Bob Dylan - Blonde On Blonde (1966)
Bob Dylan 1966

Bob Dylan - Blonde On Blonde (1966)

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Bob Dylan『Blonde On Blonde』(1966) レコード紹介

ボブ・ディランの『Blonde On Blonde』は、1966年に発表された2枚組アルバムで、彼の60年代作品の中でも特に大きな位置を占める1枚だ。フォークの語り口を土台にしながら、バンド・サウンドの厚み、ブルースの感触、ロックの推進力を同じ空気の中に置いた作品で、ディランの表現が大きく広がった時期をそのまま封じ込めている。US盤のこのリリースは、Columbiaの赤い2-eye “360 Sound”ラベル、MONO表記のある初期仕様で、オリジナル時代の手触りを強く残す盤面になっている。

ナッシュビル移行で生まれた独特の録音感

このアルバムの制作は、1965年10月にニューヨークで始まったものの、思うように形にならず、1966年2月にナッシュビルへ舞台を移して進んだ。ここで加わったのが、チャーリー・マッコイ、ケニー・バトリー、ウェイン・モスら、いわゆる“ナッシュビル・キャッツ”と呼ばれる腕利きのセッション・ミュージシャンたちだ。ニューヨークからはアル・クーパーやロビー・ロバートソンも参加し、地元勢との組み合わせが、ディラン自身が語ったとされる “thin, wild mercury sound” に近い感触を作ったとされる。

実際に聴くと、音の輪郭はくっきりしているのに、演奏全体には少しゆらぎがある。整いすぎず、崩れすぎず、その中間で進む感じがある。2枚組という長さもあって、曲ごとの表情の差がそのまま作品の推進力になっている。ナッシュビル録音らしいクリアさがありつつ、ディランの歌は終始ざらついたまま前へ出る。

代表曲とアルバムの流れ

冒頭の「Rainy Day Women #12 & 35」は、行進するようなリズムとコーラスが印象的な曲で、当時のシングルとしても広く知られた。続く「Pledging My Time」や「Visions of Johanna」では、ブルースの癖と内省的な言葉が同居する。特に「Visions of Johanna」は、この時期のディランを語るうえで外せない1曲で、歌詞の密度と演奏の間合いが強く残る。

「One of Us Must Know (Sooner or Later)」は、内袋では「One of Us Must Know」と表記されているが、作品全体の中でも構成のはっきりした曲だ。後半には「Just Like a Woman」「I Want You」といった、ポップな輪郭を持ちながらも簡単にはまとまらない曲が続く。「I Want You」はシングルとしてもヒットし、アルバムの中で最も耳に残りやすい曲のひとつだ。

当時のロックの中での位置づけ

『Blonde On Blonde』は、1966年6月20日に発売された2枚組LPで、同時代のロック作品の中でもかなり早い段階で大作化したアルバムとして知られる。翌週にはフランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インベンションの『Freak Out!』も出ており、60年代後半のロックが長尺のアルバム表現へ向かう流れの中にある。全米ビルボードTop LPsで9位、全英アルバムチャートで3位を記録している。

この作品が大きいのは、ディラン個人の転換点であると同時に、ロックの録音地としてナッシュビルを強く印象づけた点にもある。以後、多くのロック・アーティストがこの街で録音を行う流れにつながっていく。フォークの文脈だけでも、ロックの文脈だけでも収まりきらない盤で、60年代半ばのアメリカ音楽の境目に立っている。

このUS初期盤について

今回のUS盤は、赤いColumbia 2-eye “360 Sound”ラベル、MONO表記、そしてオリジナルの見開きジャケット仕様が特徴だ。内側には9枚の写真が並び、その中にクラウディア・カルディナーレの写真も含まれている。ランアウト部の「P」刻印は、Columbia Records Pressing Plant, Pitman プレスを示すものだ。1960年代のコロンビア盤らしい、ラベルとジャケットの情報量がはっきりした作りになっている。

2枚組というフォーマット、ナッシュビル録音、ヒット曲と長尺曲の混在、そしてディランの歌詞の密度。『Blonde On Blonde』は、その全部が一つの時代の記録としてまとまっているアルバムだ。フォークロック、ブルースロックという枠に置かれながら、実際にはその外側まで含む広がりがある。60年代のディランを代表する1枚として扱われ続けているのも、その構造の強さゆえだ。

トラックリスト

  1. A1 Rainy Day Women #12 & 35
  2. A2 Pledging My Time
  3. A3 Visions Of Johanna
  4. A4 One Of Us Must Know (Sooner Or Later)
  5. B1 I Want You
  6. B2 Memphis Blues Again
  7. B3 Leopard-Skin Pill-Box Hat
  8. B4 Just Like A Woman
  9. C1 Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine
  10. C2 Temporary Like Achilles
  11. C3 Absolutely Sweet Marie
  12. C4 4th Time Around
  13. C5 Obviously 5 Believers
  14. D Sad Eyed Lady Of The Lowlands

動画プレイリスト

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