Elton John - Goodbye Yellow Brick Road (1973)
Elton John 1973

Elton John - Goodbye Yellow Brick Road (1973)

Rock Pop Rock Classic Rock

Elton John『Goodbye Yellow Brick Road』(1973) について

Elton Johnの『Goodbye Yellow Brick Road』は、1973年にリリースされた2枚組の大作で、彼のキャリアの中でも特に重要な位置を占める作品だ。アメリカ盤はMCA Recordsから出ており、黒地にレインボーの入った初期MCAラベルの時期にあたる。録音はフランスで行われ、制作の舞台裏まで含めて、1970年代前半のロック作品らしいスケール感を持ったアルバムである。

作品全体の印象

このアルバムは、ポップな親しみやすさと、曲ごとに異なる表情を持つ構成がはっきりしている。Elton Johnのピアノを軸にしながら、バンドとしての厚みも強く、曲の展開が次々に変わる。1枚の流れの中で、ヒット曲、バラード、シアトリカルな要素を含む曲が並び、2枚組という長さを感じさせない密度がある。

実際に聴くと、まず耳に残るのはメロディの明確さだ。派手な装飾よりも、歌のフレーズとピアノの動きで引っ張る場面が多い。録音の輪郭も比較的くっきりしていて、各楽器の役割が追いやすい。1970年代前半の英国ロックの中でも、バンドの一体感とポップソングとしての完成度が両立した作品として受け取れる。

制作の背景

制作は当初、1973年1月にジャマイカのダイナミック・サウンド・スタジオで始まる予定だったが、環境面の問題からうまく進まず、フランスのシャトー・デルイヴィルへ拠点を移している。楽曲自体は非常に速いペースで書かれた。Bernie Taupinがジャマイカ滞在中に歌詞を書き上げ、Elton Johnも短期間で曲を付けたとされる。制作現場の混乱に対して、楽曲の完成速度が際立つエピソードである。

この短い準備期間から、2枚組のアルバムがまとまっている点も興味深い。曲数が多くても散漫になりにくく、各曲の輪郭がはっきりしている。ロック作品としてのボリューム感がありながら、シングル曲の強さが全体を支えている。

代表曲とアルバムの核

タイトル曲「Goodbye Yellow Brick Road」は、アルバムの中心に置かれた楽曲で、Elton Johnの代表曲のひとつとして広く知られている。ピアノ主体の進行に、歌詞の視点が重なる構成で、楽曲単体でも強い印象を残す。「Saturday Night's Alright for Fighting」は、勢いのあるロックンロールとしてアルバムの温度を上げる曲だ。「Candle in the Wind」は、後年の再解釈でも知られるが、この時点ではしっとりしたバラードとしてアルバム内で重要な役割を持つ。

ほかにも「Bennie and the Jets」のように、リズムの取り方や歌の乗せ方に独特の感触がある曲が並ぶ。いずれも単なる名曲集ではなく、曲ごとの性格が明確で、アルバム全体を通して聴いたときに並びの妙が出ている。

Elton Johnの中での位置づけ

1970年代のElton Johnは、連続して強いアルバムを発表していた時期で、この作品はその流れの中でも特に大きな成功を収めた一枚だ。ピアノ・ロックを軸にしながら、ポップスとしての届きやすさを保っている点が、同時代の多くのロック作品と違うところでもある。英国のシンガーソングライターの文脈にいながら、アメリカ市場でも強い存在感を持ったことが、このアルバムの評価を支えている。

同時代のロックと比べると、演奏の硬派さだけで押すのではなく、曲の構造とフックを前面に出している。ピアノを中心にしたロックという点では、後の多くのアーティストにもつながる流れが見える。Elton John自身の作品群の中でも、シングルの強さ、アルバム全体のまとまり、2枚組としての情報量が揃った重要作である。

1973年US盤について

このUS盤はMCA Recordsの2枚組カタログ番号MCA2-10003で、1973年のオリジナル期にあたる。初期MCAの黒地にレインボーのラベルは、同レーベルの立ち上がり期を示すものでもある。録音はフランスで行われている一方、アメリカ盤としては当時のMCAの流通体制の中で届けられた。レーベルやプレスの違いはあるが、作品そのものの核は変わらず、1973年の空気をそのまま抱えた一枚として聴ける。

『Goodbye Yellow Brick Road』は、Elton Johnのキャリアを語るうえで外せない作品であり、1970年代ポップ・ロックの代表的な2枚組アルバムとしても存在感が強い。曲の強さ、制作背景の濃さ、そしてアルバムとしてのまとまりが揃った作品である。

トラックリスト

  1. A1 Funeral For A Friend/Love Lies Bleeding 11:05
  2. A2 Candle In The Wind 3:41
  3. A3 Bennie And The Jets 5:10
  4. B1 Goodbye Yellow Brick Road 3:13
  5. B2 This Song Has No Title 2:18
  6. B3 Grey Seal 4:03
  7. B4 Jamaica Jerk-off 3:36
  8. B5 I've Seen That Movie Too 5:59
  9. C1 Sweet Painted Lady 3:52
  10. C2 The Ballad Of Danny Bailey (1909-34) 4:24
  11. C3 Dirty Little Girl 5:03
  12. C4 All The Girls Love Alice 5:13
  13. D1 Your Sister Can't Twist (But She Can Rock 'n Roll) 2:41
  14. D2 Saturday Night's Alright For Fighting 4:50
  15. D3 Roy Rogers 4:10
  16. D4 Social Disease 3:45
  17. D5 Harmony 2:49

動画プレイリスト

Share
戻る

あわせて聴きたい "Classic Rock"

toast