The 9th Creation - Bubble Gum (1975)
The 9th Creation『Bubble Gum』(1975)
The 9th Creationの『Bubble Gum』は、1975年にUSのRitetrack Record Co.から出たファースト・アルバムである。カリフォルニア州ストックトン周辺で活動したソウル/ファンク・グループによる作品で、同時代のR&Bとファンクの流れの中にしっかり置ける内容になっている。グループは1970年にSoul Strutsとして結成され、その後3rd Creationを経て9th Creationへと名義を変えてきた経歴を持つ。
作品の位置づけ
このアルバムは、9th Creationにとって初のアルバムとして重要な一枚である。流通量が多いタイプの盤ではなく、後年にレア盤として扱われるようになった。背景としては、もともと別レーベルからの発表予定があったものの、事情が変わって自主レーベルでのリリースになった、という経緯が伝えられている。こうした出自もあって、一般的な名盤として広く流通したというより、コレクターやレア・グルーヴの文脈で評価が積み上がった作品と言える。
バンド編成は大きく、ホーンを含む厚いアンサンブルが特徴として語られている。メンバーにはLaurence Holman、J.D. Burrise、A.D. Burrise、W. Thad Bourland、Mike Micenheimer、Steven Rubio、Henry Anadon、Bill Eriksen、Don Ray Allen、Robert E. Clarke、Gene Smith、Jimmy Jonesらが並ぶ。10人規模のグループとして紹介されている点も、この作品の音の作りを理解する手がかりになる。
収録曲と内容
アルバムにはタイトル曲「Bubble Gum」をはじめ、「Sexy Girl」「Falling in Love」などが収録されている。曲の並びを見ると、短めのファンク・ナンバーとメロウなソウル曲が混在していて、1枚の中で温度の違う楽曲が行き来する構成になっている。業界誌での当時の紹介では、「Quit It」「Bubble Gum」は短いディスコ曲として、「Falling in Love」「Rule of Mind」はより伝統的なR&B寄りとして受け止められていたという。実際、強いビートで押す曲と、歌を前に出した曲の切り替えがはっきりしている印象である。
タイトル曲「Bubble Gum」は、このアルバムを語るうえで外せない存在で、後年はブレイクビーツ曲としても知られるようになった。ヒップホップ世代にサンプリング・ソースとして参照されたことも、再評価を後押しした要素のひとつである。レア・グルーヴ盤として名前が挙がるとき、この曲を中心に語られることが多い。
同時代の文脈
1970年代半ばのソウル/ファンクは、ダンス志向の強い曲と、歌もののソウルを同じアルバムに収める流れが珍しくない。『Bubble Gum』もその文脈に置ける作品で、ファンクのリズム感とR&Bの歌心が同居している。ホーンを厚く使う編成や、短い尺でまとめた楽曲の作りは、同時代のファンク・バンドやソウル・グループの動きと重なる部分がある。
一方で、この作品は大きなヒット作として記録されているわけではない。むしろ、後から掘り起こされて評価が高まったタイプのアルバムである。1975年1月25日の『Soul Train』出演記録や、翌年に「Falling in Love」がCash BoxのR&Bチャートで動いた記録など、グループとしての活動は確認できるが、アルバム単位では商業的な大成功よりも、後年の再発見が目立つ。
聴きどころ
実際に聴くと、まず分かりやすいのはリズムの立ち上がりである。ファンク曲ではドラムとベースの推進力が前に出て、そこにホーンが加わって輪郭を作る。メロウな曲に入ると、同じグループでも空気が少し変わり、歌を軸にした展開へ移る。1曲ごとの役割がはっきりしていて、アルバム全体としてのまとまりも保たれている。
また、派手に押し切るだけではなく、曲ごとにテンポや表情を切り替える作りも印象に残る。ファンク、ソウル、ディスコ寄りの要素が自然に並んでいて、1975年という年の空気がそのまま詰まっているような内容である。再発盤で聴かれることが多い作品でもあるが、オリジナルの時点ですでに、後年のレア・グルーヴ文脈で拾われるだけの要素を持っていた、という見方はできる。
まとめ
The 9th Creation『Bubble Gum』は、ストックトン周辺のソウル/ファンク・グループが1975年に残したファースト・アルバムであり、同時代のR&Bとファンクの接点にある作品である。タイトル曲の存在、ホーンを含む厚い演奏、短いファンク曲とメロウなソウル曲の混在が、このアルバムの骨格になっている。大ヒット盤としてではなく、後年にレア盤・再評価盤として位置づけられるようになった一枚である。
トラックリスト
- A1 Bubble Gum 2:12
- A2 Learn To Live 3:33
- A3 Sexy Girl 3:23
- A4 Quit It 2:26
- A5 Falling In Love 6:43
- B1 Truth, Trust, Love & Happiness 3:31
- B2 Rule Of Mind 5:06
- B3 Suburban Blue 3:45
- B4 We Need Love 3:49