Delegation - Eau De Vie (1979)
Delegation『Eau De Vie』(1979) レコード紹介
Delegationの『Eau De Vie』は、1979年にUKでリリースされたセカンド・アルバムである。Birmingham出身のソウル・ヴォーカル・グループとして活動した彼らは、70年代後半の英国ソウル/ディスコ・シーンの中で、メロディの明快さとグルーヴのバランスを持ったグループとして位置づけられている。プロデュースとグループ全体の方向性を長く担ったのはKen Goldで、この作品もその流れの中にある一枚だ。
DelegationはRicky Bailey、Ray Patterson、Len Coleyを中心に始まり、1979年にはLenに代わってBruce Dunbarが加わっている。『Eau De Vie』は、その時期のグループ像を知るうえで重要なアルバムで、後の「Where Is the Love (We Used To Know)」「Oh Honey」「Put A Little Love On Me」といった代表曲へつながる、初期の完成形に近い内容として聴かれることが多い。
作品の立ち位置
1979年という時期は、ソウルとディスコが強く結びついていた時代である。Delegationの音楽もその文脈の中にありながら、単なるダンス志向だけで押し切らず、コーラスをきちんと聴かせる作りが目立つ。British soul groupらしい端正さがあり、アメリカのファンク/ソウル作品と並べても、どこか整った印象が残る。AriolaからのUK盤という点も、当時の欧州圏での流通と評価を支えた一枚として見ておきたい。
アルバム全体は、派手な打ち出しよりも、曲ごとのフックとリズムの安定感で押していくタイプである。ベース、ギター、ホーン、コーラスの配置が比較的明瞭で、ソウル寄りの楽曲でもディスコ寄りの楽曲でも、演奏の輪郭が崩れにくい。聴き進めると、ヒット曲単体ではなく、グループとしての歌のまとまりがこの時期の強みだったことがわかる。
注目曲「Where Is the Love (We Used To Know)」
Delegationの代表曲としてまず挙がるのが「Where Is the Love (We Used To Know)」である。後年のシングルとして広く知られる曲だが、この時期のDelegationを語るうえでは外せない。タイトルどおりの分かりやすいテーマを持ちながら、感情を過度に煽らず、メロディとコーラスで自然に引っぱっていく構成が特徴的だ。
実際に聴くと、リード・ヴォーカルの線の細さよりも、サビでの声の重なりが印象に残る。リズムは軽快だが、単なるフロア向けの直線的なディスコではなく、ソウル・グループとしての歌の説得力が前に出る。こうした作りは、同時代の英国ソウルや、欧州で受け入れられたアメリカ産ソウルの流れとも接続している。
注目曲「Oh Honey」へつながる感触
『Eau De Vie』を聴くと、後の「Oh Honey」のような、滑らかなメロディとリズムの一体感を先取りしているような場面が見える。もちろんこのアルバム自体がその後の大ヒット曲そのものではないが、Delegationが何を得意としていたかは十分に伝わる。歌の入り方、コーラスの持ち上げ方、ビートの置き方が、後年のシングル・ヒットへ自然につながる。
このあたりは、同時代の英国ソウル・グループの中でも、ラフなファンク寄りというより、メロディ重視の作りを好む人に向いた感触がある。耳当たりは滑らかだが、演奏の芯はしっかりしていて、ダンス・ミュージックとしての機能と歌ものとしての聴きやすさが両立している。
サウンドの印象
全体の音像は、70年代後半のソウル/ディスコらしい明るさを持ちながら、過度に厚塗りではない。ドラムとベースの推進力があり、その上にギターや鍵盤、コーラスが整理された形で乗る。ファンクの荒さを前面に出すというより、整ったアレンジで曲を進めるタイプで、アルバムとして通して聴いたときの流れも比較的つかみやすい。
また、Delegationの魅力は、歌のキャラクターが前に出すぎない点にもある。強い個性で押すというより、グループとしてのまとまりで聴かせる作りで、そこにKen Goldの制作感覚がうまく噛み合っている。英国のソウル/ディスコ作品の中でも、派手さよりも完成度で記憶されやすいタイプのアルバムだろう。
UK Ariola盤として
このレコードはUK盤として流通した1979年オリジナルで、Ariolaレーベルからのリリースである。Ariolaはドイツ系のレーベルだが、70年代にはヨーロッパ各地で流通網を広げており、DelegationのようなUKソウル・グループの作品が国境を越えて広がる土台になっていた。英国発のグループでありながら、欧州のレーベルで展開されている点も、この時代のポップ/ソウル市場らしい動きとして見えてくる。
『Eau De Vie』は、Delegationの初期像を知るうえでの要所であり、後の代表曲に至る前段階としても聴きどころが多い。アルバム単位で見ると、ヒット曲の断片だけでは見えにくい、グループの歌とアレンジの設計が見えやすい一枚である。
トラックリスト
- A1 Heartache No.9 5:16
- A2 Sho 'Nuff Sold On You 5:15
- A3 One More Step To Take 4:40
- A4 Blue Girl 5:12
- B1 Darlin' (I Think About You) 4:19
- B2 You And I 5:15
- B3 Stand Up (Reach For The Sky) 4:57
- B4 Welcome To My World 4:33
- B5 Put A Little Love On Me 4:28
動画
- Delegation - You And I (1979)
- Delegation - Heartache No. 9 (1979)
- Delegation - Darlin (I Thing About You) (1979)
- Delegation - Put A Little Love On Me
- Delegation - Stand Up Reach For The Sky (1979)
- Delegation - Blue Girl
- Delegation- Stand Up (Reach For The Sky
- Delegation- One More Step To Take