Jr. Walker And The All Stars - Shotgun (1965)
Jr. Walker And The All Stars『Shotgun』(1965)
豪快無比なテナー・サックスと野性味あふれるシャウトでソウル/R&B界を揺るがしたジュニア・ウォーカー&ジ・オールスターズ(Jr. Walker And The All Stars)が、1965年にモータウン傘下の「Soul」レーベルから放った記念すべきデビュー・アルバム『Shotgun』。洗練された都会派ポップ・ソウルが主流だったモータウンにあって、サザン・ソウル直系の強烈な泥臭さと骨太なダンス・グルーヴを叩き込み、のちのファンクの誕生にも決定打を与えた不朽の名盤である。
「Soul」レーベルの誕生と奇跡のヒット曲「Shotgun」
ジュニア・ウォーカー(本名オートリー・デウォルト・ミクソン・ジュニア)率いるジ・オールスターズは、ハーヴェイ・フークワに見出され、フークワのレーベル買収に伴ってモータウン・ファミリーへと合流した。ベリー・ゴーディ・ジュニアは、タムラやモータウンといった主力レーベルの洗練されたポップ路線とは一線を画す、よりアーシーでハードエッジなR&Bやインストゥルメンタルを専門に扱う新設部門として「Soul」レーベルを立ち上げ、その第1弾LP(品番SM-701)として世に送り出されたのが本作である。
アルバムの起爆剤となったタイトル曲「Shotgun」は、ビルボードR&Bチャート1位、Hot 100でも4位を記録する世界的メガヒットとなった。この録音には有名な逸話が残されている。当初リード・ボーカルを執るはずだった歌手がセッション当日にスタジオに現れず、急遽ウォーカー自身がマイクを握って歌うことになった。サックスを片手にがなり立てるような剥き出しのシャウト、冒頭の銃撃音を想起させるエフェクト、そしてジェームス・ジェマーソン(ベース)やベニー・ベンジャミン(ドラム)らモータウンの屋台骨「ファンク・ブラザーズ」による重戦車のようなリズム・セクションが奇跡的な化学反応を生み出し、モータウン史上屈指のヘヴィ・ファンク・クラシックが誕生した。
フロアを揺るがすダンス・グルーヴとサックス・ブロウ
アルバム全体を通して、ウォーカーの咆哮するブロウと疾走するアンサンブルが全編を貫いている。ジャンプ・ブルースの熱狂をそのまま持ち込んだ「Do The Boomerang」、フロアを狂乱させる「Shake And Fingerpop」、ハードなインストゥルメンタル「Shoot Your Shot」「Tune Up」、そして彼らの原点ともいえるブルージーなサックス・ナンバー「Cleo's Mood」の再録に至るまで、捨て曲一切なしの熱量が詰め込まれている。
後世への絶大な影響
本作が提示した荒々しく強靭なグルーヴと鋭角的なリズム・アプローチは、若き日のジミ・ヘンドリックスをはじめ、同時代から後進のロック/ソウル・ミュージシャンに計り知れない衝撃を与えた。サックスを主役に据えながらも歌モノ以上のポップネスと爆発力を誇る本作は、60年代アメリカン・ルーツ・ミュージックのダイナミズムを象徴する最高傑作である。
トラックリスト
- A1 Cleo's Mood
- A2 Do The Boomerang
- A3 Shotgun
- A4 Road Runner
- A5 Shake And Fingerpop
- A6 Shoot Your Shot
- B1 Tune Up
- B2 Hot Cha
- B3 Monkey Jump
- B4 Tally Ho!
- B5 Cleo's Back
- B6 Ain't That The Truth