The Colourfield - Deception (1987)
The Colourfield『Deception』
1987年にUKのChrysalisから出たThe Colourfieldの『Deception』は、Terry HallがThe Specials、Fun Boy Threeを経て進めたプロジェクトの2作目にあたる作品だ。バンド名表記はこの年のリリースでThe Colourfieldへ変わっている。録音はパリのDavout Studio’s、バースのWool Hall Studio、ニューヨークの39Th. St. Musicで行われ、ミックスも含めて複数都市をまたいだ制作になっている。マスタリングはニューヨークのSterling Sound。プロデュースはRichard Gottehrer。
制作背景・エピソード
収録曲のうち「Running Away」はSly Stoneの曲のカバーで、アルバムの先行曲として扱われた。クレジットでは、A1、A3〜A5、B2〜B5がPlangent Visions Music Ltd.、A2がWarner Bros. Music Ltd.、B1がScreen Gems/EMI Music Ltd.に帰属している。Roland OrzabalはPhonogram Ltd.提供で参加しており、クレジットにはPete Hadfield、Jeanette Powell、Kevinへの謝辞もある。録音とミックスの場所が分かれている点や、複数の出版社が並ぶ点からも、当時の制作の組み立てが見えてくる。
当時の批評では、1曲目の「Running Away」を含め、アルバム全体が電子的で人工的な音像として受け止められていた。NMEのTerry Stauntonは、Terry Hallのボーカル自体は魅力がある一方で、打ち込みやキーボードが前面に出たと書いている。別の業界誌では「Latin rhythms」や「stripped R&B」といった方向にも触れられていた。
時代の文脈
The Colourfieldは、1980年代半ばの英国ポップの中で、Terry Hallの前歴にあるスカやニューウェイヴの硬さから離れ、メロディ重視の路線を進めたバンドとして見られていた。『Deception』はその流れの延長にあり、前作『Virgins and Philistines』よりもさらに滑らかな方向へ寄った作品として扱われている。NMEでは、前作とは別のバンドのようだと受け止められた。
批評の中では、Billboardが「lively synth-pop fare」と要約し、Music & Mediaはラテン・リズムやR&B的な処理に触れながらRichard Gottehrerの仕事を評価している。Terry Hallの乾いた歌声と、人工的なリズムやキーボードの組み合わせが、この時期の聴きどころとして語られていた。
発売後の成績は、UKアルバム・チャート95位、1週チャートイン。「Running Away」は84位、1週チャートイン。前作がより上位に入っていたのに対し、本作は数字の面では控えめな結果だった。
その後の扱い
後年には再び掘り起こされる動きもあり、2026年のRecord Store Dayでは『Deception (Expanded Edition)』が挙がっている。オリジナル盤は1987年のUK盤で、今回の盤も同年のChrysalis仕様。ジャケットや収録の基本形は当時の初出に沿ったものとして見ておきたい。
トラックリスト
- A1 Badlands 4:36
- A2 Running Away 3:48
- A3 From Dawn To Distraction 3:34
- A4 Confession 4:27
- A5 Miss Texas 1967 4:04
- B1 She 3:13
- B2 Heart Of America 4:51
- B3 Digging It Deep 3:44
- B4 Monkey In Winter 5:04
- B5 Goodbye Sun Valley 4:31
動画プレイリスト
このアーティストについて
The Colourfieldは、テリー・ホールを中心に1984年に始まったイギリスのバンドだ。ホールはザ・スペシャルズ、ファン・ボーイ・スリーで活動したあと...
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