Caldera - Sky Islands (1977)
Caldera『Sky Islands』
1976年にキャピトル・レコードからデビューしたラテン・フュージョン・グループ、Calderaの2作目。中心にいたのは、コスタリカ出身のギタリスト、ホルヘ・ストランツと、アルゼンチン出身のピアニスト/作編曲家エドゥアルド・デル・バリオだった。『Sky Islands』では、その二人を軸に、当時キャピトルのR&B部門副社長だったラーキン・アーノルドの後押しを受け、アース・ウインド&ファイアーのキーボード奏者ラリー・ダンが共同プロデューサーとして参加している。
制作背景
本作では、ラリー・ダンがプロデュースだけでなく、「Sky Islands」と「Seraphim (Angel)」の作曲、さらにシンセサイザー演奏も担当した。もうひとつ重要なのが、当時まだ無名だったダイアン・リーヴスの参加だ。彼女は「Ancient Source」でリード・ボーカルを取り、「Sky Islands」ではスキャットとコーラスを披露して、初レコーディングを果たした。
この作品を通じてラリー・ダンと関係ができたことは、デル・バリオの次のキャリアにもつながった。デル・バリオは、その後アース・ウインド&ファイアー側とのつながりから、モーリス・ホワイトらと『All 'n All』収録の「Fantasy」やグラミー賞を受賞した「Runnin'」の共作に加わることになった。
時代の文脈
1970年代後半は、リターン・トゥ・フォーエヴァーやウェザー・リポートの活動で、ジャズ・ロックやクロスオーバーが大きく広がった時期。そこにファンク、ソウル、ラテン音楽の要素を重ねたフュージョンも発展していった。Calderaは、その中で中南米由来の感覚を強く持ち込んだバンドとして位置づけられている。
ストランツとデル・バリオが持ち込んだフォルクローレやアンデス音楽の哀愁、アフロ・キューバン、ブラジリアン・サンバといった要素を、北米のジャズ・ファンクやストリングス・アレンジと組み合わせた点が、このグループの特徴として語られている。ホルヘ・ストランツの流麗なギター・ワークや若きカルロス・ヴェガの正確なドラミング、アンデスの民族舞踊をモチーフにした「Carnavalito」のポリリズムなど、緻密なアンサンブルと演奏力の高さも際立っている。
後世への影響
タイトル曲「Sky Islands」は、1987年にダイアン・リーヴスがブルーノートから出したソロ・デビュー作『Dianne Reeves』でセルフ・カバーされ、代表的レパートリーのひとつになった。さらに1993年にはラムゼイ・ルイスもこの曲を取り上げ、自身のアルバムの表題曲として使用している。
また、デル・バリオ作の「Ancient Source」は、エレピの旋律とコード進行が再評価され、リック・ロス「Maybach Music III」(2010年)やジョーイ・バッドアス「95 Til Infinity」(2013年)でサンプリングされた。
補足
本作は米キャッシュボックス誌のTop 40 Jazz Albumsチャートで18位を記録し、ビルボードのTop 200アルバム・チャートにも入っている。キャピトル盤は1977年のUSオリジナルで、レーベル表記はST-11658。
トラックリスト
- A1 Sky Islands 6:17
- A2 Ancient Source 4:50
- A3 It Used To Be 1:13
- A4 Pegasus 4:59
- B1 Carnavalito 4:51
- B2 Seraphim (Angel) 4:46
- B3 Indigo Fire 1:06
- B4 Triste 6:50
- B5 Pescador (Fisherman) 1:17
動画プレイリスト
このアーティストについて
Caldera(カルデラ)は、1976年にアメリカ・ロサンゼルスで結成された多国籍ラテン・ジャズ・フュージョン/ジャズ・ファンク・グループ。コスタリカ...
Caldera のプロフィール・作品一覧