Traffic - John Barleycorn Must Die (1970)
Traffic 1970

Traffic - John Barleycorn Must Die (1970)

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Traffic『John Barleycorn Must Die』について

Trafficの『John Barleycorn Must Die』は、1970年に発表された作品で、バンドの再始動を告げる重要なアルバムである。元々はスティーヴ・ウィンウッドのソロ録音から出発した企画だったが、ジム・キャパルディやクリス・ウッドが加わり、結果としてTraffic名義の新作としてまとまった。初期のTrafficが持っていたサイケデリックな感触を残しながらも、より長い展開、即興性、ジャズ寄りの演奏感が前面に出た内容になっている。

この日本盤は1979年リリースで、Island Recordsの青ラベル仕様、さらに“ROCK GREATEST 1500”表記の帯が付く国内盤である。オリジナルの1970年盤から9年後の再発で、当時の日本の洋楽LPとしては、輸入盤とは別に国内流通向けの体裁が整えられた一枚。Toshiba EMI製造のクレジットも確認できる。

Trafficというバンドの流れ

Trafficは1967年にウィンウッド、キャパルディ、ウッド、デイヴ・メイソンによって結成された英ロック・バンド。初期はシングル中心のサイケデリック・ロックだったが、メロトロンや木管楽器、ジャズ的なアプローチを取り込み、独自の音像を作っていった。1969年にいったん解散し、ウィンウッドはBlind Faithへ参加。その後の1970年に再結成して作られたのが本作である。

つまり『John Barleycorn Must Die』は、単なる新作というより、いったん止まったバンドが再び動き出す節目の作品でもある。Trafficの中でも位置づけがはっきりしたアルバムで、後の活動の方向性を決める土台になった盤として見られている。

収録内容と曲の性格

このアルバムは全6曲構成で、曲数は少ないが、1曲ごとの展開が長い。短いポップソングを並べた初期作とは違い、演奏の余白や流れが重視されている。特に6分を超える曲が複数あり、バンドの呼吸や楽器同士の受け渡しがよく見える作りになっている。

タイトル曲「John Barleycorn Must Die」は、英国の古い民謡をTraffic流に再解釈したもの。もともとジョン・バーレイコーンは大麦から作られる酒を象徴する存在として語られてきた人物で、収穫、消費、酩酊、再生といったイメージを含む。民謡の持つ古い語り口を、1970年のロック・アルバムの中に置き直した点がこの曲の核になっている。

「Glad」のような器楽曲では、ウィンウッドのオルガンを軸にした流れがはっきりしていて、ロックとジャズの距離が近い。Trafficの演奏は、派手なソロで押し切るタイプではなく、各パートが少しずつ形を変えながら進む印象が強い。聴感としては、リズムが前に出る場面と、音が引いて空間が見える場面が交互に現れる構成で、アルバム全体の流れを作っている。

1970年という時代の中で

1970年の英ロックは、サイケデリック期の残響から、より演奏重視の方向へ移っていく時期だった。Trafficの本作もその流れの中にあり、フォーク、ブルース、ジャズ・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が、ひとつのバンドの中で自然に混ざっている。King CrimsonやFairport Conventionの周辺、あるいは同時代の英国産の演奏志向の作品と並べて語られることが多いのも納得できる内容である。

特にスティーヴ・ウィンウッドの歌と演奏が中心にある点は大きい。ソウル寄りの声質を持ちながら、オルガンやピアノでも楽曲を引っ張るため、バンドの重心がぶれにくい。そこにキャパルディのドラム、ウッドの木管が加わることで、Trafficらしい流動感が出ている。

評価と残したもの

本作は英米で高く受け止められ、米国ではBillboard Top LPsで5位、英国でもチャート入りを記録した。Trafficにとって商業的にも成功したアルバムであり、再結成後の代表作として扱われている。後のジャズ・ロックやプログレ寄りのバンドにとっても、ロックの中で即興性をどう扱うかという点で参考になる作品だった。

この1979年日本盤は、オリジナル盤の内容をそのまま国内仕様で受け取れる再発で、青いIslandラベルと帯のデザインも当時らしい雰囲気を持つ。1970年の初出盤とは時代が離れているが、作品そのものは、Trafficがバンドとして再び動き出した瞬間を記録したものとして、今も軸のぶれない一枚である。

トラックリスト

  1. A1 Glad 6:58
  2. A2 Freedom Rider 5:24
  3. A3 Empty Pages 4:33
  4. B1 Stranger To Himself 3:50
  5. B2 John Barleycorn 6:20
  6. B3 Every Mother's Son 7:04

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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