Ikarus - Ikarus (1971)
Ikarus 1971

Ikarus - Ikarus (1971)

Rock Prog Rock Krautrock

Ikarus『Ikarus』

1971年にドイツで出たIkarusの唯一のスタジオ・アルバム。ハンブルクのビート・グループ、Beatique In Corporation(BIC)を前身に持つバンドで、1960年代半ばから地下室での練習やユースクラブでのカバー演奏を重ね、やがてオリジナル曲へ移っていった。1969年にはハンブルクの学生ビートバンド・コンテストで優勝し、翌1970年春の「Pop & Blues Festival '70」出演へつながる。そのライブ録音はコンピレーションに収められ、BIC名義の「Sunwave」「Going Straight」が残された。のちにマネージャーのWill Jahnckeの提案で、バンド名はIkarusへ改められた。

制作背景と録音

本作の中心にいるのはJochen Petersen。彼はギター、12弦ギター、アルト/テナー・サックス、フルート、クラリネットを担当し、プロデューサーも兼ねている。+plus+は、Miller International Schallplatten GmbHのプログレッシブ部門としてPetersenが立ち上げたレーベルで、Tomorrow's Gift、Windに続く3作目、かつ最後のリリースがこの『Ikarus』だった。録音は1971年2月、ハンブルクのWindrose-Dumont-Timeスタジオで行われ、メンバー共作の4曲が収められている。レーベルの同系列作品でPetersenは、Tomorrow's Giftではサックス、Windではフルートをゲストで吹いていた。

曲の構成では、B面の「The Raven」が特に目立つ。エドガー・アラン・ポーの詩「大鴉」に、メンバー4人が曲を付けた約12分の大作で、「Theme For James Marshall」を含む組み立てになっている。リード・ヴォーカルはLorenz Köhlerが3曲で担当し、「Early Bell's Voice」ではManfred Schulzが歌っている。

時代の文脈

ハンブルクのプログレッシブ/ジャズ・ロックの流れの中から出てきた作品として語られている。Derek's Music Blogでは、King Crimson、Yes、Colosseum、Frank Zappaなどの影響を受けた、フュージョン、プログレッシブ・ロック、実験音楽を混ぜたサウンドと紹介されている。Dag Erik Asbjørnsenの『Cosmic Dreams at Play』では、初期King Crimsonの影響が指摘され、いくつかの副題付きテーマをつないで長尺曲を作る手法にも触れられている。歌詞については、人間の振る舞い、とくに暗い面を批判的に描いているとされる。

同じ+plus+のWind、Tomorrow's Giftとともに西ドイツ各地を回り、ハンブルクではDeep Purpleの前座も務めたという。さらにDerek's Music Blogでは、Uriah Heepのツアーで前座を務めたとも伝えている。その後、Metronome(Brainレーベルの親会社)から契約の話が来たが、プロ化への考え方がまとまらず、バンドは解散した。結果として、これが唯一のスタジオ・アルバムになった。PetersenはのちにBrainで制作に関わり、Novalisの『Banished Bridge』(1973年)をプロデュースし、後年はRandy Pieにも参加している。

後世への再発と評価

オリジナルLPは入手困難なレア盤として知られたが、1995年にSecond BattleからCD再発(SB 032)され、その後Long Hairからも再発されたことで、広く聴かれるようになった。Derek's Music Blogは本作を「Krautrock's cult classic」と呼んでいる。DPRPのJerry van Kootenは10点満点中8点を付け、「Eclipse」は15分を超える組曲で、ハードロックからクラリネット・ソロ、サイケデリックなパート、オルガン・ソロへと展開すると評した。また本作を+plus+の3作の中で最も多彩な作品としつつ、ジャムが暴走したように彷徨う箇所もあると書いている。「Mesentery」はスローでサイケデリックな曲、「The Raven」はジャジーな導入から実験的な部分を経てブルージーでシンフォニックなバラードになるとされている。Strawberry Bricksのレビューでは、「Eclipse」でのWulf-Dieter Struntzのハモンド・オルガン・ソロが「a monster」と表現され、「The Raven」はPetersenのホーンが牽引し、進むにつれて暗さを増すと書かれている。

トラックリスト

  1. Eclipse Divided In Scyscrapers And Sooner Or Later 15:09
  2. A2 Mesentery 6:34
  3. B1 The Raven Including 'Theme For James Marshall' 11:44
  4. B2 Early Bell's Voice 7:46

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Ikarus

Ikarus

Ikarus(イカロス)は、1970年代初頭に西ドイツ・ハンブルクで結成されたプログレッシヴ・ロック/クラウトロック/ジャズ・ロック・バンドだ。ハモン...

Ikarus のプロフィール・作品一覧
Share
戻る

あわせて聴きたい "Krautrock"

toast