Tom Brock - I Love You More And More (1974)
Tom Brock 1974

Tom Brock - I Love You More And More (1974)

Funk / Soul Soul

Tom Brock『I Love You More And More』

1974年8月に20th Century Recordsから発表された、テキサス出身のソウル・シンガー、トム・ブロックの唯一のスタジオ・アルバム。カタログ番号はT-430。ロサンゼルスを拠点に活動していた彼の才能に惚れ込んだ巨匠バリー・ホワイトが、自身の制作会社Soul Unlimitedを通じて全面プロデュースを担当した。アレンジには盟友ジーン・ペイジが参加し、バック・コーラスにはジ・アンリミテッド・フォーが加わっている。

制作背景・エピソード

本作では、バリー・ホワイトとジーン・ペイジの黄金タッグによる重厚なオーケストレーションと洗練されたモダン・ソウル・グルーヴが惜しみなく注ぎ込まれている。トム・ブロック自身も優れたソングライターであり、タイトル曲「I Love You More And More」をはじめ、多くの楽曲をバリー・ホワイトらと共に書き下ろした。参加者クレジットにはバリー・ホワイト、ジーン・ペイジ、ジ・アンリミテッド・フォーの名が並び、当時の20th Centuryサウンドの精華が凝縮された一枚となっている。

時代の文脈

1974年は、バリー・ホワイト率いるラヴ・アンリミテッド・オーケストラが「愛のテーマ(Love's Theme)」で全米1位を記録するなど、甘美で壮麗なストリングスをフィーチャーしたオーケストラル・ソウルが時代を席巻していた。本作もその黄金期の流れの中に位置づけられるが、バリー本人のトレードマークである重低音の語り口とは異なり、トム・ブロックのヴェルヴェットのように甘く切ない歌声が前面に出たことで、より親密でメロウなスウィート・ソウルに仕上がっている。

ジーン・ペイジによる流麗なストリングス、甘美なエレピ、艶やかなベースラインが織りなすグルーヴは絶品。「Have A Nice Weekend Baby」の高揚感ある展開や、「There's Nothing In This World That Can Stop Me From Loving You」の哀愁漂う歌唱など、全編にわたって濃厚なメロウ・ソウルの美学が息づいている。

後世への影響

発売当時は商業的に大きな成功を収められず、長らくレア・グルーヴのコレクターズ・アイテムとなっていたが、2000年代以降のヒップホップ・サンプリングによって爆発的な再評価を獲得した。2001年にはジェイ・Zが名盤『The Blueprint』収録の「Girls, Girls, Girls」(ジャスト・ブレイズ制作)で「There's Nothing In This World That Can Stop Me From Loving You」を大胆にサンプリングして大きな話題を呼んだ。さらに2004年にはモス・デフが『The New Danger』収録の「The Panties」でタイトル曲「I Love You More And More」を取り上げるなど、ヒップホップ・クラシックの決定的元ネタとして不朽の名声を確立している。

トラックリスト

  1. A1 Have A Nice Weekend Baby 4:30
  2. A2 The Love We Share Is The Greatest Of Them All 3:57
  3. A3 There's Nothing In This World That Can Stop Me From Loving You 4:52
  4. A4 I Love You More And More 4:05
  5. B1 Naked As The Day I Was Born 4:30
  6. B2 That's The Reason Why (I'll Love You Until The Day I Die) 3:55
  7. B3 Shake Me, Wake Me 2:23
  8. B4 If We Don't Make It, Nobody Can 4:10

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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