Warp 9 - It's A Beat Wave (1983)
Warp 9『It's A Beat Wave』について
Warp 9の『It's A Beat Wave』は、1983年にUSのPrismから出た作品。ニューヨークのエレクトロ/ヒップホップ周辺の空気をそのまま閉じ込めたような一枚で、電子音主体のビート、ラップとヴォーカルの行き来、ダンスフロア志向の構成がはっきりしている。グループの初期像を知るうえで、かなり重要な位置づけの作品と見てよさそうだ。
Warp 9というグループの輪郭
Warp 9は、ニューヨークのエレクトロ・シーンの中で動いていたグループ。プロフィールを見ると、もともとはPrismのスタジオ・グループとして始まり、後にメンバーや歌い手の入れ替わりを経ながら活動している。制作面ではLotti GoldenとRichard Scherが中核にいて、表に出る歌い手と、裏で曲を組み立てる制作者が分かれているタイプのグループだったことがわかる。
1980年代前半のニューヨークでは、ディスコの残り香と、シンセサイザーやドラムマシンを使った新しいダンス・ミュージックが同時に鳴っていた。Warp 9はその流れの中で、ラップ、ファンク、エレクトロをつなぐ側にいた存在だ。
サウンドの特徴
この時期のWarp 9は、機械的なリズムと人の声の対比がはっきりした音作りで知られる。ビートは硬質で、シンセのフレーズは短く反復され、曲全体がクラブ向けの推進力で進む。いわゆる“エレクトロ”の文脈にあるが、ただ無機質に寄るだけでなく、ヴォーカルの掛け合いで曲に温度が出るところが面白い。
『It's A Beat Wave』というタイトル自体も、ビートを波のように捉えた感覚がある。1983年という年を考えると、当時のヒップホップやダンス・ミュージックの変化をかなり早い段階で掴んでいた作品のひとつに見える。
同時代の文脈
同じ時代のニューヨーク周辺では、Afrika Bambaataa、Planet Patrol、Shannon、Man Parrishのように、シンセとドラムマシンを前面に出した作品が増えていた。Warp 9もその流れの中に置けるが、ラップの要素と歌ものの感触を行き来するあたりに独自性がある。
Prismというレーベルも、ディスコ、ハウス、エレクトロ、ヒップホップ、R&Bを扱っていたニューヨークのレーベルで、この作品がその環境から出てきたことは自然に見える。街のクラブ文化とスタジオ制作が近い距離にあった時代の記録という印象だ。
作品の位置づけ
Warp 9にとっては、後年のモータウン期へ向かう前の、初期エレクトロ路線を示す段階の作品。ここではまだ、グループの骨格がシンプルに見える。後の活動でソウル寄りの方向へ進む前提を知っていると、この時期の機械的でダンス志向の強いサウンドは、なおさらはっきりした輪郭を持っている。
聴きどころとして見えやすい点
- ドラムマシン主体の直進的なビート
- シンセの反復フレーズによる推進感
- ラップと歌のあいだを行き来するヴォーカル
- 初期エレクトロらしい、クラブ向けの乾いた音像
まとめ
『It's A Beat Wave』は、1983年のニューヨーク・エレクトロの空気を伝えるWarp 9の初期作品。ヒップホップの初期感覚、ダンス・ミュージックの機械的な強さ、そして歌ものとしてのまとまりが同居している。後の時代から振り返ると、Warp 9がどの位置から出てきたグループかをつかむための、わかりやすい入口になる一枚だ。
トラックリスト
- A1 Beat Wave 5:40
- A2 Master Of The Mix 7:01
- A3 Nunk (New Wave Funk) 7:15
- B1 Light Years Away 7:42
- B2 Light Years Away (Dub) 5:19
- B3 No Man Is An Island 6:14
関連動画
- Warp 9 - Beat Wave
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- Warp 9 - No Man is an Island
- Warp 9 - Nunk (New Wave Funk) [Instrumental]
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- Warp 9 - Mega-Mix