Telex - Looney Tunes (1988)
Telex『Looney Tunes』
ベルギーのエレクトロニック・ポップ・トリオ、Telexが1988年に発表した5作目のアルバム。Marc Moulin、Dan Lacksman、Michel Moersの3人によるユニットで、前作『Wonderful World』(1984)はほとんど流通しなかったが、バンドは1986年にAtlantic Recordsと契約し、本作はAtlanticから出た。このベルギー盤は、バンド自身のレーベルMagneticからのリリースで、品番はMAGLP 3623。
制作背景・エピソード
『Looney Tunes』には、ほとんどがオリジナル曲として「I Don't Like Music」「Temporary Chicken」「Spike Jones」「I Want Your Brain」などが並ぶ。なかでも「Peanuts」は、ダダイスム風のカットアップによる「ラップ」の曲として紹介されており、Billboardのクラブ・チャート入りも果たした。この反応が、モータウンがバンドとの契約を検討するきっかけになったという。Dan Lacksmanは「タムラ・モータウンで2番目の白人バンドになれていたら最高だっただろう。最初はアイアン・バタフライだった」と振り返っている。
80年代を通じて、メンバーはDarcmanやthe Flippers(MoulinとLacksman)、the Kiliwax(3人全員)といった別名義の単発シングルも手がけていた。
時代の文脈
本作についてTrouser Pressは、80年代の休止期を経て「まったく別物」になったアルバムと評し、Art of Noise、クラフトワーク、Yelloの間をいく、ジョーク混じりのエレクトロニック路線として捉えている。シンプルなダンス・グルーヴに不条理な掛け声のような歌詞を乗せ、効果音を次々と投げ込む構成にも触れていた。
曲名の「Spike Jones」についても、同誌はアメリカのコミック・バンドリーダーであるスパイク・ジョーンズを、Telexが概念上「明らかに恩を受けている」人物として挙げている。ただし、同誌ではその曲自体は「最も冴えないコラージュ」の一つとも書かれていた。
翌1989年には、過去曲をハウスなどのスタイルで録り直した『Les Rythmes Automatiques』が出るが、その後、Telexは約20年にわたって新作アルバムを発表しなかった。
後世への影響
Classic Rock誌はTelexを「クラフトワークとその後のEDMのほぼすべてをつなぐ重要な橋」と呼び、ニュー・ビートの原点に位置づけている。2023年には、LacksmanとMoersがリミックス/リマスターした6作のアルバムがMuteから再発され、『Looney Tunes』もオリジナルのアートワークのままアナログ盤で出た。Uncut誌はこのボックスを8/10と評価し、Telexは活動当時「おおむね誤解されていた」と記している。
トラックリスト
- A1 I Don't Like Music
- A2 Temporary Chicken
- A3 Spike Jones
- A4 Beautiful Li(f)e
- A5 Dingo Bells
- B1 I Want Your Brain
- B2 Baby, When?
- B3 Peanuts
- B4 Happy End (I Wanna)
- B5 Rendez-Vous Dans L'Espace
動画プレイリスト
-
Telex - I Don’t Like Music (2023 Remaster) [Official Audio]
-
Telex - Temporary Chicken (2022 Remaster)
-
Telex - Spike Jones (2022 Remaster)
-
Beautiful Li (f) e
-
Dingo Bells (2023 Remaster)
-
I Want Your Brain (2023 Remaster)
-
Baby, When? (2023 Remaster)
-
Telex - Peanuts (2022 Remaster)
-
Happy End (I Wanna)
-
Rendez-vous dans l’espace (2021 Remaster)
このアーティストについて
Telex(テレックス)は、1978年にベルギー・ブリュッセルで結成された先駆的シンセポップ/エレクトロニック・ミュージック・トリオ。ジャズ・ピアニ...
Telex のプロフィール・作品一覧Telex の他のレビュー