Four Tops - Four Tops Reach Out (1967)
Four Tops 1967

Four Tops - Four Tops Reach Out (1967)

Funk / Soul Soul Rhythm & Blues

Four Tops『Reach Out』(1967)

1967年の『Reach Out』は、Four Topsの4作目のスタジオ・アルバムであり、Motown時代の同グループを語るうえで外せない1枚だ。Levi Stubbsの強いリード・ボーカルを軸に、Holland-Dozier-Hollandの作曲・制作チームが持っていた設計の細かさが、アルバム全体にきっちり反映されている。シングル・ヒットを中心に据えながら、同時代ポップスのカバーも交えた構成で、モータウンのアルバム作りの手つきがよく見える作品でもある。

Four TopsとMotownの関係

Four Topsは1953年にデトロイトで結成された男性ボーカル・カルテットで、もともとはThe Four Aimsという名前で活動していた。MotownではThe Miracles、The Supremes、The Temptationsと並ぶ重要なグループで、60年代にはHolland-Dozier-Hollandの主力アーティストとして多くのヒットを出している。『Reach Out』は、その関係がもっとも濃く出た時期の作品で、しかもH-D-Hとの最後の共同作業となったアルバムとしても位置づけられている。

録音は1966年から67年にかけて、デトロイトのHitsville U.S.A.を中心に行われた。演奏はFunk Brothers、コーラスにはThe Andantesが参加している。モータウンの制作体制がそのまま音になったアルバムで、歌、演奏、アレンジの役割分担が非常に明確だ。

代表曲が集中したアルバム

このアルバムの核は、やはりHolland-Dozier-Hollandが書いた3曲、「Reach Out I’ll Be There」「Standing in the Shadows of Love」「Bernadette」だろう。とくに「Reach Out I’ll Be There」は、Billboard Hot 100とR&Bチャートでそれぞれ2週1位、UKシングル・チャートでも3週1位を記録した大ヒットで、1966年の年間Hot 100でも上位に入った。Levi Stubbsの声を高い緊張感の中に置き、リズムとコーラスを少しずつ積み上げていく構成が特徴的で、Four Topsの代表曲として扱われる理由がはっきりしている。

「Standing in the Shadows of Love」も同じくグループの重要曲で、切迫した歌い回しと、ベースラインが前に出る展開が印象に残る。「Bernadette」は、メロディとリズムの押し引きがうまく噛み合った曲で、Four Topsの持つソウル・グループとしての輪郭をはっきり示している。

カバー曲の選び方

『Reach Out』はオリジナル曲だけで押し切るアルバムではない。Berry Gordyの選曲方針も反映されていて、同時代のポップ・ソングがいくつか取り上げられている。「If I Were a Carpenter」はTim Hardin作、「Walk Away Renée」はThe Left Bankeの曲、「Last Train to Clarksville」「I’m a Believer」はThe Monkeesの楽曲だ。こうしたカバーが入ることで、Four Topsの演奏が単なるモータウン・ソウルにとどまらず、当時のポップ・チャート全体とつながっていたことが見えてくる。

実際に聴くと、カバーでもLevi Stubbsの歌が曲の輪郭をかなり変えてしまう。原曲の軽さや甘さがそのまま残るのではなく、声の圧とフレーズの置き方で別の重心が生まれる。そこがこのグループの強さで、同じ曲でもFour Topsの版になると、より切実な話として耳に入ってくる。

アルバムとしてのまとまり

本作はシングル集の寄せ集めに見えて、流れで聴くとかなり統一感がある。アップテンポの曲、ミドルテンポの曲、バラードが並ぶ中で、Levi Stubbsの声が常に中心にあり、演奏はその周囲で細かく動く。モータウン特有のビート感はあるが、The Supremesの華やかさとも、The Temptationsのサイケデリック寄りの展開とも少し違う。Four Topsはもっと直線的で、声の押し出しが前面に出る。

このアルバムは、Motownが60年代後半にどれだけ完成度の高いポップ・ソウルを量産していたかを示す記録でもある。H-D-Hの制作が終わりに近づく時期の作品でありながら、音の密度は高く、ヒット曲の配置もよく考えられている。結果として、Four Topsの代表作として長く残る内容になっている。

1967年盤の仕様について

今回のUS盤は1967年リリースで、Motownのオリジナル期の一枚にあたる。ジャケットとラベルでカタログ番号の表記が少し異なり、表は660、スパインはMS 660、ラベルはS-660になっている。RCA Records Pressing Plant, Hollywoodでのプレスを示す“H”刻印がランアウトに入り、リマスターではなく当時の制作に近い形で出た盤として確認できる。こうした初期プレスの情報も、Motownの60年代盤を追ううえでは重要な手がかりになる。

『Reach Out』は、Four Topsのヒット曲をまとめたアルバムというだけではなく、モータウンの制作システム、Holland-Dozier-Hollandの作家性、Levi Stubbsの歌唱の強さが一体になった作品だ。シングルの強さとアルバム全体の流れ、その両方がはっきり残る1967年の名盤として見ておきたい。

トラックリスト

  1. A1 Reach Out I'll Be There 2:58
  2. A2 Walk Away Renee 2:42
  3. A3 7 - Rooms Of Gloom 2:31
  4. A4 If I Were A Carpenter 2:47
  5. A5 Last Train To Clarksville 2:38
  6. A6 I'll Turn To Stone 2:33
  7. B1 I'm A Believer 2:36
  8. B2 Standing In The Shadows Of Love 2:34
  9. B3 Bernadette 3:00
  10. B4 Cherish 3:00
  11. B5 Wonderful Baby 2:30
  12. B6 What Else Is There To Do (But Think About You) 2:28

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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