Betty Wright - I Love The Way You Love (1972)
Betty Wright『I Love The Way You Love』
1972年にUSのAlston Recordsから出たベティ・ライトの2作目。タイトル曲を掲げたこのアルバムでは、当時17〜18歳の若さだった彼女が、すでに強い存在感を持つ歌い手として前に出ている。マイアミのAlstonは、のちにTK Productions周辺と結びついていくレーベルで、ベティ・ライトの初期作を支えた拠点でもある。
制作背景・エピソード
本作の中心は、やはり「Clean Up Woman」。この曲はクラレンス・リードことブロウフライとウィリー・クラークが書き、ウィリー・“リトル・ビーバー”・ヘイルのワウ・ギターが印象を決定づけた。ウェブ上で紹介されている情報では、この曲は世界的なミリオンセラーとなり、ベティ・ライトの代表曲として広く知られるようになった。アルバム全体でも、表題曲「I Love The Way You Love」、 「I'll Love You Forever Heart And Soul」、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの「I Found That Guy」、ビル・ウィザースの「Ain't No Sunshine」の再解釈が並び、当時の彼女の歌唱の幅を示す内容になっている。
クレジット面では、裏ジャケットに収録曲の出版情報が記されており、A3がJobete Pub.、B3がInterior Pub.、それ以外がSherlyn Publishing Co.となっている。さらに、この盤はラベルのマトリックスに「RI」サフィックスがあり、ランアウトには「PR」の刻印が入るPresswellプレス盤として案内されている。
時代の文脈
1970年代初頭のマイアミでは、ヘンリー・ストーンのTKスタジオ周辺から独自のソウル・サウンドが発信されていた。ベティ・ライトはその中心にいて、若い年代でありながら、ゴスペル由来の歌唱力と成熟した表現で注目を集めた人物として扱われている。彼女の初期ヒット「Clean Up Woman」は、マイアミ・ソウルを代表する曲として位置づけられ、同時代のシーンの中でも大きな存在感を持った。
評価面では、「Clean Up Woman」が米ビルボードHot 100で最高6位、R&Bシングル・チャートで2位を記録し、200万枚以上を売り上げてゴールド・ディスクに認定されたとされる。アルバムもR&Bアルバム・チャートでトップ40入りしている。ベティ・ライトにとっては、のちの「Tonight Is The Night」以前に、すでに代表作を持つ段階の重要な一枚。
後世への影響
「Clean Up Woman」は、その後のヒップホップやR&Bで繰り返し参照されてきた。紹介されている情報では、Chance the Rapperの「Favorite Song (feat. Childish Gambino)」、Mary J. Bligeの「Real Love (Remix)」、SWV、Sublimeなど、30組以上のアーティストにサンプリングや引用の形で使われている。また、90年代にはColor Me Baddの「I Wanna Sex You Up」をめぐる権利の話題でも名前が挙がっている。
この曲が長く参照され続けていること自体が、ベティ・ライトの初期カタログの中でも本作を特別な位置に置いている。アルバム単位でも、彼女の初期キャリアとマイアミ・ソウルの結びつきを確認できる一枚として語られている。
トラックリスト
- A1 I Love The Way You Love 3:20
- A2 I'll Love You Forever Heart And Soul 3:40
- A3 I Found That Guy 3:35
- A4 All Your Kissin' Sho' Don't Make True Lovin' 2:35
- A5 If You Love Me Like You Say You Love Me 3:10
- A6 Clean Up Woman 2:40
- B1 I'm Gettin' Tired Baby 2:40
- B2 Pure Love 2:20
- B3 Ain't No Sunshine 3:20
- B4 Don't Let It End This Way 2:50
- B5 Let's Not Rush Down The Road Of Love 2:54