Lowrell - Lowrell (1979)
Lowrell『Lowrell』
シカゴの名門ヴォーカル・グループ、ザ・ロスト・ジェネレーションのリード・シンガー兼ソングライターとして知られるLowrell Simonが、1979年にファースト・ネームのみのLowrell名義で発表した唯一のソロ・アルバム。ロサンゼルスのAVI Recordsから出た本作は、シカゴ・ソウルの気品ある歌唱と、1970年代末の洗練されたディスコ/モダン・ソウルのプロダクションが奇跡的な調和を見せた名盤である。本作は1979年のオリジナルUSプレスで、グレーレーベル仕様の別レイアウト盤にあたる。
制作背景・参加ミュージシャン
制作陣にはシカゴ・ソウルの重鎮たちが集結した。ザ・シャイ・ライツの黄金期を築いたユージン・レコード、数多くのソウル・クラシックを手がけたブルース・ホーズ、そしてアース・ウィンド&ファイアーやシャイ・ライツのストリングス/ホーン・アレンジで名を馳せた名匠トム・トム84(トーマス・ワシントン)がプロデュースとアレンジを担当。Lowrellが培ってきたグループ・ハーモニーの滋味と、洗練を極めたアーバン・サウンドが見事な形で結実している。
サウンドと聴きどころ
なんといってもアルバムの白眉は、B面冒頭を飾る「Mellow Mellow Right On」。全米R&Bチャート32位、全英シングルチャート37位を記録したこの曲は、催眠的なベースライン、流麗なエレピ、柔らかなストリングス、そして耳元で囁くようなLowrellのスポークン・ワードが一体となり、一度聴いたら忘れられない陶酔的な空間を作り出している。
本作の魅力はそれだけにとどまらない。軽快なアップテンポのブギー「Out Of Breath」、ファンキーなディスコ・グルーヴが躍動する「Overdose」、シカゴ・スウィート・ソウルの深い味わいを感じさせる「You're Playing Dirty」、そしてラストの「Smooth And Wild」に至るまで、全編にわたってシカゴ・ソウル直系のメロディと西海岸の洗練されたディスコ・ファンクが絶妙なバランスで詰め込まれている。
後世への影響
「Mellow Mellow Right On」は、後世のブラック・ミュージックやクラブ・カルチャーにおいて最も愛され、サンプリングされた永遠のマスターピースとなった。1980年代末から90年代にかけてのレアグルーヴ・ムーヴメントやUKグラウンド・ビート、ヒップホップ/R&Bのクリエイターたちに絶大な影響を与えている。
マッシヴ・アタックの記念碑的デビュー作『Blue Lines』に収録された「Lately」をはじめ、コモン「Reminding Me (Of Sef)」、ジャネイ「So Badd」、ジョイ・エンリケス「Tell Me How You Feel」など、ジャンルや世代を越えて引用され続けてきた。単なる1979年のディスコ/ソウル盤の枠を越え、メロウ・グルーヴの究極の指標として今なお輝きを放ち続ける名作だ。
トラックリスト
- A1 Out Of Breath 6:45
- A2 You're Playing Dirty 4:40
- A3 Overdose 7:47
- B1 Mellow Mellow Right On 7:00
- B2 Mellow Mellow Right On (Instrumental) 3:45
- B3 Smooth And Wild 5:25
動画プレイリスト
このアーティストについて
Lowrell Simon(ローレル・サイモン)は、1943年3月18日生まれ、2018年6月19日に逝去したアメリカ・シカゴ出身のソウル/ディスコ・シンガー、ソング...
Lowrell Simon のプロフィール・作品一覧