Jah Wobble , The Edge , Holger Czukay - Snake Charmer (1983)
Jah Wobble 1983

Jah Wobble , The Edge , Holger Czukay - Snake Charmer (1983)

Electronic Jazz Funk / Soul Fusion Dub Leftfield Jazzdance Free Funk

Jah Wobble, The Edge, Holger Czukay『Snake Charmer』(1983年)

1983年にUKのIsland Recordsから出た『Snake Charmer』は、元Public Image Ltd.のベーシストとして知られるJah Wobbleを軸に、U2のThe Edge、CanのHolger Czukay、さらにJaki Liebezeitまで巻き込んだ、かなり特異な顔ぶれのミニLPである。フロント面には「Francois Kevorkian presents Jah Wobble, The Edge, Holger Czukay」と記されていて、企画色の強さも目を引くが、内容はそれだけで片づけにくい。ダブ、ジャズ、ファンク、電子音響が、当時のロンドンのスタジオ感覚の中で組み合わされた作品として聴こえる。

作品の位置づけ

Jah Wobbleにとっては、PiL脱退後のソロ活動を進める中での重要な一枚であり、後のInvaders of the Heartへつながる流れの中に置ける。ベースを中心にした反復、低音の粘り、リズムの組み替え方は、この時期のWobbleらしさがよく出ている。ポストパンクの延長線上にありながら、ロックのバンド演奏だけで閉じず、クラブ・ミュージックやダブの感覚へ自然に触れていくところが面白い。

制作面でも、当初は4曲入り12インチの案だったものが、途中でミニLPに広がったという経緯がある。録音とミックスはロンドンのThe Fallout Shelterで行われ、「Sleazy」だけはSarm Westでミックスされた。こうした制作環境も含めて、整然としたアルバムというより、複数のアイデアが同じ場に持ち込まれて形になった記録のように見える。

参加ミュージシャンの存在感

The Edgeの参加は、この作品を語るうえで外せない。U2で注目されていたギタリストが、ここではロックの主役というより、音の層を足す役回りに近い。Holger CzukayはCanで培った編集感覚とベース/テープ操作の発想を持ち込み、Jaki Liebezeitの関与も含めて、ジャーマン・ロック以後の実験性が作品の芯に入っている。Jah Wobbleの低音がその上でうねることで、単なる寄せ集めではないまとまりが出ている。

さらに、プロデュース面でFrançois Kevorkianの名が前面に出ている点も重要である。後年のダンス・ミュージック文脈から見ると、この人選はかなり自然にも感じられるが、1983年時点では、ロック、ダブ、クラブの境界をまたぐ企画としてかなり先を行っていた印象がある。

音の印象

実際に聴くと、まずベースの反復が曲の重心を決めていて、そこにギターの断片、電子音、リズムの細かな揺れが重なる。いわゆる歌モノの展開よりも、リフと音色の配置で進む場面が多い。派手なメロディで引っ張る作品ではないが、音の隙間の使い方がはっきりしていて、各パートが前に出たり引いたりする感覚がある。ダブ的な処理が効いているぶん、音が詰まりすぎず、低音の動きが耳に残る。

「Snake Charmer」という題名にふさわしく、一本調子で押し切るのではなく、少しずつ焦点をずらしながら聴き手を引き込む作りである。UK盤とUS盤で「Snake Charmer」と「Snake Charmer (Reprise)」のミックスが異なることも知られていて、同じ題材を別角度から触ったような感触がある。こうした差異は、作品が固定された完成品というより、制作過程そのものを含んでいることを示している。

同時代の文脈

1983年という時期を考えると、ポストパンクの余波が残る一方で、ダンス・ミュージックやエレクトロニクスの導入が進んでいた。『Snake Charmer』は、その交差点にある作品として聴ける。Can周辺の実験性、PiL以後のベース主導のダブ感覚、そしてクラブ側のプロダクションの意識が同居しているため、ロックとダンスのあいだを行き来する作品群の中でもかなり個性的である。

Jah Wobbleはこの後もワールド・ミュージックやアンビエント、ダンス寄りの作品へ広がっていくが、その出発点のひとつとして本作を見ると、後年の方向性がすでにここに見えている。Jaki LiebezeitやHolger CzukayといったCan勢との接点も、のちの実験的コラボレーションの前例として興味深い。

まとめ

『Snake Charmer』は、豪華な人選だけが先に立つ盤ではなく、実際にはベース、反復、ダブ処理、スタジオ内の編集感覚がきちんと作品の中心にある。派手なヒット曲で押すタイプではないが、1983年のUKで、ロック、ジャズ、ファンク、電子音楽の要素を自然に接続した記録としてはかなり面白い位置にある。Jah Wobbleのソロ初期を知るうえでも、The EdgeやHolger Czukayの別の顔を聴くうえでも、ひとつの交差点になっている作品である。

トラックリスト

  1. A1 Snake Charmer
  2. A2 Hold On To Your Dreams
  3. B1 It Was A Camel
  4. B2 Sleazy
  5. B3 Snake Charmer (Reprise)

動画

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