプレスされた個体として記録されている。Capitol盤らしいラベル表記も特徴で、1970年代初頭の同社の流通・プレス体制をそのまま反映した一枚といえる。音楽面の印象とは別に、当時のアメリカ盤らしい資料性も持っている。

まとめ

『Prologue』は、Renaissanceが新しい顔つきで再出発した瞬間を切り取ったアルバムだ。初期のバンド史を知っていると変化の大きさが見え、後年の作品を先に聴いていると、その原型のような部分が見えてくる。シンフォニック・ロックの流れの中で、クラシックへの接近、Haslamの歌声、鍵盤主体の構成が少しずつ形になっていく過程が記録された一枚。Renaissanceというバンドの輪郭をつかむうえで、外せないタイトルだと思う。

トラックリスト

  1. A1 Prologue 5:39
  2. A2 Kiev 7:39
  3. A3 Sounds Of The Sea 7:09
  4. B1 Spare Some Love 5:05
  5. B2 Bound For Infinity 4:17
  6. B3 Rajah Kahn 11:14

動画プレイリスト

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