Gruppo Sportivo - Mistakes (1979)
Gruppo Sportivo 1979

Gruppo Sportivo - Mistakes (1979)

Rock Pop Art Rock New Wave

Gruppo Sportivo『Mistakes』(1979)レビュー

1976年にオランダ・ハーグで結成されたGruppo Sportivoは、ユーモアの感覚と軽快なメロディを前面に出したニューウェイヴ/ポップ・バンドだ。『Mistakes』は1979年に米国Sireから出た編集盤で、初期2作『10 Mistakes』『Back to ’78』からの選曲によって構成されている。オリジナル・アルバムをそのまま移した作品ではなく、アメリカ市場向けに初期の持ち味をまとめ直した一枚、という位置づけがはっきりしている。

米国向けに再構成された初期ベスト

この盤の基本は、Gruppo Sportivoの初期2作からのハイライト集だ。Sireは当時、ニュー・ウェイヴやパンク周辺の新しい動きを積極的に紹介していたレーベルで、RamonesやTalking Headsといった顔ぶれと同じ流れの中に、オランダのこのバンドを置いた形になる。『Mistakes』は、そうしたSireの編集力がよく出た作品で、単なる寄せ集めではなく、英語圏のリスナーに向けてバンドの輪郭を見せるためのパッケージとして機能している。

収録曲は、ひとつひとつの曲が短く、展開も比較的明快で、歌のフックが前に出る。初期のGruppo Sportivoは、パンクの外見をまといながら、中身はかなりポップ寄りだと評されてきたが、この編集盤でもその印象は変わらない。勢いだけで押すのではなく、メロディの置き方やコーラスの作り方に、きちんとした作曲の手つきが見える。聴感としては、勢いのあるギター・ポップに、少しひねったユーモアが差し込まれる感じが強い。

作品の空気感と制作面

制作にはRobert Jan StipsとHans Vandenburgが関わっている。録音はArtisound Amsterdam、Soundpush Blaricum、Relight Hilvarenbeekで行われ、オランダ国内のスタジオ環境を土台にした音作りになっている。Sire盤の米国リリースではあるが、音の芯はヨーロッパのバンドらしい乾いた質感が残る。派手なスタジアム感より、演奏の輪郭と歌の表情を見せる作りだ。

ジャケット内には写真と歌詞を載せたインナー・スリーブが付属し、曲の内容を視覚面でも伝える仕様になっている。歌詞の存在が重要なバンドだけに、この作りは納得感がある。タイトルの『Mistakes』も、遊び心を含んだバンド名や、少しズラした視点を持つ楽曲の雰囲気とつながっている。

当時の受け止められ方

当時の米国の音楽メディアでは、この盤はかなり好意的に受け止められた。『Record World』は米国での受容を強く見込むような書き方をしており、『Cash Box』も楽しさの強いアルバムとして評価していた。『High Fidelity』では、Frank ZappaやBonzo Dog Bandの系譜に連なる、風刺やふざけた感覚を音楽に変えるタイプとして紹介されている。こうした見方は、Gruppo Sportivoの本質をかなりよく捉えている。

実際、彼らの魅力は、単に奇をてらうことではなく、ポップソングとしての整い方を保ちながら、歌詞やアレンジの端々で肩の力を抜いた笑いを入れてくるところにある。ニュー・ウェイヴの時代らしい軽さと、1960年代的なポップ感覚が同居していて、そのバランスがこの編集盤でもはっきり出ている。

バンドにとっての位置づけ

『Mistakes』は、Gruppo Sportivoの初期像を米国に提示した作品として見るのが自然だ。オランダ国内で育ったバンドが、Sireという米国のレーベルを通じて英語圏に紹介される流れの中で作られた一枚であり、彼らのキャリアの入口を整理した役割が大きい。後の活動を知る前提としても、この時点でのバンドの核、つまりポップな旋律、軽妙な言葉遊び、少しひねった演奏感がまとまっている。

また、同時期の業界記事では、ボーナス7インチ付きの「More Mistakes」EPが誤って封入されたというエピソードも伝わっている。こうした小さな逸話も、当時の輸入盤・配給盤らしい空気をよく示している。大規模なヒット作というより、レーベルの目利きとバンドの個性が噛み合った、年代の輪郭が見える編集盤である。

まとめ

『Mistakes』は、Gruppo Sportivoの初期2作をもとに、1979年の米国市場向けに組み立てられた作品だ。ニュー・ウェイヴの時代に、パンクの外観とポップな中身を併せ持つバンドとして紹介され、レビューでもそのユーモアと曲の強さが注目された。オランダのバンドがSireから米国に届けられた、という流れ自体も含めて、当時の国際的なニュー・ウェイヴ流通の一断面を示す一枚になっている。

トラックリスト

  1. A1 Mission A Paris 4:17
  2. A2 Dreamin' 4:17
  3. A3 Henri 4:21
  4. A4 Hey Girl 2:25
  5. A5 I Said No 4:14
  6. A6 I Shot My Manager 2:50
  7. B1 Blah Blah Magazines 2:01
  8. B2 Beep Beep Love 2:54
  9. B3 P.S. 78 3:00
  10. B4 Superman 6:22
  11. B5 One Way Love (From Me To You) 3:07
  12. B6 Bottom Of The Class 2:04
  13. B7 The Single 1:13

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
Share
戻る

あわせて聴きたい "New Wave"

toast