Space - Deeper Zone (1980)
Space『Deeper Zone』(1980)レビュー
Spaceの『Deeper Zone』は、Didier Marouaniが1979年に離脱したあとの制作で、Roland RomanelliとJannick Topを軸に進められた1980年作。クレジット上でも主要作曲はRomanelli/Top、プロデュースはJean-Philippe Iliescoとなっている。参加演奏者としては、キーボードのRomanelli、ベースのTop、ギターのPatrice Tison、ドラムのJo Hammer、リード・ヴォーカルのCissy Stoneが確認できる。タイトル曲の「Deeper Zone」をはじめ、「Inner Voices」「Robbots」「Tender Force」などはRomanelli/Top中心の制作で、「Mixed Up」はGeoff Brown作、「On the Air」はJ.S.バッハを下敷きにしたディスコ解釈として紹介されている。
制作背景・エピソード
この時期のSpaceは、初期メンバーによる最後期にあたる作品群の中で『Deeper Zone』を残した。制作の中心にいたのはRomanelliとTopで、バンドの役割分担も比較的はっきりしている。キーボード、ベース、ギター、ドラム、ヴォーカルという構成の中で、曲ごとに作曲者の名前が見えるのも特徴的だ。「On the Air」のように古典曲をディスコの文脈へ置き換えた曲が入っている一方で、「Mixed Up」のような外部作家の曲も収録されている。アルバム全体の制作は、Spaceの名義を保ちながらも、実際の中身はRomanelliとTopの色が強いものになっている。
盤面の表記では、フランス盤らしく「MADE IN FRANCE」「℗ 1980」が入っており、バックカバーには「PRINTED IN FRANCE」「Disponible en cassette : 709616」「GRAVE ET PRESSE EN FRANCE」の記載がある。マトリクスはエッチングで、M.P.P.V.のみスタンプとのこと。
時代の文脈
Spaceは1970年代後半、フランス発のディスコ・グループとして注目を集めたが、『Deeper Zone』が出た1980年には、すでにディスコ熱が一段落しつつあった。資料では本作が「最初期メンバーの最後のアルバム」とされ、1981年にバンドが事実上終焉したとも記されている。つまり、1977年の「Magic Fly」で広く知られた時期から、より後期の制作段階へ移る途中の作品として置かれている。
曲単位で見ると、「On the Air」のようにバッハを素材にしたディスコ曲があり、「Mixed Up」はソウルフルなディスコとして紹介されている。「Inner Voices」は、Sunline Recordsがじれったいテンポのボトムヘヴィな四つ打ちと評し、ストリングスとコンガの絡みを強調している。AllMusicでは電子音楽/Euro-Dance/Club/Danceの作品として分類されている。こうした記述からは、1980年時点のSpaceが、クラブ向けの編曲とシンセ主体の制作を継続していたことがわかる。
後世への影響
直接的なカバーやサンプリングの記録は今回の範囲では見当たらないが、再発や中古盤店の解説を通じて後年に再評価されている。とくに「Inner Voices」や「On The Air」は、DJやコレクターの間で、フレンチ・シンセ/コズミック・ディスコの文脈で取り上げられている。「Inner Voices」は重いビートとストリングス、コンガの絡みで紹介され、「On The Air」はバッハの素材をディスコ化した曲として触れられている。こうした再評価は、Spaceの後期作を聴き直す際の重要な手がかりになっている。
なお、主要なチャート成績の具体的な数字は確認できず、前作までのヒット期と比べると勢いを落とした作品として扱われることがある。
トラックリスト
- A1 Deeper Zone 7:14
- A2 Inner Voices 6:53
- A3 Space Media 3:30
- B1 Mixed Up 5:56
- B2 On The Air 5:23
- B3 Love Starring You And Me 5:37
動画プレイリスト
このアーティストについて
Spaceは、ディディエ・マルアーニ(Didier Marouani、別名義はECAMA)とローラン・ロマネリ(Roland Romanelli)を中心に結成されたフランスのグルー...
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