Юрий Антонов - Крыша Дома Твоего (1983)
Юрий Антонов『Крыша Дома Твоего』
1983年にメローディヤから出たユリイ・アントノフのアルバム『Крыша Дома Твоего』は、1979年から1983年にかけて録音された作品として紹介されている。表題曲「Крыша дома твоего」を軸に、本人名義のアルバムへ楽曲をまとめ直した形で、アントノフの録音活動が一つのまとまりとして見える時期の盤だ。収録曲の多くは、それ以前に「アラクス」との共同ミニョン盤などで先に流通していた楽曲を集成したものとされている。
制作背景・エピソード
このアルバムについては、アントノフ自身が自宅にあったスタジオで録音を進めたと語っている。本人の話では、その環境によって作業の速度と音質の面で大きな利点があったという。制作の中心にあったのは、楽曲を自分の名義でまとめ上げる作業で、既発曲を含みながらもアルバムとしての形に整えた点が特徴になっている。
表題曲「Крыша дома твоего」は、子ども向けミュージカル『Приключения кузнечика Кузи』のために書かれた楽曲で、当初の想定を超えて広い層に届いたとされる。1983年の『Песня года』でも扱われた曲で、このアルバムを語るうえで外せない中心曲になっている。
時代の文脈
1983年のソ連ポップス/エストラーダの文脈で見ると、『Крыша Дома Твоего』は大衆的成功を象徴する作品のひとつとして挙げられている。アントノフはテレビ露出が限られる一方で、ラジオやレコードを通じて人気を広げていった人物として語られており、この時期はそうした活動が結実した局面にあたる。1982〜1983年には『Звуковая дорожка』で高い人気評価を得ていたとも伝えられている。
収録曲の出自が、既発のミニョン盤や別形態の作品にまたがっている点も興味深い。ひとつのアルバムに素材を集める構成は、アントノフが自作自演のヒットメーカーとして整理されていく過程と重なって見える。ソ連国内で広く流通したメロディヤ盤として出たことも、この作品の位置を示す要素になっている。
後世への影響
表題曲は後年、英語詞と別アレンジで「Look At Their Faces」としてフィンランド盤に収録された。原曲のメロディが、言語や編曲を変えて再利用された例として挙げられている。
アルバム単位の売上数字は確定値が見当たらないものの、1983年の『Песня года』で扱われたこと、そして『Звуковая дорожка』で1982〜1983年の人気上位に入っていたことは確認されている。作品の中心にある「Крыша дома твоего」が、その後も別の形で流通した点とあわせて、曲そのものの広がりが残る一枚になっている。
盤面情報としては、USSRのメロディヤ、カタログ番号はС60 19741 007。初出年の1983年盤で、アプリエフスキーのレコード工場に関する記載も見られる。
トラックリスト
- A1 Жизнь · Life 4:57
- A2 Вот Как Бывает · The Way It Is 3:40
- A3 Море · The Sea 2:40
- A4 Зеркало · Mirror 3:33
- A5 Я Вспоминаю · I Remember 5:47
- B1 Двадцать Лет Спустя · Twenty Years Later 3:45
- B2 Не Забывай · Don't Forget 3:50
- B3 Анастасия · Anastasia 3:01
- B4 Золотая Лестница · Golden Staircase 2:45
- B5 Дорога К Морю · The Road To The Sea 3:22
- B6 Крыша Дома Твоего · Your Home's Roof 2:50