Anabis - Heaven On Earth (1980)
Anabis 1980

Anabis - Heaven On Earth (1980)

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Anabis『Heaven On Earth』――ドイツ・マールブルク周辺から出た私家盤プログレ

Anabisの『Heaven On Earth』は、1980年に発表されたドイツ産のプログレッシブ・ロック作品で、のちに再評価が進んだタイプの一枚だ。アーティストはマールブルク地域を拠点にしたドイツのプログレッシブ・ロック・バンドで、結成も1980年とされている。レーベルは同じくマールブルク周辺のGerman record label、Anabis Records。盤としては1989年のリリースで、未ラミネートのゲートフォールド・スリーブ仕様になっている。

この作品は、当時の大きな商業的ヒット作というより、流通量の少ない私家盤として扱われてきたアルバムだ。後年の紹介では、GenesisやEloyを思わせる長尺構成や、シンフォニックな展開が注目されている。いわゆるドイツのプログレ文脈の中でも、よりローカルな制作環境から生まれた一枚として見られているようだ。

作品の構成と聴きどころ

収録は5曲構成で、中心になるのは13分超の表題曲「Heaven On Earth」。長尺曲を軸に組み立てるタイプの作品で、曲の中で展開を切り替えながら進む作りが目立つ。ブログ系の資料では、歌詞の題材が中世の魔女裁判から環境汚染まで広がるとされており、単なるロック・アルバムというより、社会的な視点を含んだコンセプト寄りの内容として受け止められている。

実際の聴感として語られることが多いのは、演奏のまとまりと構成の作り込みだ。私家盤らしい粗さを持ちながらも、曲の流れそのものはきちんと組まれていて、安易に音を積み上げるのではなく、場面ごとに役割を変えながら進む印象がある。一方で、評価の中ではヴォーカルに触れる声もあり、そこが好みを分ける要素として扱われている。

ドイツ・プログレの文脈で見ると

1980年前後のドイツ・プログレは、70年代の大きな流れを引き継ぎながら、より小規模な制作や自主的なリリースに移っていった時期でもある。Anabisもその流れの中に置くと分かりやすい。Eloyのようなシンフォニック寄りの感触や、Genesisを思わせる組曲的な組み立てが挙げられる一方で、あくまで地域密着型の制作物としての性格が強い。

同時代の大手レーベル作品と比べると、音の整い方や流通の規模は違う。ただ、そのぶん後年に掘り起こされたときの存在感がある。大きく売れた盤ではないが、プログレ愛好家のあいだで「見つかった」作品として語られやすい位置づけだ。

盤の出自と再発の扱い

今回の盤は1989年のリリースで、オリジナルの1980年盤とは時期が異なる。レーベル表記はAnabis RecordsのPM 1080。再発盤として扱われる一方で、リリース上にはそれが明記されていない。さらに、別カバーで2種類流通した例もあるとされ、出自の分かりにくさもこの作品の特徴になっている。

オリジナル盤と再発盤の違いとしては、少なくとも現物の扱いとしては1989年盤が未ラミネートのゲートフォールド・スリーブ仕様である点が確認できる。コレクターの目線では、こうした仕様の差も含めて興味深い一枚だろう。

位置づけ

Anabisにとって『Heaven On Earth』は、バンドの出発点を示す重要な作品と見てよさそうだ。1980年という早い段階で、長尺曲とテーマ性のある構成を持ったアルバムを残している点は、後年の再評価につながる要素になっている。ヒット曲として広く知られる曲があるタイプではないが、表題曲を中心に、作品全体で一つの流れを作る作風が印象に残る。

私家盤プログレ、ドイツのローカル・シーン、シンフォニックな長尺構成。そうした要素が重なった結果として、後から掘り起こされるだけの輪郭を持ったアルバムだと言える。

トラックリスト

  1. A1 Heaven On Earth 13:00
  2. A2 Water-Problem 3:55
  3. A3 Faded Dreams
  4. B1 Malleus Maleficarum 13:15
  5. B2 Assassination 6:00

動画プレイリスト

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