Harris Chalkitis - Marita (1975)
Harris Chalkitis 1975

Harris Chalkitis - Marita (1975)

Rock Pop Jazz Folk, World, & Country Funk / Soul Prog Rock Jazz-Rock Disco Jazz-Funk

Harris Chalkitis / Marita(1975, France, Barclay XBLY 80 565)

Harris ChalkitisのMaritaは、1975年にフランスのBarclayから出た作品。録音は同年4月から5月にかけてパリのBarclay Studiosで行われ、レーベル表記も「Made in France」。レコードとしてのまとまりは、ジャズ、ロック、ファンク、ポップ、フォークの要素をまたぐ作りで、スタイル欄にある通りジャズ・ロック、ジャズ・ファンク、プログレッシブ・ロック、ディスコの接点に置かれている。

作品の輪郭

Harris Chalkitisは、作曲家、編曲家、シンガー、マルチ奏者として活動した人物で、1945年にカイロで生まれ、子どもの頃に家族とともにギリシャへ移った。後年はQueen Samanthaのプロデュースでも知られ、Demis Roussos、Mireille Mathieu、Dalidaといったアーティストの作曲にも関わっている。そうした経歴を踏まえると、Maritaも単独の歌手作品というより、編曲と構成の感覚が前に出た、作り手の手つきが見えやすい1枚として捉えやすい。

この盤は1975年のオリジナル盤で、Barclayのカタログ番号はXBLY 80 565。フランス盤らしく、70年代中盤の欧州制作の空気が強い時期の作品でもある。Barclayは当時、フランスの大手レーベルとしてシャンソン、ポップ、ジャズを中心に展開していたが、70年代には自社プレス工場を持たず、MPOやC.I.D.I.S.などに依存していた。このMaritaの盤も、1975年のフランス盤プレスの特徴を持つものとして扱われている。

サウンドの位置づけ

収録内容は、ジャズ・ロックやジャズ・ファンクを軸にしながら、ディスコの拍感やプログレッシブ・ロック的な展開を含むタイプの1975年作品として整理できる。70年代半ばのヨーロッパでは、ジャズ系の演奏感を持つミュージシャンが、ファンクの反復やダンス志向のリズム、ロックの構成感を取り込む動きが広く見られたが、Maritaもその流れの中に置ける。

Harris Chalkitis自身が作曲・編曲・演奏をまとめる立場にあるため、曲ごとの見せ場も演奏者任せというより、全体の設計の中で組み立てられている印象が強い。ファンクの低音、ジャズ寄りのコード感、ポップ寄りの旋律が、同じ作品内で切り替わる構造が見えやすい。こうした作りは、同時代の欧州ジャズ・ロックや、フレンチ・ディスコの初期作品とも近い感触を持つ。

レーベルと盤の情報

発売元のBarclayは、1945年にEddie BarclayとNicoleがパリで創業した会社を起点にするレーベルで、1950年代に現在のBarclayへ発展した。フランス国内では大きな存在感を持ち、1978年にはPolyGram傘下に入っていく。Maritaのような1975年盤は、そのBarclayが70年代に展開していた欧州ポップ〜ジャズ系カタログの一部として見える。

盤面の情報としては、1975年のBarclayプレスに見られる2本のリングが特徴とされている。ラベルには「Made in France」とあり、録音地もパリのBarclay Studios。制作からプレスまで、フランス国内で完結した作品としてまとまっている。

同時代の文脈

1975年は、ジャズの側からロックやファンクへ寄る動きがかなり進んでいた時期で、欧州でもその影響が広く浸透していた。アメリカのフュージョンやファンクの流れと並行して、フランスやギリシャ系のミュージシャンが、歌ものの感覚とインストゥルメンタルの両方を行き来する作品を残している。Harris Chalkitisは、そうした国境をまたぐ音楽家の一人として見ると輪郭がつかみやすい。

Maritaは、派手な伝説で語られるタイプの作品というより、70年代中盤の欧州制作盤の具体的な手触りが残る1枚。録音場所、レーベル、プレス、制作者の経歴がきれいにつながっていて、当時のフランス盤らしい仕事ぶりがそのまま見える。

トラックリスト

  1. A1 Marita 3:45
  2. A2 Funny She Loves Me 2:18
  3. A3 Right On Moving 2:49
  4. A4 Always On My Mind 2:37
  5. A5 Without You 4:15
  6. B1 Introduction Moog 0:59
  7. B2 Glory Of A Love Song 3:25
  8. B3 Morning Sunshine 2:47
  9. B4 New York City 3:47
  10. B5 With A Smile 2:35
  11. B6 Let Me Go My Way 2:42

動画プレイリスト

Share
記事一覧に戻る

あわせて聴きたい "Jazz-Rock"

toast