Peter Gabriel = ピーター・ガブリエル - Peter Gabriel = ピーター・ガブリエル (1977)
Peter Gabriel 1977

Peter Gabriel = ピーター・ガブリエル - Peter Gabriel = ピーター・ガブリエル (1977)

Rock Pop Rock

Peter Gabriel / Peter Gabriel(1977年・日本盤)

ピーター・ガブリエルの初ソロ作『Peter Gabriel』は、Genesis脱退後の彼が、自分の名前をそのまま冠して発表した最初のアルバムだ。1977年2月25日リリース。のちに『1』、さらにジャケットの印象から「Car」とも呼ばれる作品である。Genesis時代のプログレッシブ・ロックの文脈を引きずりながらも、ソロとしての輪郭を探る起点にある1枚で、ピーター・ガブリエルという人物の出発点をそのまま記録したような内容になっている。

Genesis脱退直後の“最初の答え”

この作品は、1975年にGenesisを離れたあと、次の表現を模索していた時期に作られた。制作にはBob Ezrinが起用され、トロントのThe Soundstageを中心に、ロンドンのMorganやOlympicでも作業が進められている。メンバーにはRobert Fripp、Tony Levinらが参加し、演奏陣の顔ぶれだけ見ても、単なるバンドの延長ではない構成になっている。

アルバム全体には、作曲の方向を一つにまとめ切るよりも、いくつかの試みを並べたような印象がある。そこがこの作品の面白さでもある。Genesisでの役割分担から離れ、自分の声や歌い方、曲の置き方を探している途中の記録として聴こえる。

代表曲「Solsbury Hill」

このアルバムを語るうえで外せないのが「Solsbury Hill」。7拍子系の独特なリズムと、アコースティック寄りの編成が印象に残る曲で、ピーター・ガブリエルのソロ転向を象徴する1曲として知られている。歌詞には、バンドを離れる決断と、その先に進む感覚がにじむ。シングルとしても英国でヒットし、アルバムの入口を強く印象づけた。

ほかにも「Modern Love」や「Here Comes the Flood」など、後の彼の作品に通じる構成感のある曲が並ぶ。ロックの骨格を保ちながら、曲ごとに色を変えていく作りで、当時の英ロックの中でもかなり個性がはっきりしている。

1970年代後半のロック文脈の中で

1977年という年は、英ロックが大きく揺れていた時期でもある。プログレッシブ・ロックの大型作品が一段落し、同時に新しい波も見え始めていた。その中でこのアルバムは、Genesis出身者のソロ作というだけでなく、70年代英国ロックの作法を保ちながら、個人名義の表現へ移っていく途中の作品として置ける。

同時代のアーティストでいえば、同じくバンドから離れて個人の色を前に出した動きと並べて語られることが多い。ピーター・ガブリエルの場合は、技巧や構成の密度を残しつつ、後のワールド・ミュージック志向や実験性へつながる入口になっている点が重要だ。

日本盤の特徴

この日本盤は、帯付きで4ページの日本語解説・歌詞インサートが付属する仕様。タイミング表記は日本語インサートに基づいており、海外盤の表記と少し異なる。ランアウトはスタンプ刻印で、A面には日本工業規格の〄マークが入る。1977年当時の国内盤らしい作りで、輸入盤とはまた違った手触りがある。

国内盤のこの時期のCharismaタイトルは、ジャケットやレーベルの雰囲気も含めて、英国オリジナルとは別の記憶を持つ。ピーター・ガブリエルのデビュー作を、日本のレコード店経由で手に取った人にとっては、まさに“ソロの始まり”を国内仕様で受け取る1枚だったはずだ。

まとめ

『Peter Gabriel』は、ピーター・ガブリエルがGenesisの看板を離れて、自分の名前で何を鳴らすかを示した最初の作品である。大ヒット曲「Solsbury Hill」を軸にしながら、演出、曲作り、歌い方のすべてに次の段階へ向かう気配がある。のちの彼が、より洗練されたポップ感覚や異文化的な要素を広げていく前段階として、この1977年盤はかなり重要な位置にある。

トラックリスト

  1. A1 Moribund The Burgermeister = モリバンド・ザ・バーガーマイスター 4:18
  2. A2 Solsbury Hill = ソルスベリー・ヒル 4:19
  3. A3 Modern Love = モダン・ラブ 3:35
  4. A4 Excuse Me = エクスキューズ・ミー 3:19
  5. A5 Humdrum = うつろな日々 3:24
  6. B1 Slowburn = 性格俳優 4:34
  7. B2 Waiting For The Big One = ウェイティング・フォー・ザ・ビッグ・ワン 7:12
  8. B3 Down The Dolce Vita = ダウン・ザ・ドルチェ・ビタ 4:51
  9. B4 Here Comes The Flood = 洪水 5:42

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
Share
戻る

あわせて聴きたい "Pop Rock"

toast