The Ravers - Bad, Bad World (Ravers Going Underground) (1969)
The Ravers『Bad, Bad World (Ravers Going Underground)』
The Ravers名義の『Bad, Bad World (Ravers Going Underground)』は、1969年にドイツで制作された作品として紹介されている。実体はThe Tonicsの別名義で、The Tonicsが予算系レーベル向けに使ったアリス名のひとつとされる。再発元の説明では、当時のハードなビート/サイケ寄りのサウンドを意識したスタジオ・エクスプロイテーション作品で、プロデュースは元The RattlesのHerbert Hildebrandtが担当したという。
制作背景・エピソード
この作品は、The Raversという独立したバンドの単発作というより、The Tonicsの変名仕事として語られている。別ソースでは、The RaversはThe Tonicsが使った多くの変名のひとつで、1968年から1969年にかけてはフェリーの船上バンドとして演奏していたという断片も確認されている。参加メンバーとしてはCisco Berndt、Manfred Oberdörfferの名前が挙がっているが、この盤そのものの録音参加者としては、紹介文でHerbert Hildebrandtのプロデュースが明記されている点が大きい。
再発紹介では、The RattlesやWonderland系、The German Bonds系のメンバーが関わったとされ、別名義で量産された“便乗”仕事の一つとして位置づけられている。タイトル曲を含む収録内容は、Kinks風、Steppenwolf的、Deep Purple初期を思わせるオルガンとギターの応酬など、英米ロックの要素を拾いながら組み立てられたものとして説明されている。
時代の文脈
1969年の西ドイツでは、ビート・ポップからサイケデリック・ロック、ハード・ロックへと関心が移っていく時期にあたる。この作品は、その流れの中で出たドイツのスタジオ・ロック/バジェットLP文化の一例として扱われている。クラウトロック本流の作品というより、輸入ロックの要素を取り込んだスタジオ制作盤としての性格が強い。
収録曲の紹介では、「What You Can Do For Your Country」がSteppenwolf的、「We’ve Got Too Much」がKinks風、「Behave Us of the Third World War」が「Magic Carpet Ride」系の引用として語られている。こうした説明からは、同時代の英米ロックの語法を前提にしつつ、ダンスフロア向けのノリを保った構成だったことが見えてくる。The Tonicsのキャリアの中では、こうした変名活動のひとつとして位置づけられている点も特徴的だ。
後世への影響
直接のカバーやサンプリングについては、今回確認できた範囲では触れられていない。一方で、2011年の再発時には「First ever limited reissue, only 500 copies pressed!」と案内され、レア盤再発の文脈で扱われている。Forced Exposureの紹介でも、ジャンルDJのバッグに入るべき盤として紹介されており、ヘヴィ・サイケ/ファズ・ロックの発掘盤として再評価されたことが分かる。
また、Popsike掲載の説明では「heavy psych rock beast」と表現され、歪んだHammond、fuzz、wah-wahが前面に出たfreak rockersとして語られている。Wah Wah Records側も、Hammondとリードギターの対決が聴きどころだとしている。商業的なヒットやチャート実績は確認されておらず、現在は再発市場で注目されるカルト盤として流通している。
トラックリスト
- A1 Bad, Bad World
- A2 What You Can Do For Your Country
- A3 Relaction I
- A4 Hey Joe
- A5 Biafra
- A6 Kind Of Music I
- B1 Turn In
- B2 Kind Of Music II
- B3 Mr. President
- B4 Times Have Changed
- B5 Relaction II
- B6 We've Got Too Much
- B7 Behave Us Of The 3rd World War