Glen Hansard - Don+t Settle Transmissions East (2026)
Glen Hansard 2026

Glen Hansard - Don+t Settle Transmissions East (2026)

Rock Folk Rock

Glen Hansard『Don’t Settle Transmissions East』について

Glen Hansardの『Don’t Settle Transmissions East』は、2026年に登場したライヴ作品である。タイトルは表記ゆれがあり、公式情報では『Don’t Settle (Vol. 1 – Transmissions East)』として案内されている。ベルリンの歴史的スタジオFunkhausで、前後2日間にわたって観客の前で収録された音源を中心に構成されており、演奏の場そのものを作品の核に置いた内容になっている。スタジオ録音というより、会場の空気や観客の反応を含めて記録したアルバムという位置づけが分かりやすい。

Glen Hansardは、The Framesのフロントマンとして知られ、The Swell Seasonでも活動してきたアイルランドのシンガー/ギタリスト/ソングライターである。映画『Once』で広く知られるようになった人物でもあり、ソングライターとしてのキャリアと、ライヴで歌い続ける体質が強く結びついたアーティストだ。この作品も、その延長線上にある1枚として捉えやすい。

ライヴで鳴らし直す、キャリアの再整理

収録曲は『Don’t Settle』『Down on Our Knees』『Back Broke』『My Little Ruin』『Didn’t He Ramble』『Fitzcarraldo』『Carrickfergus』など全10曲。AllMusicの掲載情報を見ると、ソロ作、The Frames、The Swell Seasonの楽曲を横断して再演する構成で、過去作を単に並べるのではなく、現在の編成と会場で鳴らし直す意図がはっきりしている。キャリアの総覧というより、これまで蓄積してきた曲を「今の声」で再配置した作品、と言えそうだ。

とくに表題曲「Don’t Settle」は、海外レビューでも中心的に扱われていた。The Irish Timesは、過去作よりも荒さがあり、後半に向けて高揚していく曲として評価している。Hansardの楽曲は、きれいに整えた録音よりも、ライヴで息づく瞬間に力が出るタイプが多いが、この作品ではその性格が前面に出ている。

ベルリンのFunkhausで記録された現場感

公式サイトによると、この音源はベルリンのFunkhausで収録された。映像やインタビューも同時に記録されたという点からも、単なるライヴ盤ではなく、セッション全体をひとつの記録として扱っていることが分かる。Hansard本人は「曲は観客の前で生きる」と語っており、スタジオで作り込むよりも、見届ける人がいる場で曲が別の命を得る、という考え方が作品の背景にある。

こうした作りは、The Frames時代から続くアイルランドのフォークロック文脈ともつながる。歌と演奏を前に出し、編成の大きさよりも現場の熱量で押していくやり方は、同時代のシンガーソングライター系ライヴ作品とも比較しやすい。派手な装飾より、歌の立ち上がり方とバンドの一体感に重心がある。

評価とチャート実績

評価面では、海外メディアの反応はおおむね好意的だった。Under the Radar、Hot Press、OORなどは、Hansardのライヴでの強さや、バンドとのまとまりを高く見ている。演奏の勢いだけでなく、曲ごとの温度差や、静かな場面から一気に押し上げる展開も含めて、ライヴならではの説得力がある作品として受け止められていた。

チャート面では、英Official Chartsでスコットランド・アルバムチャート最高23位、アルバム売上チャート51位、フィジカル・アルバム49位、インディペンデント・アルバム15位、インディペンデント・アルバム・ブレイカーズ4位を記録している。初チャートインは2026年5月7日。ライヴ盤としてはしっかり存在感を示した形だ。

盤としての仕様

この盤は、プリント入りインナー・スリーブと8ページの歌詞ブックレットを収録し、サイン入りプリントは付属しない仕様である。盤面のバーコードは印刷のみで、バーコードステッカーは付かない。さらにAssai Recordsでは、手書きナンバリングと日本風オビを付けた200枚の限定仕様も扱われていた。コレクション面では、こうした流通の違いも覚えておきたいところだ。

まとめ

『Don’t Settle Transmissions East』は、Glen Hansardがこれまで歩んできたソロ、The Frames、The Swell Seasonの流れを、ライヴという形で再確認できる作品である。『Once』で広く知られるようになった後も、彼の本質が「曲を人前で鳴らすこと」にあるのは変わらない。その姿勢が、ベルリンのFunkhausという場でそのまま記録された1枚、という見方がしやすい。既発曲の再演を中心にしながら、現在のバンド感と歌の強度を見せる内容になっている。

トラックリスト

  1. A1 Don't Settle
  2. A2 Down On Our Knees
  3. A3 Back Broke
  4. A4 My Little Ruin
  5. B1 Didn't He Ramble
  6. B2 Fitzcarraldo
  7. B3 Lowly Deserter
  8. B3 Wreckless Heart

動画プレイリスト

Share
記事一覧に戻る

あわせて聴きたい "Folk Rock"

toast