Van Der Graaf Generator - Godbluff (1975)
Van Der Graaf Generator『Godbluff』
Van Der Graaf Generatorの『Godbluff』は、1972年の活動休止を経て1975年に再結成したバンドが出した復帰作。Peter Hammill、Hugh Banton、David Jackson、Guy Evansという“定番”編成での最初の再集結作で、録音は1975年6月9日から29日にかけてRockfield Studiosで行われた。プロデュースはバンド自身、エンジニアはPat Moran。従来のJohn Anthonyではなくセルフ・プロデュースになった点も、この作品の重要な要素として挙げられている。
制作背景と収録曲の流れ
この時期のHammillはHohner Clavinetをかなり積極的に使っており、ギターよりも鍵盤の質感が作品の推進力になっていると紹介されている。さらに、後続作『Still Life』に回された「Pilgrims」と「La Rossa」もこのセッションから生まれた曲として記録されている。制作面では、録音とミックスの期間が明記され、バンドによる制作、Pat Moranのエンジニアリング、George Peckhamによるカッティングまで、工程がかなりはっきり残っているのも興味深い。
バックカバーには、録音場所や時期に加えて、プロデュース、エンジニア、そして制作クレジットとして「Transport & Technicals」「Cuisine」まで細かく記載がある。曲目以外の情報も含めて、当時の作品づくりの記録が濃く残った一枚になっている。
時代の文脈
『Godbluff』はプログレ黄金期の1975年作だが、YesやGenesisのような技巧の誇示とは別の方向にある作品として語られている。The Quietusは、同時代の大物たちが壮大さを競うなかで、Van Der Graaf Generatorは「noise and chaos」を重視する別種の進化を遂げたと述べている。1971年の『Pawn Hearts』でイタリアで大きな成功を収めていたこともあり、欧州での強い人気が再結成後の活動を支えた、という流れも押さえておきたい。
再結成後の彼らは短期間で立て続けにアルバムを制作し、1975年から1976年にかけて再び濃密な創作期に入る。そのスタート地点にあるのが『Godbluff』で、活動休止前とは違う形でバンドが再び動き始めたことを示す作品でもある。
サウンド面の評価
AllMusicのSteven McDonaldは本作を「bravura comeback」と評し、4曲すべてが名曲級だと書いている。レビューでは、静かな立ち上がり、David Jacksonのフルート、Hammillのささやくような歌い出し、複雑さを保ちながらも以前より焦点の定まった歌詞が強みとして挙げられている。The QuietusのJoe Banksも、Hammillの歌唱を「語りかけと絶叫の間を行き来する」と捉え、バンド全体について「songcraft and melody」と「noise and chaos」が同居している点を評価している。
リリース情報と盤の特徴
このUK盤はCharismaのCHC 13。ラベルはブルー・ラベルの再発盤で、Virgin配給の表記「Distributed by Virgin Records Ltd.」が入っている。オリジナルの1975年作に対して、こちらは古いスリーブにCharismaのクラシック・ロゴを残しつつ、ラベルやバックカバー、ランアウトが異なる仕様になっている。ラベルには「℗ 1975 Charisma Records Ltd」「Distributed by Virgin Records Ltd.」「Manufactured in the UK」とある。
チャートについては、後年の再発盤で2022年にOfficial ChartsのScottish Albums 77位、Rock & Metal Albums 23位、Progressive Albums 20位の記録がある。初出時の具体的な英チャート実績は、今回確認できた範囲では明確な数字までは追えない。
後年への影響
『Godbluff』そのものの大きなカバーやサンプリング例は確認されていないが、The QuietusではJohn Lydon、Mark E. Smith、Marc Almondらの愛好が挙げられ、Van Der Graaf Generatorがleftfield and experimental musicに間接的な影響を与えたとされている。直接の模倣というより、異様な声、劇的な構成、不穏なダイナミクスが後年の音楽へ受け継がれた、という扱いになっている。
トラックリスト
- A1 The Undercover Man 7:23
- A2 Scorched Earth 9:49
- B1 Arrow 9:45
- B2 The Sleepwalkers 10:30
動画プレイリスト
このアーティストについて
Van der Graaf Generator(ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター/VdGG)は、1967年にイギリス・マンチェスター大学で結成されたプログレッシヴ・...
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