Junko Yagami = 八神純子 - Full Moon (1983)
八神純子『FULL MOON』
八神純子の『FULL MOON(フル・ムーン)』は、1983年12月5日に発売された通算7作目のオリジナル・アルバム。ディスコメイトレコード在籍時の最後のオリジナル・スタジオ盤で、全10曲の編曲を瀬尾一三が単独で担当した。作詞は八神本人に加えて山川啓介が手がけ、作曲は全曲を八神純子自身が手がけている。
制作背景と参加ミュージシャン
演奏陣には、当時の日本のスタジオ・シーンを支えたトップミュージシャンが集結した。ドラムに林立夫と山木秀夫、ベースに富倉安生と美久月千晴、エレクトリック・ギターに矢島賢、アコースティック・ギターに吉川忠英、パーカッションにペッカー、コーラスにEVE、山川恵津子、松下誠らが参加している。
先行シングルとして1983年11月21日に出た「黄昏のBAY CITY」は、本作を象徴する1曲。作詞・作曲ともに八神自身によるもので、富倉安生による鋭いスラップベースと硬質なシンセ、矢島賢のカッティング・ギター、そして八神の突き抜けるハイトーン・ボーカルが噛み合った、和製ブギー/ファンクの最高峰として知られる。
時代の文脈
1983年は、ニューミュージック系のシンガーソングライターたちがシンセポップやブラック・コンテンポラリー、洗練されたアーバン・ブギーへとサウンドを移行させていた時期。八神純子にとっても、「みずいろの雨」や「パープル・タウン 〜You Oughta Know By Now〜」などのヒットを連発した時期を経て、1980年のアメリカ・ロサンゼルス滞在体験などを昇華し、より洋楽志向でタイトなダンス・グルーヴへと到達した転換期の作品に位置づけられる。
発売当時のオリコンアルバムチャートでは最高32位を記録。「黄昏のBAY CITY」はシングルとしてはオリコン最高75位だった。
サウンドと後世への影響
サウンド面では、瀬尾一三によるソリッドなアレンジのもと、ダンサブルなブギーからメロウなAORナンバー、軽快な「Two Notes Samba」まで、八神純子の圧倒的な声量と音域の広さ、伸びやかな歌唱力が遺憾なく発揮されている。
2010年代以降は、世界的なシティポップ/フューチャー・ファンクの流れの中で再評価が進んだ。とくにアメリカのプロデューサーYung Baeが2014年の楽曲「Bae City Rollaz」で「黄昏のBAY CITY」をサンプリングしたことで海外のネットコミュニティに爆発的に拡散。韓国のプロデューサーNight Tempoによる公式リエディット企画「昭和グルーヴ」でも取り上げられた。竹内まりやの「Plastic Love」や松原みきの「真夜中のドア〜Stay With Me」と並び、日本の80年代シティポップを代表する世界的アンセムとして広く聴かれ続けている。
トラックリスト
- A1 Follow Me
- A2 Naturally
- A3 黄昏のBay City = Tasogare No Bay City
- A4 陽だまりのあなた = Hidamari No Anata
- A5 抱きしめてあげる = Dakishimete Ageru
- B1 綿雪&銀紙星(コットン・スノーにペイパー・スター)= Cotton Snow & Paper Star
- B2 No!
- B3 ハートブレイクホテルで朝食を = Heartbreak Hotel De Choushoku
- B4 Full Moon
- B5 Two Notes Samba
動画プレイリスト
このアーティストについて
八神純子(Junko Yagami、1958年1月5日生まれ)は、愛知県名古屋市出身のシンガー・ソングライターだ。圧倒的な声量とどこまでも澄み渡るクリスタルな...
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