The Moody Blues - To Our Children's Children's Children (1969)
The Moody Blues『To Our Children’s Children’s Children』
1969年にUKのThresholdから出た、The Moody Bluesの5作目のスタジオ・アルバム。前年までに築いてきた多重録音主体の作りをさらに押し進めた作品で、録音は1969年7月から12月17日にかけて行われた。プロデュースはトニー・クラーク。バンドにとってThresholdからの最初のアルバムでもあり、レーベル立ち上げ直後の節目の一枚になっている。
制作背景・エピソード
本作の歌詞世界は、時間、喪失、未来への祈りを軸に組み立てられている。AllMusicのBruce Ederは、このアルバムを「最も個人的な作品」としつつ、「最後の大規模なスタジオ・サウンド作品」と評している。録音面では、前作までに確立した“スタジオそのものを楽器のように扱う”手法を、さらに押し広げた形。制作の中心にいるのはトニー・クラークで、バンドの音作りを支える役割が大きい。
収録曲では「Gypsy (Of a Strange and Distant Time)」と「Watching and Waiting」が特に知られており、前者はライブでも定番として扱われた曲として語られている。一方で、ほかの楽曲はスタジオ的な作り込みが強く、再現が難しかったとされる。加えて、付属物としてはGatefold sleeve、Made in England、そして5人の顔写真を載せた印刷歌詞シートが付いていた。
時代の文脈
1969年は月面着陸の直後で、宇宙や未来への関心が高まっていた時期。本作はその空気に触発された作品として説明されている。ムーディー・ブルースにとっても、初期のR&B色から、シンフォニックで内省的なアート・ロック/プログレッシブ・ロックへと移った時期の中心作のひとつ。『On the Threshold of a Dream』『A Question of Balance』と並んで、黄金期を形づくるアルバムとして位置づけられている。
また、バンドは1964年結成で、この時期にはすでに長い活動歴を持っていたが、本作はその中でも5作目のスタジオ盤。オリジナル・リリースの年である1969年は、Thresholdという新しい土台の上で作品を出した年でもあり、グループの動きがひとつの区切りを迎えていたことがわかる。英国チャートでは最高2位、米国Billboard 200では14位を記録している。
後世への影響
後年まで特に取り上げられてきたのは「Gypsy (Of a Strange and Distant Time)」と「Watching and Waiting」。『Gypsy』はライブでの定番曲として扱われ、バンド史の中でもよく言及される楽曲になっている。さらに本作は、洋楽の記録として中国で流された最初期の西洋ポップ作品のひとつとして触れられている。
派手なシングル主導のアルバムではなく、曲をつないで聴かせる構成の作品として知られる一枚。The Moody Bluesの1969年を語るうえで、録音手法、レーベルの変化、時代の関心事が重なったアルバムとして残っている。
トラックリスト
- A1 Higher And Higher
- A2 Eyes Of A Child 1
- A3 Floating
- A4 Eyes Of A Child 2
- A5 I Never Thought I'd Live To Be A Hundred
- A6 Beyond
- A7 Out And In
- B1 Gypsy
- B2 Eternity Road
- B3 Candle Of Life
- B4 Sun Is Still Shining
- B5 I Never Thought I'd Live To Be A Million
- B6 Watching And Waiting
動画プレイリスト
このアーティストについて
ムーディー・ブルース(The Moody Blues)は、1964年にイギリス・バーミンガムで結成されたロック・バンドである。ロックに本格的なオーケストラ編成...
The Moody Blues のプロフィール・作品一覧The Moody Blues の他のレビュー
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