Premiata Forneria Marconi - Photos Of Ghosts (1973)
PFM『Photos Of Ghosts』
Premiata Forneria Marconi、通称PFMの『Photos Of Ghosts(邦題:幻の映像)』は、1973年にイタリアのNumero Unoから出た作品。イタリア国内での絶大な成功を踏まえつつ、英語詞で再構成して世界市場へ向けたアルバムとして組み立てられている。もとになったのは、1st『Storia di un minuto(幻想物語)』と2nd『Per un amico(友よ)』の収録曲で、そこに新曲インストゥルメンタル「Old Rain」が加わった構成。英米向けのリリースはEL&Pが設立したレーベルManticoreから先行して行われ、本作はそのイタリア本国流通盤(DZSLN 55661)にあたる。
制作背景・エピソード
1972年、PFMは本国イタリアで『Storia di un minuto』と『Per un amico』を立て続けに発表し、チャート1位を獲得してイタリアン・ロックの頂点に立っていた。同年後半、イタリア公演を行っていたエマーソン・レイク・アンド・パーマー(EL&P)のステージで演奏を披露したところ、グレッグ・レイクがその卓越した演奏力とクラシカルな構築美に惚れ込み、新レーベルManticoreとの世界契約へとつながった。
世界向けアルバムの制作にあたり、元キング・クリムゾンの詩人・演出家ピート・シンフィールドがプロデューサーとして参加。1973年2月、ロンドンのCommand Studiosで英語詞のボーカル再録音とミックスが行われた。シンフィールドは単なるイタリア語の直訳ではなく、独自の幻想的で詩的なテキストで楽曲を再構築している。1st収録の「È festa」は躍動的な「Celebration」へと生まれ変わり、「River of Life」や表題曲「Photos of Ghosts」などが新たな生命を吹き込まれた。なお、クラシカルな大曲「Il Banchetto」はイタリア語歌唱のまま残され、地中海的な情感を強く伝えている。
時代の文脈とサウンド
1973年当時、英米のバンドが絶対的な優位を誇っていた世界のロック・シーンにおいて、英語圏以外のバンドがインターナショナルな成功を収めることは極めて異例だった。PFMは地中海的な哀愁やカンツォーネの情感、そしてメンバー全員が持つ高度なクラシックの素養をプログレッシブ・ロックのフォーマットへ見事に昇華させた。
フラヴィオ・プレーモリのハープシコードやメロトロン、モーグ・シンセサイザー、マウロ・パガーニの哀愁漂うヴァイオリンとフルート、フランコ・ムッシーダのクラシカルかつ情熱的なギター、フランツ・ディ・チョッチョの変幻自在なドラミングが一体となったアンサンブルは圧巻だ。清麗なアコースティックの序奏から一気にダイナミックなシンフォニック・ロックへと展開する「River of Life」、祝祭的な変拍子が疾走する「Celebration」など、全編にわたって気品と緊張感がみなぎっている。
後世への影響
本作は、イタリアのロック・グループとして史上初めて全米Billboard 200にランクインし(最高180位)、英米での大規模なツアーを成功させる決定的な足がかりとなった。メロディ・メイカー誌をはじめとする海外メディアからも絶賛を浴び、オザンナ、バンコ、イル・バッレット・ディ・ブロンゾといった数々のイタリアン・プログレの名バンドが世界中で再評価される契機を作った。
地中海的な温かみとクラシック、ジャズ・ロックの高度な融合は、後世のシンフォニック・ロックに計り知れない影響を与え続けており、イタリアン・プログレの入門にして頂点の一枚として揺るぎない評価を獲得している。
トラックリスト
- A1 River Of Life 6:56
- A2 Celebration 3:50
- A3 Photos Of Ghosts 5:20
- A4 Old Rain 3:40
- B1 Il Banchetto 8:32
- B2 Mr. 9 'Till 5 4:06
- B3 Promenade The Puzzle 7:30
動画プレイリスト
このアーティストについて
Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ、通称PFM)は、1970年にイタリアのミラノで結成されたプログレッシブ・ロック・...
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