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Betty Wright(ベティ・ライト、本名: Bessie Regina Norris)は、1953年12月21日に米国フロリダ州マイアミで生まれ、2020年5月10日に亡くなったソウル/R&Bシンガー、ソングライター、音楽プロデューサーだ。ファンク、ソウル、リズム・アンド・ブルースを軸に活動し、マイアミのTK Productions/Alston Recordsを拠点にした「マイアミ・サウンド(Miami Sound)」を代表する重要人物として知られる。
Betty Wrightは幼い頃から家族のゴスペル・グループ「Echoes of Joy」で歌い始め、地元マイアミのシーンで豊かな音楽的素養を培った。兄弟姉妹にはMilton Wright、Phillip Wright、Jeanette Wright、Charles A. Wrightらがいる。1968年にはわずか14歳でAlston Recordsからデビュー・アルバム『My First Time Around』を発表し、シングル「Girls Can't Do What the Guys Do」がヒットを記録した。
1971年にリリースされた「Clean Up Woman」は、Betty Wrightの名を決定づけた不朽の名曲だ。17歳のときに録音されたこの曲はミリオンセラーとなり、全米R&Bチャート2位、Billboard Hot 100で6位を記録した。作曲・プロデュースはTKの看板クリエイターであるClarence ReidとWillie Clarkeが担当した。
もうひとつの代表曲「Tonight Is The Night」は1974年に発表され、1978年のライブ盤『Betty Wright Live』でのドラマティックな語り(モノローグ)を交えたバージョンが絶大な支持を集めた。1993年にはCandymanの「Knockin' Boots」でサンプリングされたことを機にリバイバル・ヒットを果たすなど、時代を超えて愛されている。
1975年には、自身が共作した「Where Is the Love」でグラミー賞最優秀R&Bソング賞を受賞した。1985年には自らのインディペンデント・レーベル「Ms. B Records」を設立し、1987年にアルバム『Mother Wit』をリリース。「No Pain, (No Gain)」「After the Pain」などの大ヒットを放ち、自己所有の独立レーベルからゴールド・ディスクを獲得した史上初の黒人女性アーティストのひとりとして歴史に名を刻んだ。
ホイッスル・ボイスのパイオニアとしても名高く、ミニー・リパートンとともに、後のマライア・キャリーやチャカ・カーンら後進の女性シンガーに決定的な影響を与えた。
Betty Wrightの楽曲はヒップホップ/R&Bのサンプリング・ソースとしても名高く、「Clean Up Woman」の小気味よいギターリフはMary J. Bligeの「Real Love」やSWVをはじめ、数え切れないほどのクラシックに引用された。
晩年は一流のボーカル・コーチやアレンジャーとしても手腕を発揮し、Diddy主宰のオーディション番組『Making the Band』で指導を務めたほか、Gloria Estefan、Jennifer Lopez、Joss Stoneらの作品にも貢献した。2011年にはクエストラヴ率いるThe Rootsとの全面共作アルバム『Betty Wright: The Movie』を発表。Snoop DoggやLil Wayneらを迎え、現代のソウル/ヒップホップ・シーンからも惜しみない敬意を集めた。