The Crusaders - Crusaders 1 (1972)
The Crusaders『Crusaders 1』
1972年にブルー・サム・レコード(Blue Thumb Records)からリリースされた『Crusaders 1』は、ザ・ジャズ・クルセイダーズが「Jazz」を外してザ・クルセイダーズ名義へと改名した後の第1弾アルバム。ロサンゼルスのウォーリー・ハイダー・スタジオ(Wally Heider Studios)で録音され、長年の盟友スチュワート・レヴィンがプロデュースを担当した。
制作背景・エピソード
この作品の中心にあるのは、ヒューストン時代からの固い絆で結ばれた中核メンバー、ジョー・サンプル(キーボード)、ウィルトン・フェルダー(サックス)、ウェイン・ヘンダーソン(トロンボーン)、スティックス・フーパー(ドラム)の4人。そこに西海岸の一流セッション・プレイヤーが加わり、チャック・レイニー(ベース)、そして後にグループへ深く関わるラリー・カールトンをはじめ、デヴィッド・T・ウォーカー、アーサー・アダムスという当代屈指のギタリスト3名が参加した。分厚いギター・アンサンブルとうねるリズム隊を前面に出した意欲的な制作陣容となっている。
収録曲はキャロル・キングのカバー「So Far Away」を除き、メンバーによるオリジナル曲で構成。2枚組の見開き(ゲートフォールド)LPという大作フォーマットでリリースされた。
時代の文脈とサウンド
1970年代初頭のクルセイダーズは、ハード・バップ路線から脱却し、ストリートの躍動感やファンク/ソウルのビートを取り入れたエレクトリック編成へと舵を切っていた。その決定的な転換点に位置するのが本作である。テキサス育ちの彼らが持つブルースのアーシーな感性と、洗練されたロサンゼルスのスタジオ・ワークが見事に結実している。
アルバムの白眉は、ジョー・サンプルが作曲した代表曲「Put It Where You Want It」。スティックス・フーパーの引き締まったドラムとチャック・レイニーのベースライン、サンプルのフェンダー・ローズが絶妙なポケットを生み出し、フェルダーのテナーとヘンダーソンのトロンボーンがファンキーなキレを聴かせる。また、キャロル・キングの「So Far Away」を12分近くにわたり情感豊かにインスト化した演奏は、当時FMロック局やソウル局でもロングプレイされ、ジャズの枠を超えて幅広いリスナーを惹きつけた。
後世への影響
「Put It Where You Want It」は、バンドの代名詞的ナンバーとなっただけでなく、スコットランドのファンク・バンドであるアヴェレージ・ホワイト・バンド(Average White Band)が1973年のデビュー作『Show Your Hand』でボーカル入りとしてカバーし、全英チャートに入るなど世界的なスタンダードとなった。さらに本作のエレクトリックなグルーヴとフェンダー・ローズの音色は、後年のレア・グルーヴやアシッド・ジャズの文脈でも高く再評価され、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても長く愛されている。
本作は米ビルボードのジャズ・アルバム・チャートで3位、ソウル・アルバム・チャートで29位、Billboard 200で96位を記録し、第15回グラミー賞では「最優秀R&Bインストゥルメンタル・パフォーマンス賞」にノミネートされた。クルセイダーズが70年代の新たなジャズ・ファンク路線へと踏み出した金字塔として、まず押さえておきたい1枚である。
トラックリスト
- A1 That's How I Feel 8:20
- A2 So Far Away 11:50
- B1 Put It Where You Want It 5:30
- B2 Mystique Blues 4:44
- B3 Full Moon 7:20
- C1 Sweet Revival 4:50
- C2 Mud Hole 6:30
- C3 It's Just Gotta Be That Way 3:40
- C4 Georgia Cottonfield 7:02
- D1 A Shade Of Blues 5:20
- D2 Three Children 5:15
- D3 Mosadi (Woman) 7:15
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Crusadersは、1960年にロサンゼルスで結成されたアメリカのジャズ・グループだ。中心になったのは、テキサス州ヒューストンの高校時代から一緒に...
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