Various - The Harvest Bag (1971)
The Harvest Bag / Various(1971, UK, Harvest SHSS 3)
1971年にUKのHarvestから出たコンピレーション盤で、レーベルの顔ぶれを一枚にまとめたサンプラーLPだ。アーティスト名はVarious。単独のバンド作品ではなく、Harvest所属アーティストの楽曲を集めた構成で、当時のレーベルの方向性をそのまま見せる役割を持っている。Harvestはプログレッシブ寄りのロックを軸にしながら、ブルース・ロック、カントリー・ロック、ジャズ・ロックまで射程に入れていたが、この盤もその広さを反映した内容になっている。
Harvestは1969年にEMI傘下のレーベルとして立ち上がり、1970年前後にはPink FloydやDeep Purple、Roy Harper、Michael Chapman、Barclay James Harvestなどを抱えて勢いを増していた。「The Harvest Bag」は、その流れの中で出た2枚目のサンプラーとして位置づけられる。レーベルの中核カタログをまとめて紹介する役割が強く、当時のHarvestを追ううえで重要な一枚だ。
作品の性格と収録の意味
この盤で特に知られているのが、Electric Light Orchestraの「Queen of the Hours」が収められている点だ。これはELOの初期史において、最初期の公開音源として扱われることが多い。後の大編成オーケストラ・ロックの印象とは少し違い、初期のELOがどの段階から動き出していたのかを確認できる素材として見られている。サンプラー盤でありながら、単なる宣伝用の寄せ集めではなく、後年のバンド史にも関わる記録を含んでいるところが面白い。
収録アーティストの並びからは、Harvestが当時どんな音を売り出していたかがよく見える。重めのギターを前に出すロック、アコースティック色の強い曲、鍵盤を軸にした曲、ジャズの要素を含む演奏まで、レーベルの幅をそのまま詰め込んだ内容だ。各アーティストの代表曲集というより、レーベルのカタログ案内に近い作りで、1971年のHarvestの空気を一気に伝える資料的な性格がある。
ジャケットと盤の仕様
ジャケットは、Harvestのロゴをあしらったバッグを持つ人物を使った意匠で、英国の「Budget」感覚を少し皮肉ったようなデザインが目を引く。実用品のかばんをそのまま作品タイトルに重ねた見せ方で、宣伝盤らしい機能性と遊び心が同居している。印刷はGarrod & Lofthouse製で、イギリス盤らしい丁寧な仕上がり。盤にはポリライナー入りのカンパニー内袋が付属していた。
ラベルにはHarvestの表記があり、EMIグループ傘下であることを示す表記も見られる。これは当時のHarvestがEMI系列の中で展開していたことを示すものだ。UK盤としての1971年オリジナルの空気が強く、のちの再発盤とは、まずこの時代のレーベル運用やパッケージの雰囲気が違う。
同時代の文脈
1971年の英国ロックは、アルバム単位で作品世界を作る流れがかなり強くなっていた時期だ。Harvestもその波の中で、単独アーティストの新作を押し出すだけでなく、こうしたサンプラー盤でレーベル全体の魅力をまとめて提示していた。「The Harvest Bag」は、その販促的な役割とアーカイブ的な役割の両方を持つ。レーベルの個性を知る入口としても、当時のカタログの広がりを確認する資料としても機能している。
チャート成績については、この盤単体の明確な記録は追いにくいが、同時期のHarvestが大きく拡大していたことは確かだ。Pink Floydのような大物から、新しい動きを見せていたELOまで、同じレーベルの中に並んでいたこと自体が1971年のHarvestらしさを示している。
まとめ
「The Harvest Bag」は、1971年のHarvestが持っていた幅と勢いを、一枚のLPにまとめたサンプラー盤だ。ELOの初期音源を含む点でも、レーベル史の中で印象が残る。単独作品として聴くというより、Harvestというレーベルの見取り図を確認するための記録として見ると、この盤の役割が見えやすい。英国ロックのカタログ文化、そして1970年代初頭のレーベル戦略を感じさせる一枚である。
トラックリスト
- A1 Grease Band Laughed At The Judge
- A2 Southern Comfort River Woman
- A3 The Electric Light Orchestra Queen Of The Hours
- A4 Climax Chicago Shoot Her If She Runs
- A5 Barclay James Harvest After The Day
- B1 Edgar Broughton Band Call Me A Liar
- B2 East Of Eden Ain't Gonna Do You No Harm
- B3 Roy Harper Living Here Alone
- B4 The Move Ella James
- B5 Mark-Almond The City - Part 1 (The Ghetto)
動画プレイリスト
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Grease Band - 1971 - Laughed At The Judge - Dimitris Lesini Blues
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SOUTHERN COMFORT "RIVER WOMAN" (1972)
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Queen of the Hours (2001 Remaster)
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Shoot Her if She Runs
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After The Day
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Edgar Broughton Band - Call Me A Liar (1971)
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East of Eden - Ain't Gonna Do You No Harm
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Roy Harper - Living Here Alone (UK1971)
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Ella James (2005 Remaster)
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Mark-Almond Band - The Ghetto