Childish Gambino - Camp (2011)
Childish Gambino『Camp』(2011)
俳優、脚本家、コメディアンとしてマルチな才能を発揮していたドナルド・グローヴァー(Donald Glover)が、ウータン・クランのネーム・ジェネレーターから命名したラッパー名義チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)として2011年11月にGlassnoteから発表した記念すべきファースト・スタジオ・アルバム。黒人でありながら「黒人らしくないオタク(ナード)」として育った自らの生い立ちや疎外感、人種アイデンティティ、失恋と野心を赤裸々に告白し、のちの世界的ブレイクへと至るキャリアの原点となった重要作である。
盟友ルートヴィヒ・ヨーランソンとのシネマティックな音響構築
プロデュースは、グローヴァー自身とスウェーデン出身の新進気鋭コンポーザー、ルートヴィヒ・ヨーランソン(Ludwig Göransson)が共同で担当した。二人はグローヴァーが出演していたシットコム『コミ・カレ!!(Community)』の現場で出会い、意気投合。のちに映画『ブラックパンサー』や『オッペンハイマー』でアカデミー賞作曲賞に輝くヨーランソンによる壮麗なストリングスや合唱隊、エレクトロニック・サウンドが導入され、既存のヒップホップの枠組みを超えた映画のようにドラマティックな音響空間が生み出されている。
収録曲には、攻撃的な歪んだロック・ギターと機知に富んだパンチラインが炸裂する代表曲「Bonfire」、哀愁を帯びたピアノ・リフとエレクトロ・ハウスの躍動感が融合した大ヒット・シングル「Heartbeat」など、ジャンルを横断する多彩なトラックが並ぶ。そしてアルバムの幕を引く「That Power」の後半では、サマーキャンプからの帰り道のバスの中で起きた初恋の告白と痛烈な失恋の記憶が、長尺のスポークン・ワード(モノローグ)によって赤裸々に語り明かされ、作品全体の内省的なテーマを鮮やかに回収する。
USオリジナル盤の仕様とD面ボーナストラック
本盤(Glassnote - GLS-0121-01)は2011年にリリースされたUSオリジナル初版の2枚組アナログ盤。豪華なダブル・見開き(ゲートフォールド)ジャケット仕様で、D面にはCD通常盤には未収録の重要曲「Freaks And Geeks」「My Shine」「Not Going Back」「Longest Text Message」の4曲がボーナストラックとして収録されている。さらに、CD用マスターの流用ではなく実際のアナログ・マスターから直接デジタル化された音源のダウンロード・カードが付属する点も、アナログ盤ならではの特別な仕様である。
トラックリスト
- A1 Outside 4:32
- A2 Fire Fly 3:24
- A3 Bonfire 3:15
- A4 All The Shine 5:46
- A5 Letter Home 1:47
- B1 Heartbeat 4:32
- B2 Backpackers 3:18
- B3 L.E.S. 5:21
- B4 Hold You Down 4:59
- C1 Kids (Keep Up) 4:57
- C2 You See Me 3:16
- C3 Sunrise 3:42
- C4 That Power 7:46
- D1 Freaks And Geeks (Bonus Track) 3:39
- D2 My Shine (Bonus Track) 3:30
- D3 Not Going Back (Bonus Track) 4:38
- D4 Longest Text Message (Bonus Track) 3:43
動画プレイリスト
このアーティストについて
Childish Gambinoは、俳優、脚本家、コメディアン、そしてミュージシャンとして活動するDonald Gloverの音楽名義だ。1983年9月25日にカリフォルニア州...
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