Funk Inc. - Funk Inc. (1971)
Funk Inc.『Funk Inc.』
インディアナ州インディアナポリスで1969年に結成された5人組ソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク・バンド、ファンク・インク(Funk Inc.)の記念すべきデビュー・アルバム。ハモンド・オルガンのボビー・ワトリー、テナー・サックスのユージーン・バー、ギターのスティーヴ・ウィークリー、ドラムスのジミー・マンフォード、コンガのセシル・ハントという布陣で、1971年に名門プレスティッジ・レコードから発表された。
制作背景・エピソード
地元インディアナポリスのクラブ・シーンでタイトな演奏力を磨いていた彼らは、送られてきたデモテープを聴いたプレスティッジの名物プロデューサー、ボブ・ポーターにその強靭なグルーヴを見出され、即座にレーベル契約を結んだ。
録音は1971年8月11日、名匠ルディ・ヴァン・ゲルダーが主宰するニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオで敢行された。プロデュースはボブ・ポーター、エンジニアリングはルディ・ヴァン・ゲルダーが担当。アルバム冒頭を飾る「Kool Is Back」は、クール&ザ・ギャングの「Kool's Back Again」を長尺のインストゥルメンタル・ジャズ・ファンクとして再構築した楽曲であり、中盤のジミー・マンフォードのドラムとセシル・ハントのコンガによるブレイクは、後にヒップホップ史を揺るがす伝説的ビートとなった。ほかにB.B.キングの「The Thrill Is Gone」をスモーキーに料理したカバーや、メンバー自作曲の「Bowlegs」「Sister Janie」「The Whipper」が収録されている。
時代の文脈
1970年代初頭のプレスティッジは、従来のストレート・アヘッドなハード・バップ路線から、チャールズ・アーランド、ブーガルー・ジョー・ジョーンズ、アイドリス・ムハンマドらが牽引するアーシーで泥臭いソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク路線へと大きく舵を切っていた。その潮流の中でファンク・インクは同レーベルの最前線を担う存在として登場した。
同郷インディアナポリスが生んだ巨人ウェス・モンゴメリーやグラント・グリーンの系譜を引くスティーヴ・ウィークリーのブルージーなギター、足鍵盤ベースを巧みに操るワトリーの唸るハモンドB-3オルガン、そしてホットにブロウするテナーサックスが織りなすアンサンブルは、当時のブラック・コミュニティのジュークボックスやダンスフロアを熱狂させた。
後世への影響
「Kool Is Back」は、ヒップホップ黎明期の伝説的コンピレーション『Ultimate Breaks & Beats』に収録されたことで、ブレイクビーツの金字塔として永遠の命を得た。ビッグ・ダディ・ケイン「Ain't No Half-Steppin'」、ピート・ロック&C.L.スムーズ「The Creator」、A Tribe Called Quest「Everything Is Fair」をはじめ、ビズ・マーキー、デ・ラ・ソウル、DJシャドウ、ビースティ・ボーイズなど、500曲を超えるヒップホップ/ダンス・クラシックにサンプリングされている。
本作はBillboardのジャズ・アルバム・チャートでトップ40入りを果たし、ファンク・インクはこの後もプレスティッジに『Chicken Lickin'』など計5枚のアルバムを残した。90年代以降のアシッド・ジャズ/レア・グルーヴの再評価を経て、現在もジャズ・ファンクの必聴基本盤として世界中で聴き継がれている。
トラックリスト
- A1 Kool Is Back 8:20
- A2 Bowlegs 7:55
- B1 Sister Janie 5:25
- B2 The Thrill Is Gone 6:30
- B3 The Whipper 6:15
動画プレイリスト
このアーティストについて
Funk Inc.(ファンク・インク)は、1969年にアメリカ・インディアナ州インディアナポリスで結成されたジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ・クインテッ...
Funk Inc. のプロフィール・作品一覧