Lemuria - Lemuria (1978)
Lemuria『Lemuria』
1978年にハワイ・ホノルルの自主レーベル、Heaven Recordsから出た『Lemuria』は、ハワイアンAOR/メロウ・ソウル史に輝くグループ、レムリア(Lemuria)による唯一のスタジオ・アルバム。中心にいるのは、ハワイを代表するバンド「カラパナ」の創設メンバーでもあるキーボード奏者のカーク・トンプソン。1978年にカラパナを離れたトンプソンが、自身の理想とする洗練されたソウル/ジャズ・ファンクを形にするために立ち上げたHeaven Recordsの第1弾作品(AL 00001)として、ローカルの腕利きミュージシャンとシンガーを集めて制作された。
制作背景・エピソード
本作には総勢16名のミュージシャンやシンガーが参加。ボーカル陣には、後にハワイ屈指のジャズ・シンガーとして活躍するアズール・マッコールをはじめ、ステイシー・ジョンソン、スター・ウィリアムズ、メリー・レイクらが名を連ねる。録音はホノルルのAudissey Soundとロサンゼルスのスタジオで行われた。
収録曲では、冒頭の「Hunk Of Heaven」がアルバムを代表するキラー・チューンとして名高い。ホーン・セクションと多幸感あふれるボーカル・ハーモニーが疾走する極上のモダン・ソウル/ダンサーで、後年にはNujabesと縁の深いラッパーSubstantialの「Substance」(2001年)などにもサンプリングされた。ほかにも、爽快なアイランド・ブリーズが香る「All I've Got To Give」や「Moonlight Affair」、7分を超える本格的ジャズ・ファンク「Mister U (Universe)」、カーティス・メイフィールドの「The Making Of You」をメロウにカバーした好演などが並ぶ。
時代の文脈
1970年代後半のハワイでは、カラパナやセシル・アンド・カポノに代表されるアイランド・メロウ/AORが急速な発展を遂げていた。その中で『Lemuria』は、西海岸系の洗練されたAOR、アース・ウインド&ファイアーやロイ・エアーズを思わせるアーバンなジャズ・ファンク、さらにブラジリアン/ボサノヴァのエッセンスを重ね合わせた作品として際立っている。ローカルのインディーズ盤でありながら、米本土のメジャー作品と肩を並べる破格の完成度を誇る。
後世への影響
オリジナルLPは限定プレスで流通もハワイ中心だったため、長らくアイランド・メロウ/レア・グルーヴの究極のメガレア盤として世界中のコレクターの間で高額で取引されてきた。日本では1990年代のフリー・ソウル(橋本徹監修)やDJ MUROらのディグ、P-VINEによるリイシューを通じて熱狂的な支持を獲得。近年はハワイのAloha Got Soulによる再発などもあり、世界的なシティポップ/トロピカル・ソウル再評価の原点として不動の地位を築いている。
南国のリラクゼーションと都会的な洗練が同居したサウンドスケープ、カーク・トンプソンの流麗なエレピと女性ボーカル陣の瑞々しいハーモニーは、ハワイアン・ソウルの最高峰として輝き続けている。
トラックリスト
- A1 Hunk Of Heaven 4:00
- A2 All I've Got To Give 5:12
- A3 Dreams 3:57
- A4 Mister U (Universe) 7:10
- B1 Get That Happy Feeling 4:07
- B2 Moonlight Affair 5:10
- B3 Mystery Love 5:12
- B4 The Making Of You 3:50
- B5 The Lady And The Dude 3:35
動画プレイリスト
このアーティストについて
レムリア(Lemuria)は、1970年代後半にアメリカ・ハワイ州ホノルルで結成されたソウル/ジャズ・ファンク/ハワイアンAORグループである。ハワイのロ...
Lemuria のプロフィール・作品一覧