Patrice Rushen - Shout It Out (1977)
Patrice Rushen『Shout It Out』
パトリース・ラッシェンが1977年にPrestigeから発表した『Shout It Out』は、通算3作目であり、同レーベルでの最終作。17歳でモントレー・ジャズ・フェスティバルのコンテストを制してPrestigeと契約した彼女が、22歳の時点でプレイヤー、コンポーザー、アレンジャーとしての才能を全面開花させた一枚である。プロデュースはラッシェン自身、恩師レジー・アンドリュース、エンジニアのトミー・ヴィカリが共同で担当した。
制作背景と参加ミュージシャン
本作では、ラッシェンがアコースティック・ピアノ、フェンダー・ローズ、クラビネット、ミニモーグなどの多彩な鍵盤楽器を自在に操っている。一部の楽曲ではエレキ・ベースも自ら演奏し、ボーカルも執った。バックにはアース・ウインド&ファイアーのギタリストであるアル・マッケイ、希代の名セッション・ドラマーであるジェームス・ギャドソン、チャールズ・ミークス(b)が参加し、タイトル曲にはトム・スコットがサックスとリリコンで客演するなど、西海岸の精鋭ミュージシャンが集結した。
重量級のクラビネットとシンセがうねるオープニング曲「The Hump」、トム・スコットとラッシェンの超絶ソロが交錯する高速フュージョン「Shout It Out」、そしてギャドソンとグラハム・リアによるツイン・ドラムと壮麗なオーケストレーションが響くラストの「Sojourn」まで、卓越した鍵盤ワークと洗練されたアンサンブルが展開されている。
時代の文脈
1970年代中盤から後半にかけて、ジャズとファンク、ディスコの距離が急速に近づいていく中で、ラッシェンもまた作風を進化させていった。Prestigeでの前2作『Prelusion』(1974年)と『Before the Dawn』(1975年)ではストレート・ジャズからジャズ・ロックへの変化が見られたが、『Shout It Out』では本格的なブラック・コンテンポラリー/R&B路線へのシフトを決定づけた。翌1978年にはElektraへ移籍し、「Forget Me Nots」などの世界的メガヒットを放つディスコ/R&Bのスターダムへと駆け上がることになる。
本作は米ビルボードのジャズ・アルバム・チャートで最高16位、総合アルバム・チャート(Billboard 200)で164位を記録した。
後世への影響
本作は1980年代以降、レア・グルーヴやアシッド・ジャズの文脈においてクラブ世代のDJやリスナーから熱烈に再評価された。特にメロウなソウル・ナンバー「Let Your Heart Be Free」はフリー・ソウル/メロウ・グルーヴの名曲として愛され続け、2008年にはドイツのクラブ・ジャズ・ユニット、JazzanovaがシンガーのChoklateを迎えてカバーした。
トラックリスト
- A1 The Hump 6:04
- A2 Shout It Out 6:14
- A3 Stepping Stones 5:00
- A4 Let Your Heart Be Free 3:58
- B1 Roll With The Punches 6:17
- B2 Let There Be Funk 4:16
- B3 Yolon 4:32
- B4 Sojourn 4:43
動画プレイリスト
このアーティストについて
Patrice Rushenは、アメリカ・ロサンゼルス出身のシンガー、作曲家、ピアニスト、キーボード奏者、プロデューサー、音楽監督、教育者だ。日本盤では「...
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