Credo , Raimonds Pauls Gunārs Krollis - Melnais Kliedziens (1986)
Credo , Raimonds Pauls Gunārs Krollis 1986

Credo , Raimonds Pauls Gunārs Krollis - Melnais Kliedziens (1986)

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Credo, Raimonds Pauls, Gunārs Krollis『Melnais Kliedziens』について

『Melnais Kliedziens』は、1986年にソ連のメロディア・レーベルから出たレコードで、CredoとRaimonds Pauls、Gunārs Krollisの名義が並ぶ作品である。クレドはラトヴィアのロック・バンドとして知られ、そこに同国の作曲家・ピアニストであるRaimonds Paulsが関わる構図が、この盤の性格をはっきり示している。ロック・バンドの演奏を土台にしつつ、歌曲性や舞台的な構成を意識した作りで、ラトヴィア語版とロシア語版の二つの形が存在する点も、この作品の重要な特徴になっている。

1980年代半ばのソ連圏では、ロックは単なる反抗の記号ではなく、ポップス、フォーク、シアトリカルな要素と交差しながら独自の形を取っていた。『Melnais Kliedziens』もその流れの中に置くと見えやすい。Credoのバンド色を保ちながら、Paulsのメロディ構築が前に出る場面があり、当時のバルト地域の作品らしい、旋律と語り口の強さがある。

作品の位置づけ

Credoにとってこの作品は、バンド単体のロック盤というより、外部の作曲家・表現者と組んで作品世界を広げた一枚として捉えやすい。Raimonds Paulsはラトヴィアの大衆音楽を語るうえで欠かせない存在で、ポップスや歌謡曲の文脈で広く知られているが、その仕事はロック寄りの編成にも自然に入ってくる。この盤では、その柔らかな旋律感と、Credoの演奏する骨格のあるバンド・サウンドが同じ画面に収まっている。

Gunārs Krollisの名がクレジットに入ることで、単なる歌手名義のアルバムではなく、作品全体の構成に意図があることがうかがえる。ソ連時代のレコードでは、こうした複数名義の作品が珍しくなく、演奏、作曲、詩作、企画が重なったかたちで一枚にまとまることがあった。『Melnais Kliedziens』もその一例として見ておくと、時代の空気がつかみやすい。

サウンドと聴きどころ

この盤の核にあるのは、ロックの編成を使いながら、メロディを前面に置く姿勢である。派手な技巧で押すというより、曲の輪郭をきちんと立てて進むタイプで、歌の言葉が届きやすい。ギター、鍵盤、リズム隊が互いにぶつかりすぎず、曲ごとの温度差を作っていく感じがある。プログレ寄りの展開を含む場面でも、あくまで歌を中心に組まれているのがこの作品らしいところだ。

特に印象に残るのは、タイトルが示す通り、感情の振幅を大きく取る構成である。静かな入りから少しずつ厚みを増す曲、リフで引っ張る曲、コーラスの広がりを活かす曲が並ぶことで、一枚の中に複数の表情が生まれている。ラトヴィア語版とロシア語版があることも含め、同じ素材を別の言語の響きで聴き比べる楽しさがある作品だ。

Raimonds Paulsの関与

Raimonds Paulsは、ラトヴィアでは非常に広い層に知られた作曲家で、歌謡曲的な親しみやすさと、クラシック的な運びの良さを同時に持つ人物として語られることが多い。『Melnais Kliedziens』では、その持ち味がロック・バンドの上に乗ることで、単なるポップな聴きやすさだけでは終わらない。旋律がしっかり記憶に残る一方で、曲の進行にはやや劇的な緊張感があり、そこがこの作品の芯になっている。

Credoの側から見ると、Paulsの関与はバンドの演奏をより明確な楽曲単位へまとめる役割を果たしているように見える。ロックの勢いだけで進まず、歌の構造を重視するあたりに、当時のラトヴィア音楽シーンの洗練が出ている。ソ連全体のポップ・ロックの中でも、バルト地域の作品にしばしば感じられる、端正さと抑制がここでも確認できる。

レコードとしての特徴

この盤は1986年のUSSR盤で、レーベルはМелодия、規格はС60 24883 003。ソ連のメロディア盤らしく、製造工場によってラベルやジャケットの細部が異なることがあるタイプのリリースである。盤の年は作品の初出年と一致しており、当時のオリジナル盤として扱いやすい。ラトヴィア語版とロシア語版があるという点は、ソ連圏の多言語状況をそのまま反映していて、作品内容だけでなく流通の面でも興味深い。

『Melnais Kliedziens』は、Credoのバンド性、Raimonds Paulsの作曲性、そしてソ連末期に向かう1980年代半ばのラトヴィア音楽の輪郭を、一枚の中にまとめた作品として見えてくる。ロックと歌謡のあいだにある距離感、言語違いでの印象の変化、そしてメロディア盤特有の時代性。そうした要素が重なって、このレコードの存在感を形づくっている。

トラックリスト

  1. A1 Uguns Bulta, Sāpe 12:28
  2. A2 Melnais Kliedziens 3:47
  3. A3 Ēna 3:06
  4. B1 Lūgums Ugunij 7:14
  5. B2 Nakts, Pieskāriens 8:46
  6. B3 Epilogs 1:31

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