Argent - Ring Of Hands (1970)
Argent 1970

Argent - Ring Of Hands (1970)

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Argent『Ring Of Hands』――バンドとしての輪郭がはっきり見えてくる2作目

『Ring Of Hands』は、ロッド・アージェントを中心にロンドンで結成されたArgentが1970年に発表した2作目のアルバムである。元ZombiesのメンバーだったRod Argentが、キーボード主体の作曲感覚を持ち込みつつ、Russ Ballardの歌とギター、Jim Rodfordの低音、Bob Henritのドラムを軸にまとめていく流れの中で作られた作品だ。前作『Argent』で始まったバンド名義の活動が、この盤でようやく一つの形として見えやすくなる。

英UK盤はEpicのイエロー・ラベル仕様で、見開きのShorepakタイプ・ゲートフォールド・スリーヴ。盤面表記は「Made in England」「℗ 1970」。Epicらしい当時の英国盤の雰囲気をそのまま持った一枚で、ジャケットからして70年前後のロック・アルバムらしい質感がある。

作品の位置づけ

Argentは、Zombies解散後のロッド・アージェントが、ポップス寄りの感覚とプログレッシブ・ロックの要素を接続していく場として始まったバンドだ。『Ring Of Hands』は、その初期段階を記録した作品で、デビュー作よりもバンドの演奏がまとまり、曲ごとの性格もはっきりしている。後の大きなヒット作『Hold Your Head Up』へ進む前の、まだアルバム単位で語られる時期のArgentを知るうえで重要な位置にある。

制作はRod ArgentとChris Whiteが担当し、録音はロンドンのSound Techniquesで行われた。外部の大物プロデューサーに寄せるより、バンド内部の発想を優先する作り方が前に出ていて、演奏の温度がそのまま残っている。1作目が「まだ一緒に演奏し始める前に録られた」と見られるのに対し、この2作目では、各メンバーの役割がかなり見えやすい。

聴きどころ

このアルバムでまず触れられるのが「Sweet Mary」と「Celebration」だ。とくに「Sweet Mary」は、後年の回顧でも初期代表曲として扱われることが多い。メロディの押し出しが強く、Zombies時代から続く叙情性を残しながら、曲の進行やバンドの鳴りには70年代初頭のロックらしい硬さがある。シングルとして米国ではBillboardの“Bubbling Under”で102位まで到達したが、大きなヒットには届かなかった。

全体を通すと、ピアノやオルガンを中心にした組み立ての上で、ギターが前面に出る場面も多い。Art Rock、Prog Rock、Blues Rock、Pop Rockという分類が並ぶ作品だが、実際の印象としては、各要素が別々に立つというより、曲ごとに配合が変わるアルバムだ。硬質なリフで押す場面もあれば、メロディを先に立てる場面もあり、バンドの方向性を一枚の中で探っている感じがある。

『Sounds』など当時の英国ロック文脈でも取り上げられており、商業的な大成功作ではなくても、同時代のプログレ寄りロックの中では一定の注目を集めていたことがわかる。後年のAllMusicでも、Zombies的な流れから初期70年代のプログレ・バンドへ移っていく過程が見える作品として扱われている。

当時の背景とエピソード

Rod Argent本人は、「Sweet Mary」が米国でドラッグ曲のように受け取られたことで勢いを失ったと語っている。曲の解釈が販売や反応に影響した例として、当時の空気を感じる話だ。Argent自身は、ヒット曲を狙う前に、まずアルバムとして理解されたいという意識を持っていたようで、その姿勢はこの作品にも表れている。

同時代の比較対象としては、Zombiesの流れをくむ叙情性という点で肯定的な側面があり、そこにプログレッシブ・ロックの構成感や、ブルース・ロック的な押しの強さが加わる。派手な成功譚よりも、バンドが自分たちの型を固めていく途中の記録として見ると、輪郭がつかみやすい。

まとめ

『Ring Of Hands』は、Argentの初期を代表する重要盤であり、デビュー作から一歩進んだバンド感が確認できるアルバムだ。Zombies由来のメロディ感、キーボードを軸にした構成、ギターとリズム隊の押し出しが同居していて、1970年という時点の英国ロックの空気がそのまま入っている。派手な実績よりも、後のArgentにつながる土台がどこで形になったかを示す作品として、静かに存在感を持つ一枚である。

トラックリスト

  1. A1 Celebration 2:52
  2. A2 Sweet Mary 4:04
  3. A3 Cast Your Spell Uranus 4:36
  4. A4 Lothlorien 7:50
  5. B1 Chained 5:18
  6. B2 Rejoice 3:43
  7. B3 Pleasure 4:50
  8. B4 Sleep Won't Help Me 5:08
  9. B5 Where Are We Going Wrong 4:11

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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