Betty Wright - Danger High Voltage (1974)
Betty Wright『Danger High Voltage』
ベティ・ライトが1974年にAlston Recordsから発表した『Danger High Voltage』は、マイアミのTK周辺の制作陣と深く結びついた一枚である。1971年の「Clean Up Woman」で知られる彼女は、その後も「Baby Sitter」や「Let Me Be Your Lovemaker」をヒットさせてきたが、本作ではさらに制作の輪が広がり、長年の共作者Willie Clarke、Clarence Reid、Steve Alaimoに加えて、KC and the Sunshine BandのHarry Wayne CaseyとRichard Finchもプロデュースに参加している。
制作背景・エピソード
録音はマイアミのCriteria Studiosで行われた。参加ミュージシャンには、TK周辺でおなじみのWillie “Little Beaver” Hale、Latimore、Timmy Thomasらの名前が挙がっている。収録曲の「Where Is the Love」は、ライト自身がCaseyとFinchと共作した曲で、「Shoorah! Shoorah!」はアラン・トゥーサン作。「Tonight Is the Night」は、ベティ・ライト自身が初めての性体験と結び付けて語った曲として知られ、このアルバムの中で最も成功した曲になった。
本作は1974年の終わりに、TK Records系列のAlstonから発売された。
時代の文脈
1974年のベティ・ライトは、すでに「Clean Up Woman」でミリオンセラーを持ち、「Baby Sitter」や「Let Me Be Your Lovemaker」でも実績を重ねていた時期にあたる。「Clean Up Woman」をヒットさせたのは17歳のときで、「Let Me Be Your Lovemaker」では高音域のホイッスル・ヴォイスも披露していた。シングル「Where Is the Love」はR&Bチャート15位、ダンス・チャート2位、全英25位を記録し、「Shoorah! Shoorah!」も海外でヒットした。
また、「Where Is the Love」は1976年の第18回グラミー賞で最優秀R&Bソングを受賞している。
後世への影響
この作品で特に長く参照されるのは「Tonight Is the Night」である。オリジナル版はR&B28位だったが、1978年には語りと「Pure Love」の一部を加えたライヴ版が発表され、こちらはR&B11位まで上がった。のちにこのライヴ版は1992年、Color Me Baddの「I Wanna Sex You Up」に無断でサンプリングされたとして訴訟になり、ベティ・ライト側が印税の35%を得た。
さらにDiscogsのプロフィールでは、Candymanの「Knockin' Boots」がこの曲をサンプリングしてヒットしたことで、「Tonight Is the Night」が改めて注目を集めたとされている。ライト自身もその後、1980年代半ばにMs. B Recordsを設立し、ゴールド・アルバムを生んだ。後年にはJoss Stone『Mind Body & Soul』のプロデュースも手がけ、2005年のグラミー賞にノミネートされている。
2020年5月10日、ベティ・ライトはマイアミで66歳で亡くなった。
トラックリスト
- A1 Everybody Was Rockin' 3:48
- A2 Love Don't Grow On A Love Tree 3:01
- A3 Show Your Girl 2:38
- A4 Come On Up 2:59
- A5 Shoorah! Shoorah! 2:55
- B1 Where Is The Love 4:55
- B2 That's When I'll Stop Loving You 3:23
- B3 Don't Thank Me Baby, Thank Yourself 2:54
- B4 Tonight Is The Night 4:00
動画プレイリスト
このアーティストについて
Betty Wright(ベティ・ライト、本名: Bessie Regina Norris)は、1953年12月21日に米国フロリダ州マイアミで生まれ、2020年5月10日に亡くなったソウ...
Betty Wright のプロフィール・作品一覧Betty Wright の他のレビュー