Erotic Drum Band - Action 78 (1978)
Erotic Drum Band『Action 78』
Erotic Drum Bandは、イタリア出身でカナダ・モントリオールを拠点に活動した音楽プロデューサー/マルチ奏者、ピーター・ディ・マイロ(Peter Di Milo)を中心とするディスコ・スタジオ・プロジェクトである。本作『Action 78』(カタログ番号:ULP-01)は、のちにカナダを代表するダンス・ミュージック・レーベルへと成長するユニディスク(Unidisc)が1978年に送り出した記念すべきアルバム第1弾。エグゼクティブ・プロデューサーはユニディスク創業者のジョージ・ククゼラ(George Cucuzzella)が務め、マシュー・カンパノッツィ(Matthew Campanozzi)が共同プロデューサーおよびソングライターとして参加している。アメリカでは名門プリズム・レコード(Prism Records)からライセンス発売され、収録曲にちなんで『Plug Me To Death』のタイトルで流通した地域もある。
制作背景・エピソード
本作は、ユニディスク最初期のカタログとして、モントリオールのスタジオで制作された。全編がカナダ国内制作(MAPL規定100%)のプロダクションであり、A面に「Love Disco Style」「Plug Me To Death」、B面に「Action '78」「Jerky Rythm」という長尺トラックを配したフロア直結の構成を誇る。ピーター・ディ・マイロの緻密なアレンジとエレクトロニクス、パーカッションへの強いこだわりが凝縮されたスタジオ・ワークの結晶である。
時代の文脈とサウンド
1970年代後半のモントリオールは、ニューヨークやヨーロッパ(ミュンヘン・サウンドなど)と並び、北米屈指のディスコ先進都市として熱気を帯びていた。本作は、ヨーロッパ的なスペーシー・シンセサイザーと、北米ファンク由来の強靭なビートが融合したカナディアン・ディスコ(のちのHi-NRGの前身)の黎明期を代表する1枚である。
サウンドの主軸は、執拗なまでに反復される電子ドラムやボンゴ、コンガなどの打楽器群が織りなすパーカッシブでトライバルなグルーヴにある。そこにスペーシーなシンセサイザーのアルペジオと官能的なボイス・エフェクトが重なり合い、アフロ・コズミック的とも言えるサイケデリックな陶酔感を生み出している。発売当時は商業的なポップ・チャートを賑わすタイプではなかったものの、カナダやアメリカのクラブ・チャートやDJプールを通じてアンダーグラウンドで絶大な支持を集めた。
後世への影響
本作の評価を決定づけたのは、ニューヨークを中心とするクラブ・カルチャーにおける再評価である。デヴィッド・マンキューソのザ・ロフトや、ラリー・レヴァンがプレイしたパラダイス・ガラージなどを通じて、いわゆる「ガラージ・クラシック」として熱狂的な支持を獲得した。
特にタイトルトラック「Action '78」にインサートされる不気味で狂気的な笑い声とパーカッシブなブレイクは、トッド・テリー(Todd Terry)をはじめとする黎明期ハウス・ミュージックのプロデューサーたちにサンプリングされ、シカゴ・ハウスやニューヨーク・ハウスのクラシックに直結する重要ソースとなった。さらに「Plug Me To Death」「Jerky Rythm」「Love Disco Style」も、DJハーヴィー(DJ Harvey)をはじめとする世界中のトップDJたちに長年プレイされ、ヒップホップやブレイクビーツのサンプリング源としても掘り起こされ続けている。
トラックリスト
- A Love Disco Style
- B1 Plug Me To Death
- B2 Action '78
- B3 Jerky Rythm
動画プレイリスト
このアーティストについて
エロティック・ドラム・バンド(Erotic Drum Band)は、1970年代後半から1980年代初頭にかけてカナダ・モントリオールを拠点に活動したディスコ/エレ...
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