Jack McDuff - Sophisticated Funk (1976)
Jack McDuff『Sophisticated Funk』
ソウル・ジャズ界屈指のオルガン奏者“ブラザー”・ジャック・マクダフが1976年に名門チェス(Chess)からリリースしたジャズ・ファンク/フュージョン屈指の人気作。トレードマークのハモンドB-3に加え、シンセサイザーやエレピを大胆にフィーチャーし、70年代半ばの都会的なクロスオーバー/ディスコ感覚を昇華させた意欲作である。
制作背景・エピソード
プロデュースおよびアレンジはギタリストのビリー・ジョーンズが担当。録音とミックスは、シルヴィア&ジョー・ロビンソン夫妻率いるオール・プラチナム・レコード傘下にあったニュージャージー州イングルウッドの名門オール・プラチナム・スタジオで行われた。
本作の大きな魅力となっているのが、名門CTIレコードの看板サックス/フルート奏者ジョー・ファレルの客演である。マクダフのファンキーでグルーヴィーな鍵盤ワークと、ファレルのシャープで洗練されたホーンがスリリングに交錯し、CTI作品にも通じるハイエンドなフュージョン・サウンドを生み出している。収録曲には、巨匠ラロ・シフリン作曲の刑事ドラマ主題歌をディスコ・ファンクへと変貌させた「Mannix Theme」をはじめ、ダンサブルな「Dit Da Dit」、アフロ・テイストの「Ju Ju」、そして浮遊感あふれるメロウ・グルーヴ「Electric Surf Board」など、フロア映えするナンバーが揃っている。
時代の文脈
1960年代にプレスティッジなどでソウル・ジャズの黄金期を築き、若きジョージ・ベンソンらを輩出したマクダフは、70年代に入るとアトランティックやブルーノートを経て、急速に変化するブラック・ミュージックの潮流に柔軟に対応していった。チェスがオール・プラチナム傘下に移籍した時期に制作された本作は、伝統的なジャズ・オルガンの様式美を軽やかに飛び越え、タイトなリズムセクションとエレクトリックな音響で構築された70年代半ばならではのクロスオーバー・ジャズ・ファンクの精華を示している。
後世への影響
90年代以降のアシッド・ジャズ〜レア・グルーヴ・ムーヴメントにおいて、フロア直撃のクラブ・クラシックとして熱狂的に再評価された。とくに「Electric Surf Board」は、90sヒップホップを代表する名匠ピート・ロックをはじめ、DJカムなど数多くのビートメイカーによってサンプリングされ、ヒップホップ・ヘッズやディガーのウィッシュリストの常連となっている。
盤について
1976年リリースのUSオリジナルLP(Chess ACH-19004)。オール・プラチナム配給期のライトブルー・ラベル仕様。ダンス・フロアユースを想定したファットなベースラインと、抜けの良いドラム・サウンドが際立つ骨太なアナログ・カッティングである。
トラックリスト
- A1 Dit Da Dit 6:00
- A2 Ju Ju 6:49
- A3 To Be Named Later 4:50
- A4 Summer Dream 4:50
- B1 Jack's Boogie 3:32
- B2 Mini Pads 5:50
- B3 Electric Surf Board 5:17
- B4 Mannix Theme 3:26