Candido - Thousand Finger Man (1970)
Candido『Thousand Finger Man』
キューバ・ハバナ出身の伝説的コンガ/パーカッション奏者、“千の指を持つ男”ことカンディド・カメロが1970年に発表した代表作。タイトル曲「Thousand Finger Man」を筆頭に、ルーファス・トーマスの「Jump Back」、ブッカー・T & ザ・MG'sの「Soul Limbo」、映画『セメントの女』からの「Tony's Theme」などを収めた一枚で、USのSolid State Recordsからリリースされた。見開きジャケット仕様で、録音は1969年9月4日と9日、ニューヨークのA&R Studioで行われている。
制作背景・エピソード
本作のプロデュースはデューク・ピアソン、アレンジはジョー・ケインが担当。エンジニアはデイヴ・サンダースが務めた。演奏陣も充実を極めており、ベースにジェラルド・ジェモットとチャック・レイニー、ギターにデヴィッド・スピノザ、ドラムにハービー・ラヴェル、オルガン/ピアノにフランク・アンダーソン、ホーン隊にパット・ルッソやアラン・ラフらが参加している。
収録曲では、ファンク・ナンバー「Jump Back」が約8分に及ぶうねる展開を聴かせ、「Soul Limbo」では小気味よいカウベルとホーンの掛け合いが前面に出る。そしてアルバムの最後を飾るタイトル曲「Thousand Finger Man」では、カンディドの代名詞たるパーカッシブな超絶技巧と疾走感あふれるビートが炸裂する。
時代の文脈
カンディドは1950年代からディジー・ガレスピー、ビリー・テイラー、スタン・ケントンらと共演を重ね、アフロ・キューバン・ジャズの発展を支えてきた巨匠。そのキャリアにおいて本作は、1960年代末から70年代初頭にかけて台頭したソウル/ファンクやロックのダイナミズムを貪欲に吸収し、ラテン・ジャズとブラック・ミュージックのファンクネスを力強く交差させた決定的な一枚となった。
ジェモットやレイニーの太く弾むベースラインと、カンディドが繰り出すコンガ/ボンゴの多彩なトーンが一体となったサウンドは、ジャンルを超えたクロスオーバーの先駆けとして高く評価されている。
後世への影響
とくにタイトル曲「Thousand Finger Man」は、デヴィッド・マンキューソ主宰の『The Loft』や、ラリー・レヴァンの『Paradise Garage』といったニューヨークのアンダーグラウンド・クラブシーンの黎明期において象徴的なアンセムとして愛され続けた。1979年にはカンディド自身がSalsoul Recordsでディスコ仕様のセルフカバーを発表し、世界的な大ヒットを記録している。
その原点である本作のオリジナル・バージョンも、レア・グルーヴやクラブ・ジャズのフロア・クラシックとして決定的な評価を獲得しており、時代を超えてDJやリスナーを魅了し続けている。
トラックリスト
- A1 Jump Back 8:00
- A2 Come On Choo-Choo Train 5:05
- A3 Soul Limbo 5:45
- B1 Tony's Theme 5:56
- B2 Hallelujah I'm Comin' Home 5:55
- B3 Thousand Finger Man 6:50
動画プレイリスト
このアーティストについて
Candidoは、キューバ生まれのパーカッショニスト、カンディード・カメーロ(Cándido Camero)の名義として知られている。1921年4月22日、ハバナのレグ...
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