George Duke - The Aura Will Prevail (1975)
George Duke『The Aura Will Prevail』
1975年にMPS Recordsから出た、ジョージ・デュークの通算5作目のスタジオ・アルバム。録音とミックスはハリウッドのパラマウント・レコーディング・スタジオで行われ、プロデューサーはBaldhard G. Falk。作品の中心には、デュークのキーボードとヴォーカルに、アルフォンソ・ジョンソンのエレクトリック・ベース、レオン・“ンドゥグ”・チャンセラーのドラムス/コンガ/ヴォーカル、アイアート・モレイラのパーカッションが並ぶカルテット編成がある。そこに女性コーラスが加わる構成。
制作背景・エピソード
MPSのオーナー、Hans Georg Brunner-Schwerは1966年、サンフランシスコのクラブ、ジャズ・ワークショップでデュークを見いだし、その場で録音している。その後、1970年代に入ってから本格的なスタジオ録音の関係が3年あまり続き、本作もその流れの中で制作された。ドイツのレーベルの作品ではあるが、録音とミックスはアメリカ西海岸で実施されている。
曲目では、フランク・ザッパとの関係がはっきり表れている。「Echidna's Arf」はザッパの曲で、マザーズ・オブ・インヴェンションのライヴ盤『Roxy & Elsewhere』(1974年)では「Echidna's Arf (Of You)」として演奏されていたもの。「Uncle Remus」はザッパとデュークの共作で、初出はザッパの『Apostrophe (')』(1974年)。本作では「Echidna's Arf」が「Uncle Remus」への静かな導入として置かれている。残りの曲はデュークの作曲でまとめられている。
時代の文脈
この時期のデュークは、フランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションに2年間在籍し、ザッパの9枚のアルバムに参加していた。本作には、その経験が曲の選び方や配置にも反映されている。さらに1975年には『I Love the Blues, She Heard My Cry』も発表されており、MPSのライナーでは、デュークが自分を「保守的でまじめすぎるジャズ・ミュージシャン」と感じていた状態から、創意とユーモアを備えた「フュージョンの達人」へ移っていった、と紹介されている。
ただし、その後の1977年『From Me to You』では、ジャズをポップ、ファンク、ソウルと融合させる方向へ進んでいくので、本作はその前段階として、カルテットというまとまった形で動きを示した1枚として扱われている。
後世への影響
MPSは2015年、1973〜76年の録音をまとめたLP7枚組ボックス『The Era Will Prevail – The MPS Studio Years (1973-1976)』を発売し、本作も180グラム重量盤で再発した。こうした再編集の中で、1970年代前半のMPS期デューク作品がまとめて扱われている。
また、MPSの紹介文では、本作の「驚くほど映画的な」音作りが、デュークをシンセサイザーの先駆者のひとりとして示していると記されている。Audiophile Audition誌のJeff Krowは、ザッパの影響がファンクやフュージョンの曲でのシンセサイザーの使い方に表れていると指摘し、ヴォーカルのループには不満を示しつつも、メロディ・ラインの強さを評価している。好きな曲として「Dawn」と「Uncle Remus」を挙げている。
補足
本作はBillboard 200で最高111位、10週チャートイン。AllMusicでは4.5つ星の評価が付いている。1975年の初出盤としては、MPSのUS盤MC 25613という形で残っている。
トラックリスト
- A1 Dawn 4:54
- A2 For Love (I Come Your Friend) 4:34
- A3 Foosh 3:08
- A4 Floop De Loop 6:43
- B1 Malibu 4:07
- B2 Fools 4:29
- B3 Echidna's Arf 3:33
- B4 Uncle Remus 5:09
- B5 The Aura 1:26
動画プレイリスト
このアーティストについて
George Duke(1946年〜2013年)は、アメリカ・カリフォルニア州サンラファエル出身のキーボード奏者、作曲家、プロデューサーだ。ジャズ、フュージョ...
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