Altered Images - Bite (1983)
Altered Images 1983

Altered Images - Bite (1983)

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Altered Images『Bite』(1983) レビュー

『Bite』は、スコットランド・グラスゴー出身のニュー・ウェイヴ・ポップ・バンド、Altered Imagesが1983年に発表した3作目のアルバム。UK盤はEpicからリリースされ、バンドにとっては初期のポストパンク寄りの感触から、より整ったポップ・アルバムへと踏み込んだ作品として位置づけられている。Clare Groganの声を中心にした軽快な歌ものの印象は残しつつ、前2作よりも曲の作りや音の輪郭がはっきりした内容で、80年代前半のUKポップの空気をそのまま抱えた一枚になっている。

バンドの流れの中での『Bite』

Altered Imagesは1979年に結成され、Clare Grogan、Tony McDaid、John McElhone、Gerard “Caesar” McInulty、Michael “Tich” Andersonを中心に活動を始めた。のちにメンバー変動を経て、シンセポップ的な色合いを強めていく。『Bite』は、その変化が表にはっきり出た時期の作品で、初期の粗さや軽さよりも、ヒットを意識した構成の明快さが前に出ている。バンドとしてはこの作品が最後のオリジナル・アルバムになり、1983年の解散へつながっていく流れの中でも重要な位置にある。

制作面でも特徴がある。収録曲の半分は1982年10月から12月にかけて録音され、残りは1983年3月に録音されている。プロデューサーにはマイク・チャップマンとトニー・ヴィスコンティの名前が並び、同じアルバムの中に異なる手触りが同居している。前半の曲はよりポップで明快、後半は音の立ち上がりやバランスに少し別の感触があり、アルバム全体に小さな段差がある。そこが作品の個性にもなっている。

収録曲とヒット曲

このアルバムで最も知られているのは先行シングルの「Don't Talk To Me About Love」。UKシングルチャートで7位を記録し、Altered Images最大のヒットになった。曲そのものは、Clare Groganの歌声を前面に出した、短いフレーズの反復ときっぱりしたメロディが印象に残る作りで、バンドのポップ志向が最もわかりやすく出た1曲。アルバムの顔として機能している。

続く「Bring Me Closer」は29位、「Love To Stay」は46位、「Change Of Heart」は83位。シングルの順位だけを見ると、アルバムの中で最初のヒットが突出している。とはいえ、アルバム単位ではUKチャート16位まで到達しており、バンド史上もっとも上位に入った作品でもある。前2作より売上は落としたものの、当時の認知度はしっかり残していたことがわかる。

音の印象

実際に聴くと、以前のAltered Imagesにあった少しざらついた感じより、音の並びが整っている。ベースとドラムの押し出しがはっきりしていて、ギターは前面で暴れるというより、曲の骨格を支える役割に回る場面が多い。Clare Groganのボーカルは相変わらず作品の中心で、歌い回しの軽さと、言葉を置くタイミングの明快さが耳に残る。全体としては、ニュー・ウェイヴの時代感を保ちながらも、ダンス寄りのポップに近づいた印象がある。

アルバムの中では、派手な一発よりも、曲の切り替わりやコーラスの入り方に耳が向く。特にシングル以外の曲でも、メロディを前に出す設計が徹底していて、演奏の荒さを楽しむタイプの作品ではない。80年代前半のUKポップ、たとえば同時代のヒット志向のニュー・ウェイヴ勢や、ポップ寄りに舵を切ったバンド群と並べて聴くと、Altered Imagesがどこへ向かおうとしていたかが見えやすい。

1983年という時代の中で

1983年は、UKではニュー・ウェイヴやシンセポップがより広い層に浸透していた時期で、ギター主体のバンドも音作りを更新していた。『Bite』はその中で、ポストパンクの出自を保ちながら、ラジオ向けの明快さへ寄せた作品として置ける。初期作品と比べると、バンドの輪郭よりも曲そのものの強さを前に出す作りで、当時のメジャー・レーベルの空気も反映している。

なお、2022年にはClare Groganを中心にAltered Imagesが再始動し、38年以上ぶりの新作『Mascara Streakz』を発表している。そうした現在の動きまで含めて見ると、『Bite』は長い中断の直前に残された、バンドの80年代的な到達点として読める。派手に語られることは多くないが、シングルの強さ、制作陣の顔ぶれ、そしてバンドの転換点という点で、記録しておきたいアルバムである。

UKオリジナル盤について

今回のUKオリジナル盤はEpicのEPC 25413。1983年盤らしいCBS系の体裁で、印刷された内袋付き。ジャケットやクレジット周りには当時のCBS Records表記が入り、レーベル面にはEpicのロゴが入る。再発盤と比べると、こうした初回仕様のパッケージは時代の空気をそのまま残していて、作品の内容だけでなく1983年のUKポップ・アルバムとしての輪郭も伝えてくる。

トラックリスト

  1. A1 Bring Me Closer 3:17
  2. A2 Another Lost Look 3:24
  3. A3 Love To Stay 5:34
  4. A4 Now That You're Here 4:42
  5. B1 Don't Talk To Me About Love 4:50
  6. B2 Stand So Quiet 4:23
  7. B3 Change Of Heart 3:42
  8. B4 Thinking About You 5:03

動画プレイリスト

公開: 2026年8月
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