Gladys Knight & The Pips - Still Together (1977)
Gladys Knight & The Pips『Still Together』(1977)
グラディス・ナイト&ザ・パイプスの『Still Together』は、1977年にBuddah Recordsから発表されたアルバムである。モータウンを離れた後のグループが、ディスコの熱気をまとった時代の空気の中で作り上げた作品で、ソウル・グループとしての芯を保ちながら、よりダンサブルな方向へ寄せた内容になっている。全米アルバムチャートではBillboard 200で51位、R&Bアルバムチャートで18位、イギリスでは42位を記録している。
モータウン後の立ち位置を示す一枚
グラディス・ナイト&ザ・パイプスは、60年代から70年代前半にかけてモータウン周辺のソウル・シーンで存在感を示してきたグループである。1970年代後半の『Still Together』は、その流れを受けつつ、当時の主流だったディスコ・サウンドへ接近した時期の記録として位置づけられる。バンドの演奏感やコーラスのまとまりはそのままに、ビートの前面化、リズムの明快さ、ストリングスやホーンの配置など、時代に沿った作りが見える。
プロデュースはヴァン・マッコイとチャールズ・キップスが中心で、グループ側からもバブ・ナイト、エドワード・パットン、ウィリアム・ゲスト、グラディス自身が共同プロデューサーとして名を連ねる。制作面でも、単なる外部プロデューサー主導ではなく、グループの意思が反映されたアルバムとして扱われている。
収録曲の中核を担う「Baby, Don’t Change Your Mind」
このアルバムで特に知られるのが「Baby, Don't Change Your Mind」である。作曲・プロデュースを手がけたのは、ディスコ・ヒット「The Hustle」で知られるヴァン・マッコイ。もともと1976年にザ・スタイリスティックスが取り上げた楽曲で、グラディス・ナイト&ザ・パイプス版は、R&Bチャートで10位、UKシングルチャートでは4位まで上昇した。グループにとって最後のトップ5ヒットとしても記録されている。
曲の作りは、グラディスの主唱を軸に、パイプスのコーラスが後ろで支えるいつもの構図を保ちながら、リズム面ではかなり前進的である。ソウルの歌唱力を土台にしつつ、ディスコ期特有の推進力を取り込んだ仕上がりで、1977年という年の空気がそのまま入っている。
サウンドの輪郭
『Still Together』は、派手な転換を狙うというより、グループの持ち味を時代に合わせて更新したアルバムとして聴こえる。グラディスの歌は力強さだけでなく、言葉の運びに細かな抑揚があり、コーラスとの掛け合いで楽曲の流れを作っていく。ディスコ期の作品にありがちな機械的な印象は強くなく、歌の重心が残っている点がこのグループらしい。
実際に聴くと、ビートは軽快でも、ボーカルの中心はしっかり黒人音楽のソウル・バラードの感覚にある。ダンス向けの拍の上に、グラディスの声がきっちり乗る構造で、グループの強みがそのまま1970年代後半のフォーマットに移し替えられている印象がある。
当時のソウル/ディスコ文脈
1977年は、ソウル・グループがディスコの要素を取り込みながら活動していた時期である。グラディス・ナイト&ザ・パイプスのように、長く成熟したヴォーカル・グループがこの流れに参加したことで、ダンス・ミュージックの側にも歌の比重が強い作品が増えていった。ファンク寄りのグルーヴや、よりポップなアレンジを扱う流れの中で、本作はその接点に置かれる。
同時代の比較対象としては、同じくコーラス・ワークを持ちながらディスコ化を進めたソウル・グループ群が思い浮かぶ。とはいえ、『Still Together』は軽く流れるディスコ・アルバムではなく、歌の表情を前に出す作りが中心である。ヴァン・マッコイの手腕も、その方向に寄与している。
レーベル背景とオリジナル盤
オリジナル盤はUSのBuddah Records、品番はBDS 5689。Buddahは60年代からソウル、ポップ、ロックを幅広く抱えたレーベルで、70年代後半には経営面で厳しい時期に入り、1977年にはAristaとの配給契約へ移っていた。本作はその時期のBuddahから出た作品であり、レーベルの転換期に置かれた一枚でもある。
盤面のリリース年も1977年で、当時の空気を直接反映したオリジナル盤として扱える。付属物としては写真とプロダクション・クレジットのシートが付いていたことが記録されている。こうした点も、単なる音源だけでなく、当時のアルバム作品としての体裁を伝えている。
まとめ
『Still Together』は、グラディス・ナイト&ザ・パイプスが70年代後半のソウル/ディスコの流れに対応したアルバムである。グループの歌の力と、時代に即したリズムの作りが同居し、代表曲「Baby, Don't Change Your Mind」がその中心を担う。モータウン時代の蓄積を引き継ぎながら、新しいダンス・ミュージックの文脈へ足を伸ばした作品として、1977年のソウル・アルバムの一つの形を示している。
トラックリスト
- A1 Love Is Always On Your Mind 10:30
- A2 Home Is Where The Heart Is 5:13
- A3 Little Bit Of Love 3:57
- B1 Baby Don't Change Your Mind 3:15
- B2 Walk Softly 4:57
- B3 I Love To Feel That Feeling 3:30
- B4 To Make A Long Story Short 5:34
- B5 You Put A New Life In My Body 3:29
動画プレイリスト
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Gladys Knight & The Pips - Love Always On Your Mind ( 1977 ) HD
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Gladys Knight & The Pips Home Is Where The Heart Is 1977
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Gladys Knight & The Pips Little Bit Of Love 1977
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Gladys Knight & The Pips - Baby, Don't Change Your Mind (Audio)
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Gladys Knight & The Pips - Walk Softly (Buddah Records 1977)
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Gladys knight & The Pips - I Love To Feel That Feeling
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Gladys Knight & The Pips - To Make A Long Story Short (Buddah Records 1977)
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GLADYS KNIGHT & THE PIPS - You Put A New Life In My Body