Lost And Found - Forever Lasting Plastic Words (1968)
Lost And Found『Forever Lasting Plastic Words』
テキサス州ヒューストンのLost and Foundが残した唯一のアルバムが『Forever Lasting Plastic Words』だ。1967年8月にヒューストンのAndrus Studiosで録音され、プロデューサーはLelan Rogers、エンジニアはFrank Davis。Davisはバンド側から「第5のメンバー」とまで呼ばれていたという。収録曲の多くはJames HarrellとJim Frostの自作で、Harrellは表題曲「Forever Lasting Plastic Words」、「I Realize」、「2 Stroke Blues」などを、Frostは「Everybody’s Here」、「Let Me Be」などを担当した。
制作背景・エピソード
この作品は、バンドが当初「Misfits」を名乗っていた時期の流れとも結びついている。LSD摘発騒動を機に改名したとされ、録音の背景には当時のヒューストンのアンダーグラウンド文化がある。制作面では、Lelan Rogersがプロデュースを担い、Frank Davisが録音を支えたことが大きい。Davisは単なるエンジニアではなく、バンドから特別な存在として扱われていた点も印象に残る。楽曲面では、作詞作曲の中心がHarrellとFrostに分かれており、バンド内部での役割分担がはっきりしている。
オリジナル盤では、アルバムタイトル表記にも揺れがある。フロントカバー右上の黒い円には『Forever Lasting Plastic Words』とあり、バックカバーには『Everybody’s Here』と記されている一方、当時のラベル面にはアルバムタイトルが載っていない。後年の再発や整理の過程で、どちらを正式タイトルとみるかが話題になりやすい一枚でもある。
時代の文脈
Lost and Foundは、13th Floor Elevatorsと同時代のテキサス・サイケデリアの流れに位置づけられる。バンドはLove StreetやLa Maisonで活動し、Elevatorsと出会ったことが音楽性に影響したとされる。アルバムには13th Floor Elevatorsの「Don't Fall Down」のカバーも収録されており、同じシーンの中でのつながりがそのまま盤面に残っている。表題曲「Forever Lasting Plastic Words」や「Everybody’s Here」は、James HarrellとJim Frostが書いた曲として並び、シーンの内部で共有されていた感覚がうかがえる。
後年の解説では、バンドは「純粋な精神の探求」や当時のカウンターカルチャーに触れる存在として語られている。とはいえ、ここで重要なのは大きな商業的成功ではなく、ヒューストンのローカルな文脈の中で、13th Floor Elevatorsと近い距離にいたグループとして記録されていることだ。『Forever Lasting Plastic Words』は、そうした関係性がはっきり見える作品として残っている。
後世への影響
AllMusicは、このアルバムが長くコレクター垂涎の一枚だったと述べている。2000年代以降の再発や中古市場での高値化によって、テキサス・サイケの重要盤として扱われる場面が増えた。明確なカバーやサンプリングの情報は今回の範囲では確認されていないが、再評価の対象としては存在感のある作品だ。
収録曲の個別評もいくつか残っている。『Rockasteria』は「There Would Be No Doubt」を13th Floor Elevatorsの「Reverberation」を思わせる曲として触れ、「I Realize」は高揚感の強い曲として紹介している。また、7分超の「Living Eye」は「Eight Miles High」と「Smokestack Lightning」を重ねたような演奏として評され、ギターとハーモニーに言及が集まった。こうした記述からも、このアルバムが単なる資料盤ではなく、曲単位で語られてきたことがわかる。
トラックリスト
- A1 Forever Lasting Plastic Words
- A2 Everybody's Here
- A3 There Would Be No Doubt
- A4 Don't Fall Down
- A5 Zig Zag Blues
- A6 Let Me Be
- B1 Realize
- B2 Stroke Blues
- B3 I'm So Hip To Pain
- B4 Living Eye