Bob Dylan - Nashville Skyline (1969)
Bob Dylan 1969

Bob Dylan - Nashville Skyline (1969)

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Bob Dylan『Nashville Skyline』

1969年4月に発表されたボブ・ディランの通算9作目のスタジオ・アルバム。『John Wesley Harding』で見せた素朴なルーツ回帰をさらに推し進め、テネシー州ナッシュヴィルのコロンビア・スタジオAで録音された作品である。プロデュースは『Highway 61 Revisited』や『Blonde on Blonde』を手がけた名匠ボブ・ジョンストンが担当。本作はColumbiaの「Red 360 Sound」レーベル仕様のUSオリジナル盤(KCS 9825)にあたる。

制作背景・エピソード

本作でリスナーと批評家を最も驚かせたのは、ディランの歌声の劇的な変化だった。従来の鋭利で鼻にかかったハスキー・ヴォイスから一変し、深く滑らかで温かみのあるクルーナー調の美声を披露(ディラン自身はこの変化について「禁煙したおかげ」と回想している)。

録音にはナッシュヴィル屈指の名手たちが集結し、チャーリー・マッコイ、ピート・ドレイク(ペダル・スティール)、ケニー・バトリー(ドラム)、ノーマン・ブレイク、若き日のチャーリー・ダニエルズらが芳醇なアンサンブルを固めた。さらにアルバム冒頭の「Girl From The North Country」では、スタジオを訪れた親友ジョニー・キャッシュとの心温まるデュエットを披露。キャッシュが裏ジャケットに寄せた詩的なライナーノーツは、1970年のグラミー賞で最優秀アルバム・ライナーノーツ賞を受賞した。

サウンドと聴きどころ

アルバム全体を貫くのは、これまでの張り詰めた緊張感から解放された、親密でリラックスした温もりだ。ピート・ドレイクの艶やかなペダル・スティールがリードする「Lay Lady Lay」は、ディランの甘美な歌唱が際立つ珠玉のラブソング。軽快なピッキングが楽しいインスト「Nashville Skyline Rag」や、跳ねるリズムとユーモアが心地よい「Country Pie」、そして情感豊かなバラード「I Threw It All Away」に至るまで、簡潔でメロディアスな楽曲が揃っている。

時代の文脈

1960年代末、サイケデリック・ロックや激しい政治的主張が過熱していたロック・シーンにおいて、当時の若者文化から保守的と敬遠されがちだったナッシュヴィルのカントリー・ミュージックへディランが大胆に飛び込んだことは、シーンに強烈なインパクトを与えた。ザ・バーズの『Sweetheart of the Rodeo』と並び、ロックとカントリーの架け橋となって後のカントリー・ロック・ムーヴメントを決定づけた歴史的転換点である。

後世への影響

「Lay Lady Lay」はシングルとして全米7位を記録し、ディランにとって1970年代を通じて最後のトップ10ヒットとなった。この曲をはじめ「I Threw It All Away」や「Tonight I'll Be Staying Here With You」は、ザ・バーズ、シェール、デュアン・オールマンら無数のアーティストにカバーされ、アメリカーナ/ルーツ・ロックのスタンダードナンバーとして定着した。全米3位、全英1位を記録した本作は、ディランの豊かな音楽的懐の深さを証明する名盤として今なお愛され続けている。

トラックリスト

  1. A1 Girl From The North Country
  2. A2 Nashville Skyline Rag
  3. A3 To Be Alone With You
  4. A4 I Threw It All Away
  5. A5 Peggy Day
  6. B1 Lay Lady Lay
  7. B2 One More Night
  8. B3 Tell Me That It Isn't True
  9. B4 Country Pie
  10. B5 Tonight I'll Be Staying Here With You

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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Bob Dylanは、1941年5月24日にアメリカ・ミネソタ州ダルースで生まれたシンガー、ソングライターだ。プロフィールでは「song and dance man」とも紹介...

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