The Gap Band - Gap Band IV (1982)
The Gap Band『Gap Band IV』(1982)
The Gap Bandの『Gap Band IV』は、1982年にUSのTotal Experience Recordsから出たアルバムで、バンドにとって通算6作目のスタジオ盤にあたる。タイトル通り第4作目のように見えるが、実際には前作までの流れを受けつつ、Total Experience移籍後の最初のアルバムとして位置づけられる作品だ。プロデューサーのLonnie Simmonsが率いたTotal Experienceの看板作品でもあり、このレーベルの立ち上がりを決定づけた一枚として扱われている。
バンドの骨格がはっきり見える時期
The Gap Bandは、オクラホマ州タルサ出身の兄弟を中心にしたファンク・バンドで、Ronnie Wilson、Charlie Wilson、Robert Wilsonの3人を軸に活動してきた。もともとは大人数編成のグループだったが、この時期には演奏の重心がかなり整理され、シンセサイザーや電子的な音色が前面に出てくる。70年代のファンクが持っていた生演奏の厚みを残しながら、80年代初頭のR&Bらしい機械的な推進力を取り込んだ作りで、シンセファンク初期の代表例として語られることが多い。
実際に聴くと、ベースラインとドラムの刻みが先に立ち、その上にキーボードのフレーズやコーラスが積み重なっていく構成が目立つ。音数は多いのに、各パートの役割が分かりやすい。ファンクの緊張感と、当時のダンス志向のR&Bの整理された鳴り方、その両方がはっきりしている。
代表曲が集中したアルバム
このアルバムでは「Early In The Morning」「Outstanding」「You Dropped A Bomb On Me」が大きな存在感を持つ。「Early In The Morning」はR&Bチャート1位、ポップ・チャート24位を記録し、「Outstanding」もR&Bチャート1位を獲得した。「You Dropped A Bomb On Me」はR&Bチャート2位、ポップ・チャート31位で、当時のシングル成績としても強い。
特に「You Dropped A Bomb On Me」は、イントロのシンセの鳴り方からして印象が強い。曲全体が鋭いビートで押していく設計で、The Gap Bandの代表曲として後年まで長く残った理由が分かりやすい。「Outstanding」はタイトル通りのフックが分かりやすく、コーラスの運びも含めてバンドのメロディ感が前に出る。「Early In The Morning」はリズムの粘りがあり、夜明け前の空気をそのまま閉じ込めたようなテンポ感がある。
Total Experience移籍後の最初の成果
この作品の意味は、単にヒット曲が入っていることだけではない。The Gap Bandはそれ以前、Mercury時代にも実績を積み上げていたが、『Gap Band IV』でTotal Experienceの第一弾アルバムとして大きく結果を出したことで、レーベル側にも強い勢いを与えた。後の『Gap Band V: Jammin'』やYarbrough & Peoplesの成功へつながる流れの起点としても重要な位置にある。
レーベルの背景をたどると、Lonnie Simmonsがクラブ運営から制作会社、そしてレーベルへと発展させていった経緯があり、このアルバムはその構想が実際の成果に結びついた場面でもある。録音とミックスはHollywoodのTotal Experience Recording Studiosで行われ、最終マスタリングはAllen Zentzで処理されている。制作面でも、当時の西海岸R&Bらしい輪郭のはっきりした音像が出ている。
同時代の文脈
1982年という時期は、ファンクがディスコの余波を受けながら、シンセやドラムマシン的な質感を取り込んでいく過渡期でもあった。The Gap Bandはその流れの中で、James Brown系統のファンクの硬さと、80年代R&Bのポップな抜けの両方を持ち込んでいる。似た時代感の作品としては、同じくブラック・ミュージックのリズムを新しい機材で組み替えていったアーティスト群と並べて聴かれることが多い。
ただし、この盤の肝は流行の追随ではなく、バンドの持ち味を電子化したところにある。Charlie Wilsonの歌声は太く、フックの作り方は分かりやすい。そこに兄弟バンドならではのまとまりが加わり、派手な装飾よりも曲の推進力で押し切る構成になっている。
US盤の特徴
ここに挙がっている盤は1982年USリリースのプレスウェル盤で、ランアウト刻印やラベル上の工場コードで見分けられるタイプだ。オリジナル期のUS盤として、当時のレーベル運営や流通の空気をそのまま持った一枚でもある。Total Experienceの初期カタログの中でも、最も重要な位置を占めるタイトルとして扱われている。
The Gap Bandにとっては、70年代ファンクの延長線上にありながら、80年代のR&B市場で最も大きく跳ねたタイミングの記録でもある。『Gap Band IV』は、バンドの代表曲がまとまって並ぶアルバムであり、同時にTotal Experienceというレーベルの出発点を刻んだ作品でもある。
トラックリスト
- A1 Early In The Morning 6:28
- A2 Season's No Reason To Change 4:47
- A3 Lonely Like Me 5:08
- A4 Outstanding 3:10
- B1 Stay With Me 4:15
- B2 You Dropped A Bomb On Me 5:10
- B3 I Can't Get Over You 6:02
- B4 Talkin' Back 6:27
動画プレイリスト
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The Gap Band - Early In The Morning (1982 Vinyl)
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The Gap Band - Season's No Reason To Change (1982 Vinyl)
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The Gap Band - Lonely Like Me (1982 Vinyl)
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The Gap Band - Outstanding (1982 Vinyl)
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The Gap Band - Stay With Me (1982 Vinyl)
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The Gap Band - You Dropped A Bomb On Me (1982 Vinyl)
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The Gap Band - I Can't Get Over You (1982 Vinyl)
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The Gap Band - Talkin' Back (1982 Vinyl)