Change - Miracles (1981)
Change 1981

Change - Miracles (1981)

Funk / Soul Boogie Soul Disco

Change『Miracles』(1981) について

Changeの『Miracles』は、1981年に発表されたグループ初期の重要作である。ボローニャを拠点に、ジャック・フレッド・ペトルス、マウロ・マラヴァージ、ダヴィデ・ロマーニらのソングライター/プロデューサー陣によって立ち上げられたこのユニットは、イタリア発のディスコ・ソウルを国際市場へ押し出した存在として知られる。本作もその流れの中にあり、ヨーロッパ制作とニューヨーク録音を往復する形で作られた点がまず印象に残る。

制作の背景

本作は、トラックをイタリア・ボローニャのフォノプリント・スタジオで録音し、その後ヴォーカル録りのためにニューヨークのメディアサウンド・スタジオへ持ち込むという手順で完成した。制作クレジットには Little Macho Music Co. のエグゼクティブ・プロダクションが記され、1981年当時の国際的なディスコ/ファンク制作の動きがそのまま反映されている。盤面には「℗ © 1981 WEA International Inc.」の表記があり、ドイツ盤としてWEAから出ている点も、この作品が欧州圏で広く流通したことを示している。

Changeの特徴として、歌手と制作陣の役割分担がはっきりしていることが挙げられる。本作では、前作までリードを担っていたルーサー・ヴァンドロスが契約上の事情でリード・ヴォーカルを取れず、参加はバッキング・ヴォーカルに限られた。一方で、彼に近い歌唱感を持つジェイムズ・“クラブ”・ロビンソンを新たに起用し、作品全体の歌唱面を組み立てている。Changeという名前の通り、メンバーや歌い手の入れ替わりが作品の性格に直結するグループであり、その流動性がこのアルバムにも表れている。

収録曲とヒット曲

本作の中で特に知られるのが「Paradise」である。全米ダンスチャートで5週連続1位を記録した曲で、Changeの代表曲のひとつとして位置づけられている。リズムの作り方、ベースの運び、コーラスの重ね方が非常に整っていて、1981年のディスコ終盤からブギー、そして80年代ソウルへ移行していく感触をそのまま掴める楽曲だ。派手さを前面に出すというより、演奏と歌の配置を細かく詰めたタイプのヒット曲で、ダンスフロア向けでありながら、耳で追うほどに細部が見える。

アルバム全体も、この「Paradise」を軸にした流れで聴くとまとまりがある。Changeの作品に共通する、Chic由来の洗練されたアンサンブル感、ソウルの歌心、ディスコの推進力が、過不足なく並んでいる。過度に装飾的ではなく、リズム隊とヴォーカルの輪郭が明瞭で、当時のブラック・ミュージックの中でも、ヨーロッパ制作らしい整った質感が出ている。

評価とチャート成績

『Miracles』は1981年3月6日に発表され、全米ビルボード・アルバムチャートで46位、ブラック・アルバムチャートで9位を記録した。批評面でもロバート・クリストガウがB+、AllMusicが5点満点中4点を付けており、当時の受け止めはおおむね好意的だった。Changeにとっては、単発のヒットで終わらず、グループ像を固める段階の作品として重要な位置にある。

なお、Changeは1980年から1985年にかけて6枚のアルバムを残し、その後も“ディスコの残響”ではなく、80年代R&Bの文脈で語られることが多い。本作『Miracles』もその流れの中で、ルーサー・ヴァンドロスの参加、ジェイムズ・ロビンソンへの交代、そして「Paradise」のヒットという要素が重なった一枚として見えてくる。イタリア制作の精密さとニューヨークのヴォーカル・セッションが交差する、時代の空気が濃いアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Paradise 5:14
  2. A2 Hold Tight 4:23
  3. A3 Your Move 4:23
  4. A4 Stop For Love 4:12
  5. B1 On Top 5:13
  6. B2 Heaven Of My Life 5:34
  7. B3 Miracles 5:17

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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