Fabrizio De Andre' - Fabrizio De Andre' (1981)
Fabrizio De André 1981

Fabrizio De Andre' - Fabrizio De Andre' (1981)

Rock Pop Pop Rock Vocal

Fabrizio De André『Fabrizio De André』

Fabrizio De Andréの1981年作『Fabrizio De André』は、一般にはカヴァー絵から『L’indiano』の名でも知られる無題のスタジオ・アルバム。今回の盤は2010年のイタリア盤再発で、オリジナルの1981年盤をもとにしたリイシューにあたる。パッケージ上ではタイトル表記に揺れがあり、フロント、背、CD面でアーティスト名の表記も少しずつ異なる。

制作背景と録音メンバー

制作は1981年6月から7月にかけて進められ、リコルディからのリリースとして登場した。演奏面ではMark HarrisとOscar Prudenteがアレンジを担当し、ギターのTony Soranno、ベースのPier Michelatti、ドラムのGabriele Melotti、パーカッションのMaurizio Pretiらが参加している。De André自身がアート・ディレクションを担っている点も重要で、作品全体の見せ方まで本人が関わっていたことが分かる。

収録曲「Ave Maria」は、サルデーニャの伝統的なイタリア民謡をもとにした加工・翻案曲として記されている。アルバムの構成の中でも、この曲は民謡素材を再解釈した一曲として位置づけられている。

時代の文脈

1981年という時期のDe Andréは、1970年代の政治性の強いシンガーソングライター像から、より私的で内省的な表現へ移っていく局面にあった。本作は『Rimini』の次に置かれ、1984年の『Crêuza de mä』へつながる流れの中で重要な橋渡しとして扱われている。Treccaniは、この時期のDe Andréを海港都市ジェノヴァの記憶や口承的な語りへ回帰していく文脈に位置づけている。

Rockolは本作を「悲劇を共有する恋愛」を軸にした、De Andréの中でも特に自伝的な作品の一つとして紹介している。Mauro Paganiとの本格的な長期協働に先立つ作品でもあり、後の展開を考えるうえで節目となる一枚として見られている。

評価と受け止められ方

AllMusicは、このアルバムを『Rimini』の延長線上にありながら、より成熟した語り口を持つ作品として紹介している。Treccaniは「Ave Maria」を軸に、フォークやポピュラーな素材を掘り起こすような回路に注目している。Rockolはアルバム全体をDe André作品の中でも有数の美しさを持つものとして扱い、内省性と情感の強さを評価している。

イタリアの年間アルバム・チャートでは1981年に12位を記録している。売上推定として約2.5万枚という数字もあるが、こちらは推計値として伝えられている。

再発盤について

この2010年のイタリア盤は、ソニー・イタリアによる青色ヴァイナルの限定再発。De Andréのアルバムをカラーヴァイナルで再発する企画の一環で、ジャケットにはナンバリングされたステッカーも付く。1981年のオリジナル盤が持っていた作品の骨格を保ちながら、盤の仕様としてはコレクター向けの再発としてまとめられている。

カヴァーには、フレデリック・レミントンの油彩《The Outlier》(1909年)が使われている。アルバムの視覚面でも、この作品の印象を決める要素になっている。

トラックリスト

  1. A1 Quello Che Non Ho 5:48
  2. A2 Canto Del Servo Pastore 3:11
  3. A3 Fiume Sand Creek 5:16
  4. A4 Ave Maria 5:42
  5. B1 Hotel Supramonte 4:31
  6. B2 Franziska 5:28
  7. B3 Se Ti Tagliassero A Pezzetti 4:58
  8. B4 Verdi Pascoli 5:12

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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